マンションのWi-Fi環境改善って出来るの?電波&速度改善テストをやってみた!

マンションの部屋でWi-Fiを使っていて、時々「なんか遅いな〜」とか「寝室でだけつながりにくい!」とかいう、小さな不満はありませんか? 
実はそのWi-Fi環境に関する不満、改善する方法があるみたいですよ。マンション・ラボ編集部が、ITの専門家に伺った電波&速度の改善策を実施してみました!

部屋によってネットにつながりにくいのは、そもそも何が問題なの?

そもそも、ちゃんとインターネット回線を引いて無線LANにしているのに、どうして部屋の中で「つながりにくい」「動画が途切れる」のでしょうか?

「そうだ、わかんないことは、専門家に聞いてみよう〜!」ということで、
ITの達人の栁澤さんに教えていただきました。

ちなみに栁澤さんは、以前IoT野菜作りでもお話を伺ったITの達人です!

誰でも美味しい野菜ができる!マンションの一室で栽培される、IoT(Raspberry Pi)を使った野菜作りをレポート!

——部屋によってWi-Fiのつながりやすさが違うのは、なぜですか?

栁澤さん
ずばり、無線LANルータから室内を飛んでいるWi-Fi電波のレベル不足です。よく「スマホのアンテナが1本しかない!」と言いますが、アレと一緒です。
どうして室内のWi-Fi電波がレベル不足になるかというと、
①無線LANルータからの距離
②部屋の中の障害物
が関係しています。マンションの室内には、ボード壁(断熱材)、仕切り扉、家具といった障害物があって、Wi-Fi電波を遮ってしまいます。特にキッチンや浴室はそうですね。

宅内ハブと無線LANルータが玄関の収納スペースにある間取りの場合。Wi-Fiの電波は、アンテナを中心に全方向に広がります。ルータから一番遠いバルコニー側の部屋や、機器から近くてもキッチン・浴室はつながりにくくなります。

——キッチンや浴室は構造上どうにもならなさそうですが、無線LANルータを部屋の真ん中に移動すればいいのでは? もしくは無線LAN中継機を使うとかはどうですか?

柳澤さん
そうですね。一般的には中継機を使うことが多いようなので、実験してみたらどうですか? 
でも、それでは根本的な解決にならないし、電波をリピートして電波が不安定で、通信の遅延が発生しインターネット速度もでません。
僕のオススメは、ブリッジモード(アクセスポイント)でもう1台新しい無線LANルータを接続して、無線LANルータ+アクセスポイント(無線LANルータ)の2台運用方法です。2つの改善方法を試して数値を計測して、効果をみて判断したらいいんじゃないでしょうか。

——2台無線LANルータ? ルーター同士が干渉しないんですか?

柳澤さん
最近の無線LANルータは自動で干渉を回避する仕様になっています。大元の無線LANルータを最新機種にして、古いルータをアクセスポイント(ブリッジモード)として利用します。ただ、設定が必要なので、割と上級者向けになるかもしれませんね。でも、これは改善率が高いのでオススメです。

ということで、部屋でWi-Fiがつながりにくい原因がわかったので、2つの解決方法を実際に試してみることにしました! まとめると以下です。

原因=Wi-Fi電波のレベル不足!

①無線LANルータ機器からの距離が遠くてレベル不足
②障害物(ボード壁(断熱材)、仕切り扉、家具)がWi-Fi電波を遮ってレベル不足
※間取りによってはその両方もある

解決方法

無線LANルータ1台+中継機
②無線LANルータ1台+無線LANルータ1台(ブリッジモード)

計測するためのアプリの準備

ノートPCとスマホの計測アプリで、各部屋のWi-Fi電波の強度と通信速度を計測します。

柳澤さん
まずどの部屋がつながりにくいのか、各部屋でWi-Fi電波の強度と通信速度を実際に計測してみましょう。計測にはPCのソフトやスマホのアプリを用います。計測数値は変わりやすいので、2〜3回同じ条件で測定するといいですね。やり方を教えるから自分で計測しましょう♪

