テレワークは共働き子育て世代の救世主!

多様な働き方のキーワードの一つであるテレワーク(情報通信技術を活用し、場所や時間にとらわれない働き方)は、会社へ出勤しなくても、業務が可能です。共働き家庭で子どもが急に発熱しても、柔軟に仕事をするにはどうしたらいいのか。今回は、すでにテレワークを実施している会社で、テレワークと子育ての同時進行に挑戦する方へお話をうかがいました。

【今回お話をうかがった方】

橋本 信秋さん 37歳
担当業務:ITインフラ系企業 総務部 
通勤時間:都内オフィスまで1時間半
家族構成:本人・妻【夫婦共働き】・長男(4歳)・次男(1歳)

家事も子育てもシェアする家庭のテレワークな一日

―橋本さんのお宅は、夫婦共働きで2人のお子さんが保育園へ通っているということですね。普段はどのように家事・育児を分担されているのでしょうか。

橋本さん:
子どもに関しては、二人を着替えさせて、朝食を食べさせ、余力があれば一緒に遊んで、保育園に送るところまでが自分の担当です。その他の家事は、洗濯物をたたみ、風呂掃除をして、布団を片付けるところまで、朝のうちにやっておきます。家事が終わったら自分の身支度を整えて、子どもたちを連れて家を出ます。

―朝の時点でかなりハードですね。

橋本さん:
帰宅してからだと家事をする時間もエネルギーもないので、朝のうちにやってしまいます。

―テレワークの場合は、もう少し余裕をもったスケジュールなのでしょうか?

橋本さん:
通勤時間にかかる分を調整できるので、子どもと過ごす時間が長くなります。普段は約1時間で子どもの準備と家事を済ませますが、テレワークだと、その倍は時間をかけられるので、心に余裕が持てます。詳細は次の通りです

Time 行動 詳細内容 通勤時との相違点
6:00 起床 起床して子どもの準備と担当の家事。
・子どもの着替え
肌がカサカサするのでクリームのケアも。
・布団をたたむ
・洗濯物をたたむ
夜に乾燥機をかけて、朝たたむ。
・風呂掃除
・1歳の次男にご飯を食べさせる。
・子どもたちと遊ぶ
ご飯を食べたら、ゴロゴロと遊ぶ。
・自分の身支度
ササっと対応。
通勤時には7時過ぎに家を出るため、子どもの準備と家事で、朝は戦場。テレワークは時間にゆとりがあるので、心の余裕から自然と笑顔に。
8:20 長男を保育園へ送る。次男は鼻水が出るので妻と病院へ。 この段階で、妻の仕事が休みだと発覚。
9:00 自宅テレワークの予定から、自宅外でのテレワークへ変更を申請、承諾もらい、最寄り駅近くのカフェへ。 申請書は後日提出でテレワーク場所の変更を承諾してもらう。
9:20 カフェで業務開始 パソコンを開き、社用のWiFiルーターでネット接続。Teamsで上司へ稼働開始の連絡。
業務内容は事前にOffice365のスケジュールに入れているため、細かい業務内容の報告はせずにスタート。
電源コンセントがあるカフェを抑えておくと便利。
12:00 昼食 妻と次男と共にファミレスでランチ。 平日の日中に家族団らんという、珍しい状況。
13:30 午後の業務開始 妻と次男は帰宅し、そのままファミレスで業務開始。テレワーク時にやろうと思っていた資料作成に集中して取り組み、あっという間に時間が過ぎる。 電源が確保できれば、比較的どこでもテレワークができる。
18:00 業務終了 Teamsでこの日の業務成果として、資料を上司に提出し、業務終了。 場所の変更はしたものの、予定通りの業務を進めることができた。普段より早い家路へ。
18:20 帰宅 家族と夕食。
子どもを風呂に入れ、ゴロゴロしながら子どもと遊び、寝かしつけ。
普段は妻が夜の時間帯の育児・家事をやってくれているので、一緒にやると感謝され、家族円満。
20時に就寝する子どもたちは、夜は会えない父親と遊べて喜んでくれた。

通勤時間の時短が家庭平和をもたらす

―朝を無事乗り越えると、勤務場所も自在に選べて、集中できる環境を自分で作れそうですね。テレワークにするメリットはなんでしょうか?

