オンライン理事会の本格的導入から効率的運用フェーズへ!ブラウシア管理組合の導入事例


新型コロナウイルス対策は、マンション理事会のオンライン化を促進するきっかけになりつつあります。今回は、すでにオンライン理事会を導入し、現在は今後の運用方法を検討中の千葉市中央区・ブラウシア管理組合の事例をご紹介します。

3密回避のためにWeb会議システムを導入

ブラウシア管理組合
千葉市中央区にある、2005年竣工、地上20階・地下1階建、総戸数438戸の大規模マンション。活発なコミュニティ活動や先進的な取り組みがテレビや雑誌で紹介されるなど、注目のマンション。


ブラウシア管理組合の公式サイト ※外部サイト
ブラウシア管理組合Facebook公式ページ ※外部サイト

ブラウシアでは、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言発令後、3密回避のために4月からオンライン理事会を導入。理事会の配下にある各グループでも、積極的にオンラインツールを活用した話し合いの場が展開されています。その導入のきっかけと導入後の感想や意見を管理組合の皆様に伺いました。

ブラウシア管理組合の副理事長 新納さん(写真左下)、オブザーバー 吉岡さん(右下)、オブザーバー 高田さん(左上)、理事 平澤さん(右上)。

——オンライン理事会のためのツールはどのように決定しましたか?

理事 平澤さん
初回のオンライン理事会開催前に、一部有志でGoogleハングアウト、Skype、Zoomなどを試した上で、いちばん聞き取りやすく通話が途切れることのなかったZoomに決定しました。ブラウシアでもオンライン飲み会をよくやっていますが、事前に少人数で気軽なオンライン飲み会をやってみればツールの使い方がわかって良いと思います。

Zoom(ズーム) ※外部サイト
※オンラインミーティングを行うためのウェブ会議ツール。

——オンライン理事会のためのツールはどのように決定しましたか?

副理事長 新納さん
4月18日の理事会から、自宅から理事会に参加できるオンライン理事会を導入しました。ただ現在の当マンション管理規約がオンラインでの理事会開催を想定していないため、10月に開催される総会で管理規約改正を予定しています。オンライン初となる4月の理事会においては、理事会全体のコンセンサスが完全にとれていなかったため、決議に必要な過半数の理事はコモンスタジオ(集会室)にリアル参集、それ以外の理事は自宅からオンライン参加という方式を採りました。

理事 平澤さん
実際に会って設定や操作を説明できなかったのはもどかしかったですが、この1か月で、各理事のオンライン会議へのアクセスの環境整備、テレカンファレンスシステムの試験導入、理事会運営ルールの作成を行いました。続く5月のオンライン理事会も、大きな混乱もなく、無事全議題の決議および報告が完了できました。

理事20名・オブザーバー10名という大所帯のブラウシア管理組合ですが、半数が自宅から参加して、オンライン理事会はスムーズに進行しているようです。

実はブラウシアでは、以前からマンション管理士の深山州さん(メルすみごこち事務所 ※外部サイト)にオンライン理事会を薦められていたそうです。コロナ禍がきっかけとなって、懸案だったオンライン理事会に着手することができました。

マンショ管理士の深山州さんがオススメするオンラインのマンション理事会記事はこちら。
マンション理事会を効率化!SNSで手軽にはじめて、グループウェアでさらに便利に

遠隔参加、効率化、オンライン理事会のメリットと課題

オンライン理事会の様子。リアルに参集した人たちは距離を保って着席、室内に外気を取り込んで配慮しました。

ブラウシア管理組合の皆さんから伺った、オンライン理事会を実施して感じたメリットと課題を以下にまとめました。

<メリット>

○マンション内の専有部も共有部もネット環境が整備されていたため導入がスムーズだった。
○今回のような有事でなくても自宅から参加できる。参加の選択肢が広がった。
単身赴任中の理事も参加できたこと。
○「決議事項、報告、検討事項」を事前に精査して、理事会は決議のみとして効率化を図った。

<課題>

○各理事のオンライン環境のバラツキ(声が聞き取りづらいなどの問題)があった。
○全体が見渡せて参加者の顔が見える進行が必要。
「一体感」をどのように出すのかが、今後の課題。
○オンラインに特化した議事進行を行うファシリテーターが必要。
○これまで雑談から生まれていた改善策やアイデアをどう拾っていけるか?

