オンライン理事会に続き、WEB併用オンライン臨時総会を開催したザ・パークハウス東戸塚レジデンスの事例

コロナ禍により、マンション管理組合ではオンライン理事会の導入が進みつつあります。
今回は、オンライン理事会に続き、さらにWEB併用オンライン臨時総会を開催した、ザ・パークハウス東戸塚レジデンス様の事例をご紹介します。マンション管理組合専用グループウェア「Mcloud」も活用しながら、さまざまな工夫がなされています。

WEB参加併用のハイブリッド方式で開催したオンライン臨時総会

ザ・パークハウス東戸塚レジデンスは、2018年竣工、総戸数237戸の大規模マンションです。

ザ・パークハウス東戸塚レジデンス管理組合は、建物竣工時からマンション管理組合専用グループウェア「Mcloud」が標準装備されていましたが、なかなか活発な運用にまでは至っていませんでした。

しかし、2020年3月からの新型コロナ感染症拡大の影響で、理事が理事会に参集できない状況もあり、5月にオンライン理事会を導入。住民への情報伝達のチャンネル拡大のひとつとして「Mcloud」の全面運用を始めることにしました。

会員登録した住民だけが閲覧できる、マンション管理組合専用グループウェア「Mcloud」の画面。住民へのお知らせやイベントカレンダーなどの情報が共有できます。

マンション管理組合専用グループウェア「Mcloud」※外部サイト

竣工から2年経ち、2年アフター点検の時期でもあったことから、4月末にはオンライン(Zoom)による「2年アフター専有部分レクチャー」や「2年アフター共有部分点検結果説明会」なども開催しました。

「2年アフター専有部分レクチャー」には、70戸の住民が参加して、注目度も高かったようです。オンラインレクチャーは録画して、住民のみが後から視聴できるようにWEBでも共有。後から視聴している方も170件ほどあったそうです。

【真似したいポイント!】
住戸や共有部分、防災に関する必要な情報は、オンライン講座や録画した動画で、住民のみに共有するというのは、真似したい考え方ですね。マンションの基本機能に関する動画をアーカイブしていくのもよさそうです。

真似したい!ザ・パークハウス東戸塚レジデンスの工夫

ザ・パークハウス東戸塚レジデンス管理組合では、成功している管理組合の事例を積極的に取り入れていくようにしているそうです。さらに、管理会社である三菱地所コミュニティさん、マンション管理士の中村優介(黒いひつじマンション管理士事務所)さんといった専門家からのアドバイスを受け、日々のマンション管理や運営を行っています。また、アフター点検や長期修繕計画の見直しについては、コンサルティング会社である株式会社さくら事務所さんとパートナー契約を結んで推進しています。

他管理組合の事例や専門家の意見を積極的に取り入れていくという姿勢がいいですよね。

今回の臨時総会で「ここはぜひとも真似したい!」というポイントが幾つかありましたので、写真と共にご紹介します。

【真似したいポイント!】
臨時総会参加への呼びかけチラシ(参加率向上のための工夫)
WEB傍聴要領の配付(参加率向上のための工夫)
臨時総会の注意事項の明示(スムーズな総会進行のための工夫)
エントランスホールの活用(参加率向上のための工夫/感染症に対する予防措置)
会場の換気環境(感染症に対する予防措置)
臨時総会の時間短縮のための施策(感染症に対する予防措置)

【①臨時総会参加への呼びかけチラシ】
まず目に付いたのが、人気コミックを活用した臨時総会参加への呼びかけチラシ(写真向かって左)を、住民が始終出入りして目にすることの多いコンシェルジュカウンターに設置していたこと。著作権フリー・2次利用許可の佐藤秀峰さんによる漫画『ブラックジャックによろしく』を活用して、住民の目を引く内容に仕上げています。管理組合では、ほかにも「理事会かわら版」を発行して、住民への情報共有を心がけています。

【②WEB傍聴要領の配付】
事前に、グループウェア「Mcloud」からWEB傍聴参加するための方法を図解説明した資料を配付。住民の誰もがWEB傍聴に参加しやすい環境づくりを心がけました。

【③臨時総会の注意事項の明示】
リアル参加・WEB参加共にわかるように、総会の注意事項を、スクリーンおよび画面共有で明示していました。当たり前のことですが、不要な混乱を防ぐためにも、こうした注意事項の明示は重要です。

【④エントランスホールの活用】
これまでは近所の小学校体育館を借りて総会会場を設営していましたが、今回のWEB視聴併用の臨時総会ではマンションのエントランスホールを活用。これにより、会場貸出手続きの手間が不要、理事や管理会社による会場設営準備・撤収時間の短縮、住民が参加しやすい環境づくりが可能となりました。住民にとってはマンション内で参加できるのは有り難いですね。

【⑤会場の換気環境】
エントランスホールの扉を開け放つだけでなく、空気の流れの悪い作業場の換気・送風に使用する「ポータブル送排風機」を会場の換気に活用。「送排風機」は隣接する中庭に設置し、透明なダクトバンドから室内へ新鮮な外気を送り込みます。長いダクトバンド(写真向かって右)は、空気の流れの悪い室内奥にまで伸ばすことができます。参加者への実際の換気効果だけでなく、ここまでコロナ対策を施しているという安心感も感じます。

