ペットの地震ストレス対策vol.2 ペットが家の中を怖がる場合の対処法

犬東日本大震災から6週間が過ぎました。未だに大きな余震が続き、関東地方、及び関東以西にお住まいの方々も、不安な毎日を過ごしておられることと思います。また先日は「東日本大震災の震源域の東側で、M8クラスの巨大な地震が1ヶ月以内に発生する可能性が高い」と、複数の研究機関から発表がありました。私たちはこれからもなお、いつ何が起きても慌てないよう、細心の注意を払いながら生活を続ける必要がありそうです。

3・11の震災直後から「ペットがいつもと違う行動をする」「どうしてあげれば良い?」という飼い主さんの声をたくさん耳にします。そこで前回から、通常のブログのスタイルではなく、犬の専門家に伺った「震災後のペットとの生活で注意したいこと」をお伝えしています。お話いただいたのは、ドッグライフカウンセラーで社会動物環境整備協会認定講師、SESドッグインストラクターの谷川のぞみさんです。

今回お話を伺った方

谷川のぞみさん谷川のぞみ(Nozomi Tanikawa)さん

ドッグライフカウンセラー、社会動物環境整備協会認定講師、SESドッグインストラクター、ドッグマッサージセラピスト、動物取扱責任者。長年犬と共に暮らし、現在は3頭の愛犬と生活。自らの経験と豊富な知識を生かし、飼い主さんと愛犬の幸せな生活を目指して活動中。

谷川さんが所属するNPO法人 社会動物環境整備協会NPO法人 ワンワンパーティクラブでは、今回の震災で被災したペットたちの救援活動を行っています。詳しくは両サイトにて。

「こうしなければ」と思い込み過ぎるのは、犬にとっても良くありません。

――東日本大震災と、その後、ずっと続く余震の影響で、「家の中=怖いことが起こるところ」とインプットされてしまい、家の中では元気がなく、外へ出ると元気になる犬も多いと聞きました。特にマンションの高層階は耐震・免震構造のため安心な反面、大きく揺れたので、恐怖心もなおさらだったと思います。そういう犬たちを癒すために、意識的に外へ連れ出す、散歩の回数を増やす、あるいは外にいる時間を長くするなどをしたほうが良いでしょうか?

谷川「友人の犬は、リビングにいる時に地震が来てリビングが嫌いになり、次にお父さんの部屋にいる時に地震が来てその部屋も嫌いになり、その後はお嬢さんの部屋にいる時にまた地震が来たので、家そのものが嫌いになったようです。友人は、なるべくゆっくりと散歩に出てあげていると言っていました。

笑顔の散歩

この友人のように、家に居ることを怖がる犬のために、散歩の回数を増やしたり、時間を長くすることが、もしできるのであれば、それは確かにとても良い事だと思います。しかし、それが飼い主の負担になってしまったり、そうしなければいけないと思い込み過ぎて生活が窮屈になってきたりすると、そのことが飼い主自身のストレスになることもあるでしょう。だとしたら、それは犬にとっては決して良いことではありません。

特別に、今までと違う行動をあえて無理をしてまでする必要はないと思います。普段と同じように散歩をし、同じように暮らすのでも良いのではないでしょうか?『こうしなければならない』ではなく、愛犬をよく観察して、なるべく不安が続かないようにしてあげるのが大切です。一番良いのは“声かけ”ですね。ペットに声をかけて落ち着かせてあげましょう」

――飼い主が落ち着いて、なるべく普段通りにしていることが、ペットの不安解消に繋がることを常に心に留めておきたいですね。猫の場合も、そもそも生活環境の変化を嫌う動物なので、今回の震災によってストレスがたまっているコが多いと考えられます。その場合も、犬と同様に、飼い主が努めて穏やかに日常生活を維持できるかどうかが重要ですね。犬に関しては今、散歩のお話が出ましたが、散歩について何か注意しなければならないことはありますか?

リードを持つ時には、写真右側の輪っか部分を手首に通す習慣をつけたい。プレッピーリード(サイズM)5,040円/BIRDIE

リードを持つ時には、写真右側の輪っか部分を手首に通す習慣をつけたい。プレッピーリード(サイズM)5,040円/BIRDIE(TEL:03-3460-7048)

谷川「散歩の時は、日頃からリードの輪っか部分を手首に通すようにして持つ習慣をつけておくと良いですね。急に愛犬が走り出してしまったり、何かの拍子に飼い主が転んでしまった時にも、リードから手が離れて愛犬とはなれ離れになってしまった……ということがなくなります。とにかく自分の犬を守れるのは飼い主だけなのですから、まずは一緒にいることが大切だと思います」

vol.3へ続く

プロフィール

writer於保 実佐子
編集者・ライター。長年、雑誌、PR誌、広告の仕事に従事し、3年前からペット関連の雑誌の編集に携わる。現在は、「人とペットが終生、より安心して快適に過ごすために必要な情報」を発信するための季刊誌『Cuore(クォーレ)』の編集長、そしてウェブサイト『forPets』ディレクターを兼務。

2011/04/22

プロフィール

於保 実佐子

編集者・ライター。長年、雑誌、PR誌、広告の仕事に従事し、3年前からペット関連の雑誌の編集に携わる。現在は、「人とペットが終生、より安心して快適に過ごすために必要な情報」を発信するための季刊誌『Cuore(クォーレ)』の編集長、そしてウェブサイト『forPets』ディレクターを兼務。