初心者でもカンタン! Zoomを使ってオンライン理事会をやってみよう!

新型コロナウイルス感染症拡大がきっかけとなり、オンライン理事会への期待度も高まっています。そこで今回は、一番人気のZoomを使ったオンライン理事会の実施方法をレクチャーします。オンライン理事会体験者3名のポイントアドバイスもぜひ参考にしてください。

オンライン理事会導入を提案するには?(説得材料)


オンライン理事会導入のメリットをアピールして説得する

①3密(密閉空間・密集場所・密接場面)回避できる
②感染の不安なく安心して理事会が開催できる
③理事会参加率向上の可能性
④時短・効率化が期待できる
⑤スマホが使えれば操作はカンタン
⑥ITが苦手な人は従来通りリアルで参加できる

コロナ禍でオンライン理事会が注目されていますが、実際に開催しているのはほんの一握りの管理組合というのが実情。3密は不安だけれど、「反対されそう」「言い出しづらい」「どうやって説得すればいいかわからない」という理事さんも多そうです。

では、どうやって導入を提案すればよいのでしょうか?

実際に導入している他のマンションの成功事例やメリットを提示するのもひとつの方法です。
以下の2つのマンションは、オンライン理事会の導入により、「参加率が劇的に向上した」「3密回避して安全に理事会が開催できている」という事例です。またオンライン体験理事の満足度は70%超えというアンケートのデータを見せるのも効果的です。

理事の参加率が88%に向上した!深大寺レジデンスの事例
単身赴任中の理事も参加可能になった!ブラウシアの事例
オンライン理事会体験者の満足度は70%超え!アンケートレポート

すでにオンライン理事会を実施している2つのマンションの関根さん、高田さんからの説得ポイントのアドバイスも参考にしてください。


<導入説得ポイントアドバイス>

悩んでいるくらいならやった方がいい!

深大寺レジデンス/関根 麗さん
オンライン理事会は体験しないとわかりません。悩むくらいなら、まずやってみる。ITがわからない人でもスマホが操作できれば大丈夫。疑問点を教えただけで、すぐさま自分の部屋から参加した人もいました。うちのマンションは、オンライン理事会のおかげで理事会参加率が格段に向上しました。

オンラインは選択肢のひとつ、基本はハイブリッドな理事会

ブラウシア/高田 豪さん
いつものリアルな理事会+オンライン参加という選択肢がひとつ増える、ハイブリッドな理事会であることを丁寧に説明しては? そもそも3密状態での理事会を避けることが目的です。オンライン参加の人が増えれば、リアルに集まる人数が少なくなります。理事会での感染症リスクが減るということは、大きな説得材料です。

オンライン理事会に欠かせないZoomの4つのメリット


Zoomのメリット

①デバイスを選ばない
②安定した音声と映像クオリティ
③録画、チャット、画面共有などの多彩な機能がひとつでできる
④利用者数が多い(操作に慣れている人が多い)

オンライン理事会を開催するためのWeb会議ソフトは、Zoom、Skype、Googleハングアウト、Microsoft Teamsなどがあります。マンションでは、初心者にわかりやすい「Zoom」を使用していることがほとんどです。最近のテレワーク急増でシェア率が高い「Zoom」は、仕事で使っていて操作に慣れている人が多いという利点もあります。

Zoom※外部サイト

管理組合として準備するもの


オンライン理事会は、オンラインで参加する人+リアルで参加する人「ハイブリッド型理事会」が最適です。

管理組合として準備するものは、リアルで参加する人が集まる場=集会室のインターネット環境の整備とオンライン会議に使用する機器です。

インターネット環境(できればWi-Fiがあればベター)

①集会室のインターネット環境(できればWi-Fiがあればベター)
オンライン会議は、インターネット回線の速度と安定性が命。これによって音声や映像に大きな影響が出ます。音声が遅れて聞こえたり、映像が一時的に止まってしまうなどは、もってのほか。せっかく導入する気になっても「使えない」ということになってしまいます。
集会室にインターネット回線がないマンションは、小型のWi-Fi通信端末の設置でも良いですが、データ容量が気になります。この機会に共用部にインターネット回線を導入しましょう。

②オンライン会議のアプリ「Zoom」を契約しよう!
「Zoom」には、無料版(基本)と有料版(プロ)があります。無料版は、40分までしか使えないので、本格利用には有料版がオススメです。
有料版(プロ)の費用は、月額14.99ドル(約1,650円程度)。登録には、クレジットカードかPayPal決済が必要です。管理組合でクレジットカード決済がしづらい場合は、管理会社に代行登録してもらう方法もあります。

③集会室にホスト用パソコンがあると便利
オフライン参加者が集まる集会室に、ホストとして理事会を司会進行する人が使用するパソコンがあれば便利です。カメラ内蔵型パソコンであればベターですが、外付けカメラ(4,000円位〜)を設置する方法もあります。リアル参加者が複数いる場合は、複数の声を拾いやすい会議用スピーカーがあるとさらに良いですが、最初はなくてもOK!