——自分で計測!?(ガーン!) わかりました…。

Wi-Fi電波の強度と通信速度を計測するために、栁澤さんオススメの以下のアプリを活用することにしました。実施条件として、各部屋のドアはすべて閉めている状態で計測してみます。

●無線LANの電波状況を診断する「WiFi Analyzer」
 →Windows用 (外部リンク)
 →Android用(外部リンク)

●Web版 通信速度測定システム「Radish Network Speed Testing」(外部リンク)

●iPhone用通信速度テスト用アプリ「Speedtest」(外部リンク)

部屋の中のつながりにくいポイントを計測してみよう!

この間取りの①〜⑦のポイントで、Wi-Fi電波の強度(2.4GHz帯/5GHz帯)および通信速度を、PCとスマホで各3回計測しました。

この部屋での体感としては、宅内ハブ&無線LANルータを設置している玄関から一番遠い「⑦リビング・ダイニング」と「⑥和室」がつながりにくい状態です。

実際に計測しても、無線LANルータから一番遠い「⑥和室」は、Wi-Fi電波が時々途切れる状態で、通信速度も低い数値であることがわかりました。

Wi-Fi電波の強度(dBm)※上から強度が強い順番
4 2〜-65(dBm) 快適な状態 ①廊下 
②洋室1 
③洋室2
3 -66〜-75(dBm) 普通の状態 ④浴室 
⑤キッチン
⑦リビング・ダイニング
2 -76〜-80(dBm) 時々途切れる ⑥和室
通信速度(Mbps)※上から速度が速い順番
速度の目安 用途
100Mbps以上 高画質動画、オンラインゲーム、動画・写真・ソフトウェアのダウンロード(容量によってダウンロード時間は異なる) ——
20Mbps以上 動画、ゲーム、ネットショッピングなど ①廊下 
②洋室1 
③洋室2
⑦リビング・ダイニング
⑤キッチン
④浴室 
10Mbps以上 ネットサーフィン、メールなど ⑥和室

改善策実験①「無線LANルータ1台+中継機」

①「無線LANルータ1台+中継機」
無線LANルータとつながりにくい部屋の間に、無線LAN中継機を入れて電波を中継する。

では、改善策実験その①として、同じ部屋の中央に中継機を設置してみます。

無線LAN中継機は、無線LANルータと電波の届きにくい場所との間に設置することで、Wi-Fiがつながりにくかった部屋へも、中継機を介して電波の届く範囲を拡げることができます。

中継機を部屋の中央、廊下のコンセントに差し込みました。

さて、中継機設置後に計測してみると、
・「⑥和室」の電波の強度と速度が改善!
・全体的に通信速度が改善!
と、目に見える効果が確認できました。

但し、通信速度は、3回の計測で改善したりしなかったりとちょっと不安定な感じ。
通信速度に関しては、「④浴室」は5GHz帯の方が速く、「⑤キッチン」では2.4GHz帯の方が速くなるという変化も。
「電波が強ければつながりやすい!」と思い込んでいたけど、そうではなくって、「通信速度やGHz帯(使用電波)も重要なんだ」と感じました。

Wi-Fi電波の強度(dBm)※上から強度が強い順番
4 2〜-65(dBm) 快適な状態 ①廊下 
③洋室2
②洋室1 
⑦リビング・ダイニング
3 -66〜-75(dBm) 普通の状態 ⑥和室
④浴室
⑤キッチン
2 -76〜-80(dBm) 時々途切れる ——
通信速度(Mbps)※上から速度が速い順番
速度の目安 計測値 ※上から速度が速い順番
100Mbps以上 ③洋室2(5GHz帯スマホ最高値:226.00Mbps)
①廊下(5GHz帯スマホ最高値:183.00Mbps)
②洋室1(2.4GHz帯スマホ最高値:185.00Mbps)
⑤キッチン(2.4GHz帯スマホ最高値:122.00Mbps)※1 
20Mbps以上 ⑥和室(5GHz帯スマホ最高値:84.40Mbps)※1
⑦リビング・ダイニング(5GHz帯スマホ最高値:34.20Mbps)※1
④浴室(5GHz帯スマホ最高値:104.00Mbps)※1
10Mbps以上 ——