橋本さん:
往復3時間の通勤時間がないので、家族との時間が長く取れるのはいいですね。一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、絵本を読んであげられるので、子どもも喜びますし、妻にも余裕ができるので、感謝されます。また、普段の子どもの園生活について保育士さんと話せて、保育園での子どもの様子がよく分かります。自分に関して言うと、スーツに着替えないので、肩が凝らず助かるという点も嬉しいです。社内のように、電話の内線/外線の取次ぎがないので、業務に集中できたことも大きなメリットですね。

―子どもが小さいと、家庭内の大人のサポートが増えることは、心の余裕につながりますね。今回は、奥様の仕事が休みでしたが、奥様がいないときは自宅でテレワークをするのでしょうか?

橋本さん:
今回は次男も在宅していたので、業務効率を考えると、自宅外でのテレワークを選びました。妻が仕事に行き、息子が風邪気味で自宅看護のときは自宅で仕事をしましたよ。テレワークでWeb会議をしながら、横で息子にアニメを見せて……という感じでした。子どもをケアする大人が自分しかいないときは、業務効率に不安がありますが、それでも、急な発熱時に在宅で仕事ができることは、子育て世帯にはありがたいです。

―では、逆にデメリットはありますか?

橋本さん:
会社のデスクの方が長時間作業するには、ファシリティ環境がいいですね。カフェやファミレスでは、机や椅子の高さを変えられませんので。

また、デメリットというほどではありませんが、社内のフロアの状況がわからないので、場の空気感や、今何が起こっているかのリアルタイムな情報について、把握しにくい点は気になります。ICTツールをすべての社員が同様に使うようになると、情報発信の方法や量も変化すると思うので、その普及状況や仕事の内容によって今後の展開が変わってくると捉えています。

テレワークを前提に業務も家庭も組み立ててみる

―テレワークをするために、橋本さんが工夫されていることはありますか?

橋本さん:
テレワーク実施にあたり、個人で集中したい業務(資料作成、数値分析)に取り組めるように週のスケジュールを調整します。例えば、社用の携帯電話を管理していますが、実際に携帯を触って設定するので、出社が必須です。ですから、新規の設定依頼が入った場合は「モバイル設定の時間」を決めて、まとめて対応できるようにします。

業務自体を自分でコントロールする事が難しい部門や役職の方もいると思いますが、一度、テレワークを前提として、業務が組めるか検討してみると、課題が明確になってくると思います。社内だけではなく、社外の人とやりとりが発生する場合には、Web会議のアカウント共有が簡単にできるサービスもあるので、まずは使ってみることからでしょうか。

ちょっとしたことですが、Web会議のときのために、コードレスのイヤホンをパソコンとセットで用意しておくと、周囲のノイズも入りにくく、コードによる移動のストレスもありません。こうしたサブツールを工夫するだけでも、テレワークのハードルは低くなります。自宅のWi-fi環境を見直したり、ノートパソコンをテレビにつないだりすることでも作業効率は変わってきます。

今後も、子どもが在宅時にテレワークをすることがあると思いますので、子どもが自分で遊べるような興味があるものを探してみたり、社員同士で子どもも交流しながらWeb会議をしてみたりなど、子どもがいる中でのテレワークの方法をもっと研究してみたいと思います。

―業務の組み立てでも、ツールの使い方でも、子どもとの過ごし方でも、工夫の余地はまだまだありそうですね。
育児をしながらテレワーク実践中の、リアルなお話をありがとうございました。


■まとめ
通勤時間が長い人にとっては、メリットが大きいテレワーク。特に共働きの子育て世帯にとっては、際限なく発生する家事と貴重な育児の時間に余裕を持てることには、大きな価値があります。また、体調不良や自然災害時に柔軟にテレワークへ切り替えができ、そばにいられることは、家族にとって、大きな支えとなるはずです。柔軟な働き方で、ライフワークバランスを大事にしていきたいですね。

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