オブザーバー 吉岡さん
単身赴任中のオブザーバー2名が毎月理事会に合わせて帰省してくれていましたが、今回はそれも困難な状況で、オンラインで参加してくれました。オンライン理事会では遠くにいても距離が近い気がしました。ブラウシアはもともと理事会の参加率が高いので、オンライン化による変化は感じませんが、私が理事をしていた頃は、お子さんを保育所に預けて理事会に参加されていた女性理事もいました。家庭の事情によって、理事会への定期参加が困難な人もいるはず。オンラインであれば、そうした問題が解決できるだけでなく、これまで難しかった外部に居住している所有者も参加しやすくなるかもしれません。

オブザーバー 高田さん
オンライン理事会では、議題を整理してコンパクトに効率的な理事会を心がけています。しかし、それが良いのか悪いのかはまだわからないですね。実はリアルな理事会では、ちょっとした雑談から改善プランが生まれることもあるので。今後はオンとオフのコミュニケーションの使い分けが必要になってくるかもしれません。

管理規約の改正と運用ルールの整備

ブラウシアの今後のオンライン理事会は、運用ルールづくりのフェーズへと。

ブラウシアでは、引き続きWeb会議システムなどのITツールを積極的に活用し、コロナ蔓延防止を図るとともに、理事会の効率的運用を追求していく予定です。今後の課題は、管理規約の改正と運用ルールの整備です。

——管理規約の改正については、必須なのでしょうか?

副理事長 新納さん
先ほど述べましたが、現在の管理規約は、オンラインでの理事会開催を想定していないのできわめて曖昧な記載になっています。緊急事態宣言の翌週開催となった4月開催の理事会では、検討する時間がなかったため、規約に基づいた理事会開催に必要な人数はリアル参加者としました。ただ、今回のコロナは、人命にかかわる非常事態ですので、オンライン参加も理事会出席と認める決議を理事会で行い、規約改定は今度の総会で行う旨、整理しました。

——運用ルールは、具体的にどのようなものでしょう?

副理事長 新納さん
全員が発言できているか、どういう話題ができているのか、オンラインの場合には何を持って議題の「承認」とするのか、といったことですね。「承認」については、OKであれば各人が大きく「マル」のゼスチャーをする、オンラインツール付属機能のチャットやスタンプで「承認」を表現するなど、いろいろなやり方があると思います。それらを明確にルール化していきたいと考えています。

理事 平澤さん
議決に関しては、Zoomに投票機能もあるのですが、まだZoomの操作がわからない人にはそこまでは難しいかもしれません。段階を追って全員が機能を使いこなしていけるようになればいいですね。また、現在グループ毎にLINEやMessengerなどのSNSツールをバラバラに活用しています。これらを心機一転して、「Slack(スラック)」というチャットツールひとつにまとめて、ブラウシアの理事会や各グループの活動を縦断して見渡せるようになるといいなと考えています。

Slack(スラック) ※外部サイト
※参加者全員が、プロジェクト毎の進捗状況や目的を共有できるビジネスチャットツール。

ブラウシアでは、デジタルツールに抵抗のある方や使い慣れていないシニアの方が、オンライン理事会に参加できず置き去りにされてしまう「デジタル・デバイド(情報格差)」が生じることのないよう、今後もしっかりと対策していきたいと考えています。

オブザーバー 高田さん
感染リスクの高いシニアの方々にこそ、オンラインをうまく活用してほしいですからね。オンライン理事会に参加しやすいように、たとえばZoomをセットアップしたデバイスやWi-Fiを理事に配付するのも一案かもしれません。
副理事長の新納さんと理事の平澤さんという新しい理事が、オンライン理事会やIT関連の推進を率先してやってくれて、ブラウシア管理組合の活動の幅がさらに拡充してきた気がします。

ブラウシアは、これまでにもマンション・ラボで、ブラウシア・ブランディング・ブック親子交流会里山縁組プロジェクト空港行きバスの停車誘致など、さまざまな先進的な取り組みを紹介しています。ぜひこれらの画期的な取り組みもお読みください。


マンション・ラボが4月に実施したアンケートでは、222人の理事のうち、約64%がオンライン理事会に関心を持っている一方で、5月にオンライン理事会を予定していたのはわずか3.6%でした。関心は高くてもなかなか実施に至らない、というのがオンライン理事会の現状でした。

しかし、さらに続けて6月に実施したアンケートでは、現役理事長・理事のうちオンライン理事会を「導入したい」「やや関心がある」人は60%を超え、オンライン理事会経験者に聞いた体験後の満足度は70%を超えていました。

新型コロナウイルス感染などの非常時にも有効!?オンライン理事会など、マンション管理組合運営のIT化に関する調査レポート

緊急事態宣言解除後も、新型コロナウイルスの第2波や第3波が予想されます。オンライン理事会ツールは、リスク回避という点でも、また理事会の効率化や参加の選択肢を増やすという点でも、課題解決につながる可能性を感じました。

オンライン理事会導入で参加率が88%も向上したマンションの事例はこちら
これからのオンライン理事会を考える!深大寺レジデンスの導入事例

2020/07/03