※1 計測3回毎に数値変化が激しい

改善策実験②「無線LANルータ1台+無線LANルータ1台(ブリッジモードまたは、アクセスポイントモード)」

②「無線LANルータ1台+無線LANルータ1台(ブリッジモード)」
従来のルータの他に、もう1台ルータをブリッジモード(アクセスポイントとして使うモード)でつなげる。

さて次に同じ部屋で、今度は2台目のルータを宅内ハブと同じ場所に設置してみます。たとえば大元の無線LANルータには最新の機種を使って、古くなっていらなくなった無線LANルータを2台目のアクセスポイント用に使うというのもアリです。

2台目の無線LANルータをリビング・ダイニングに設置しました。今回の設置で、強度・速度共に、無線LANルータが2.4GHz帯/5GHz帯から最適な周波数帯を自動的に選ぶようになりました。

Wi-Fi電波の強度が全体的に向上して、すべての部屋でレベル4の強度を達成しました。
通信速度に関しては、200Mbps以上出る部屋も多くなり、平均してどの部屋でも安定してつながっている体感でした。

Wi-Fi電波の強度(dBm)※上から強度が強い順番 ※最適な帯域を自動的に選択
4 2〜-65(dBm) 快適な状態 ①廊下
②洋室1
③洋室2
⑦リビング・ダイニング
⑥和室
⑤キッチン
④浴室
3 -66〜-75(dBm) 普通の状態 ——
2 -76〜-80(dBm) 時々途切れる ——
通信速度(Mbps)
速度の目安 計測値 ※上から速度が速い順番 ※最適な帯域を自動的に選択
100Mbps以上 ③洋室2(スマホ最高値:236.00Mbps)
②洋室1(スマホ最高値:224.00Mbps)
①廊下(スマホ最高値:219.00Mbps)

20Mbps以上 ⑥和室(スマホ最高値:57.20Mbps)
⑦リビング・ダイニング(スマホ最高値:55.90Mbps)
⑤キッチン(スマホ最高値:47.50Mbps)
④浴室(スマホ最高値:42.80Mbps)
10Mbps以上 ——

2つの実験結果とメリット・デメリットを比較!

実験結果から、2つのメリット・デメリットを表にまとめてみました。

改善策実験①「無線LANルータ1台+中継機」
メリット デメリット
設定が簡単
・2.4Ghz/5Ghz両方を使って効率よく電波を飛ばせる
安価でコンパクト
・電波状況は改善されるが、通信速度にはムラがある
同じWi-Fiを中継するだけなので、通信速度が半分になる

①は速度にムラがあるが気になるけれど、全体的には設定も簡単で初心者向けという印象でした。

改善策実験②「無線LANルータ1台+無線LANルータ1台(ブリッジモードまたは、アクセスポイントモード)」
メリット デメリット
電波と通信速度の改善率が高い
どの部屋でも安定してつながる
・PCを使って設定する必要があるので知識が必要
・新たな無線LANルータを購入する場合にはコストがかかる。

②は、電波も通信速度もかなり改善されるし、どの部屋でも安定してつながりますが、設定がちょっと大変そう。設定ができる上級者向けの改善策と感じました。

計測を終えて、部屋によってつながりにくかった状況が、こうやって改善される方法があるということがわかったのは、非常にいい体験でした。きちんと計測するって大事です!

ただ、2つの改善策には、どちらも長所・短所がありますので、自分で最適な方法を考えたいですね。また、お使いのPCやスマホの機種の性能によっても通信速度は異なってきますので、端末自体の性能もチェックした方がよさそうです。

2019/12/26