⑥臨時総会の時間短縮のための施策(感染症に対する予防措置)
管理組合では、会場での3密状態を避けるために、総会に先立って以下の準備も整えていました。こうした地道な準備の積み重ねも、WEB併用オンライン臨時総会開催や、感染症予防対策には欠かせません。

・当日の議案については、事前説明会を開催して説明を行い、疑問点を解消して賛否を決めていただく。
・臨時総会では、可能な限り議決権の行使を事前に依頼する。
・複数回に亘る出欠届(議決権行使・代理人指定)チラシの投函の及び戸別訪問による提出を促した結果、提出率96.1%を達成。

オンライン臨時総会を終えて—メリットと今後の課題

第3期理事会メンバーの皆様、管理会社様(三菱地所コミュニティ)、マンション管理士 中村優介様(黒いひつじマンション管理士事務所)、お疲れさまでした! WEB併用のオンラ臨時総会を終えたあとの感想を、理事の皆さんにお伺いしました。

第3期理事会の理事長 赤木さんは、臨時総会の議長とWEB画面のオンライン共有の両方を務めました。

赤木理事長
私がまだ、Zoomの操作方法を習熟していないこともありますが、議長として議事を進行していると、画面操作が後からになったりして、議事とWEB画面操作の同時進行を一人で担うのは難しかったですね。そこが反省点です。ただ、ライブ配信が音切れなどのトラブルなく、スムーズに進行したのは良かったと思います。

理事の坂口さんは、写真のように自分の部屋からスマホでオンライン参加。スマホ画面でも問題なく視聴でき、音声もクリアだったとのことでした。

理事 坂口さん
スマホでも問題なく視聴できることが確認できたのは良かったです。うちは子どもが2人いるので、妻が家にいないと理事会や総会へ出席できませんでした。理事会や総会にオンラインでの参加が認められることになったので、コロナ禍が終わっても、引き続きWEB参加の選択肢を利用していければ、子育て家族にとっては大変助かります。

理事の堀さんは、自室のPCからオンライン参加。PCの大きい画面での視聴は、より見えやすく、操作しやすかったとのこと。

理事 堀さん
臨時総会にオンライン参加してみて、余計に「わざわざひとつの場にリアルに参集しなくてもいいんじゃないか」という思いが増しました。議案に関しては事前に説明会も行っていましたので、臨時総会では議決可否をWEB傍聴するだけでしたので。
いままでは学校の体育館を借りて総会を行っていたのですが、今回はマンション内のエントランスホールを使えたので設営準備も早くて簡単でした。顔を合わせる必要がある場合と、そうでなくてもよい場合とを、うまく使い分けていけるといいですね。

理事の皆さんも、開催を終えて、オンライン臨時総会の手応えを感じていらっしゃるようでした。実際、今回の臨時総会は、予算変更も含め重要な6つの議案に関する議決にもかかわらず、事前説明会などの準備やWEB併用の臨時総会で効率化できたせいか、約1時間ほどでスムーズに終了しました。

また、今回のオンライン臨時総会には、合計14台(理事による2デバイス参加含む)の住民のデバイスが参加していました。
・PC 5台
・スマホ 8台
・iPad 1台

感染症予防の面だけでなく、地方在住で部屋を所有している住戸オーナーや赴任中で不在の方、小さいお子さんや介護中の家族から目が離せないという方にとっても、便利なオンライン参加は、今後もっと増加していくのではないでしょうか?

将来の「管理の見える化」に備えて—資産価値向上のための取り組み

臨時総会開催にあたって、エントランスホールでもWi-Fiでインターネットを利用できるようにしました。同時にキッズルームなどの共用部分でもWi-Fiが使えるように工事完了。今後は、マンションの共用部分にWi-Fiが導入されているのは当たり前の時代になりそうです。

ザ・パークハウス東戸塚レジデンス管理組合が、今回の臨時総会で6つの議案を決議したのは、2020年6月に成立・施行された『マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律』を見据えてのことでした。

マンション管理も「中身が見える」時代へ—「マンション管理適正評価研究会」の今後の展開

将来策定される予定の「マンション管理適正評価」によって、これまで数値や指標として見えてこなかった「マンションの管理」の部分が、評価として「見える化」していきます。

ザ・パークハウス東戸塚レジデンス管理組合では、このマンション管理の評価システムに乗り遅れないように、マンションの管理に積極的に取り組んでいきたいと考えています。そのために、今回の臨時総会で、WEBを併用した理事会や臨時総会の導入と管理規約の改正、予算や長期修繕計画の見直しを議決したそうです。

かなり築年数が経ってから、マンション管理や長期修繕計画を見直すのでは、遅きに失します。まだ若いマンションともいえるザ・パークハウス東戸塚レジデンスが、資産価値の向上とさらなる発展を目指して、将来を見据えてマンション管理に取り組んでいく姿勢は、とても参考になりました。


先進的なマンション管理組合が、積極的にオンライン理事会を取り入れているのは、コロナ禍でマンションの管理・運営が滞らないため、ひいては資産価値の維持や向上のためでもあります。社会全般がコロナ禍で停滞気味ですが、こうした積極的な運営を心がけたいものですね。

ザ・パークハウス東戸塚レジデンス
神奈川県横浜市東戸塚にある、3棟構成・全237戸の大規模マンション(2018年竣工)。四季折々の植栽を楽しめる中庭、共用施設(ゲストルーム・キッズルーム・ラウンジスペース)などがある。入居時からマンション管理組合支援グループウェア「Mcloud」が導入されている。

2020/12/04