④プロジェクター
リアル参加者が見やすいように、オンライン会議の画面を映し出します。

参加者が自宅で準備するもの


インターネット環境(できればWi-Fiがあればベター)

パソコン or タブレット or スマホ

①専有部のインターネット環境
マンション全体でインターネットが導入されていればよいですが、個々のインターネット契約の場合は、回線の速度と安定性が重要。この機会に、マンション全体でインターネット導入を検討してみては? また、スマホやタブレットで使う場合は、室内にWi-Fi環境があればデータ容量を気にしないでよいのでさらに便利です。

②デバイス(デスクトップパソコン/ノートパソコン/タブレット/スマホ)
デバイスは、上記のいずれでも使いやすいものを。パソコンはカメラ内蔵型でなくても、外付けカメラをつけることもできます。

③マイク付きヘッドホンorイヤホン

マイク付きイヤホン(1,000円〜)の他に、
高価ですがAirPods Proのようなインイヤーヘッドフォンも、
マイクやノイズキャンセリング機能があって使いやすいです。

オンライン理事会は、自分の音声が聞き取りにくいと、全体の進行に支障をきたすこともあります。スマホやタブレットの場合は比較的音声面での問題は少ないですが、古いパソコンの場合は、なるべくマイク付きのヘッドホンかイヤホンを利用しましょう。マイク付きイヤホンは1,000円台のものでも十分クリアに聞こえて会話もできます。

オンライン会議の司会進行と決議方法


みんなの顔が見えるのも、オンライン理事会のメリットのひとつ。

①司会進行は目配りと耳配り
リアルな参加者も含め、オンライン理事会をスムーズに進行するには、議題をバランスよく回す司会進行の役割が重要になってきます。

オンラインだと参加者の顔が画面で一覧できるというメリットがあるので、発言していない人や発言したそうな人に、目配りして声をかけて発言を促すこともできます。

また、操作に慣れていなくてマイクに近付きすぎていたり、他の音が入って聞き取りにくかったりする場合は、ホストがその人の音声をミュート(無音)にすることもできます。理事会がスムーズに進行できるように、音声面での配慮=耳配りにも注意したいものです。


<役割分担のポイント>

ITアシスタントがいれば、なお良し

深大寺レジデンス/関根 麗さん
オンラインでも、理事会の進行は同じです。ただ、もう1人オンライン理事会のサポートをしてくれるITアシスタントがいれば、よりスムーズ。誰かが説明している間は、その他の人の音声を邪魔にならないようにミュート(無音)にするなど、会議がストレスなく進行するようにサポートしてくれる人がいれば集中しやすくなります。

②決議は、わかりやすく取りこぼしなく
決議は通常挙手ですが、オンライン会議の場合は「カメラ」をオフにして参加している人がいたり、参加人数が多い場合は1画面にすべての参加者の顔が映り切らなかったりすることもあります。
オンラインでの決議の意思表示については、以下のような方法が考えられます。

・画面に向かって挙手する
声で意思表示する
・Zoomの「反応」ボタンから「拍手」または「いいね」の意思表示アイコンを使う

どの方法でもよいですが、オンラインでもリアルでも、「決議の意思表示ができない人をつくらない」ことが重要です。


<決議方法のポイント>

○×カードを提示する

ブラウシア/高田 豪さん
最近はオンライン参加者に「表:○/裏:×」カードを事前配布して、決議時に○×カードを見せてもらうことにしています。リアル参加者は挙手です。誰もがわかるシンプルな方法が一番です。

管理規約を変更して、万全な体制でオンライン会議を


コロナ禍でのオンライン理事会の開催は、管理規約的に問題ないのでしょうか?
マンション管理士の桜井さんに伺ってみました。


<管理規約改正のポイント>

オンラインからの理事会参加は有効であると明示する

マンション管理士桜井良雄さん

管理規約で、オンライン理事会や総会を認めているマンションはまだほとんどないでしょう。しかし新型コロナウイルス感染拡大の予防という観点から、規約に記載されていなくても、区分所有者の了承が得られれば、オンライン理事会の開催も不適切ではないと考えられます。

オンライン理事会の運営規則を別途作成して議案化し、総会で追認を受ければいいでしょう。公益財団法人マンション管理センターや一般社団法人マンション管理業協会から、ITを活用した総会・理事会についてのQ&Aも公開されているので、それらを参照して理事会で検討します。

以下の、横浜市立大学国際教養学部教授 齊藤広子先生の記事も参考にしてください。
一般社団法人マンション管理業協会「マンション暮らしのフォーシーズン」>緊急事態措置で総会や会議の仕方が変わる?※外部サイト

アドバイスいただいた皆さんのプロフィール

桜井 良雄さん

川崎市高津区にある大規模マンション「パークシティ溝の口」(総戸数1,103戸)の元理事長、統括防火管理者、マンション管理士。
パークシティ溝の口※外部サイト

関根 麗さん

調布市にある大規模マンション「深大寺レジデンス」(総戸数570戸)の元理事長。「ねぶくろシネマ」運営など、多彩な地域コミュニティづくりに関わる。

高田 豪さん

千葉市中央区にある大規模マンション「ブラウシア」(総戸数438戸)の元副理事長、現オブザーバー。
ブラウシア※外部サイト

コロナ禍が収束する様子のないいま、管理組合には議論する課題が山積みです。こういう状況だからこそ、安全なオンライン理事会を導入して、議論したいものです。
本記事をぜひ役立ててください。

目に見えない敵にマンションはどう立ち向かったか?4マンションの新型コロナウイルス対策

2020/09/16