入居前防災イベント「世代別非常食のすゝめ」に学ぶ、防災ワークショップの魅力と意味

非常食を試食してみよう! 食べることでわかる、好みや塩加減

用意された各種非常食。非常食の食べ比べをすることはあまりないので、いい機会です。

用意された各種非常食。非常食の食べ比べをすることはあまりないので、いい機会です。

ワークショップ後半は、用意された非常食の試食会です。試食したのは以下の種類。

・アルファ米(アレルギー対応)
・かぼちゃのグラタン(きざみ食や離乳食に対応可能)
・おかず(カレー、豚汁、肉じゃが、おでん、ハンバーグ)
・ドライフルーツ(ビタミン不足に対応)
・ドライ野菜(ビタミン不足に対応)
・乾パン
・「はらくっつい TOHOKU」缶詰シリーズ

0330_8

缶詰シリーズ「はらくっつい TOHOKU」は、三菱地所株式会社が東北の食材・食ブランドの再生を通じて復興支援する「Rebirth 東北フードプロジェクト」の一環で作っているものです。

東北と東京・丸の内のシェフズクラブとがコラボした缶詰は、「気仙沼産メカジキの地中海風煮込み」「石巻産銀鮭のクリームスープ仕立て~ゆずの香り~」などなど、被災生活の食の刺激となりそうなリッチな洋食レシピばかり。「あ!おいしい」「これは白米と一緒に食べたいね」など、おいしい非常食に会話が弾みます。

グループ毎に、非常食をシェアしてお味見していきます。

グループ毎に、非常食をシェアしてお味見していきます。

離乳食やお年寄りのきざみ食にも使える「かぼちゃのグラタン」や、意外な甘みのあるドライフルーツも好評でした。

吉高さんからは「普段から食べたくなるような自分の好きな味を選んで、食べながら少し多めに備蓄するローリングストック方式で準備してください」とアドバイス。

また、非常食は冷めてもおいしく食べられるように、味が濃いものになりがち。塩分に気をつけて選ぶようにしましょうとのことでした。

非常食の味を知っていることも大切/マンション・ラボの視点

非常食の代表格「乾パン」は普段の生活では、あまり食べる機会がありませんが、まったく味を知らない非常食を食べ続けることになるのも心配です。特に高血圧症の方は塩分も心配。実際に食べて、どんなものを備蓄するのか家庭で決めておきたいものです。

また、ミネラルや食物繊維豊富なドライフルーツなら、毎日食べるヨーグルトやおやつにも使えそうです。これも、気に入ったドライフルーツを少し多めに備蓄したいですね。

参加者の声

家具転倒防止器具「スーパータックフィットMNT」を実際に触って確認する参加者の皆さん。

家具転倒防止器具「スーパータックフィットMNT」を実際に触って確認する参加者の皆さん。

最後に、三菱地所レジデンス株式会社商品企画部の防災担当岡崎新太郎さんによる「家具の転倒を防ぐ」アドバイスを紹介して防災ワークショップは終了。今回のワークショップに参加された方々に、感想を伺ってみました。

ご夫婦「近所なので初めてイベントに参加してみました。いま非常食はレトルト食品しか備蓄しておらず、野菜が足りないなと痛感しました。今日食べたドライ野菜は、レトルト食品にプラスできるので、いいアイデアですね。また機会を見て参加したいと思います」

女性「自分でも防災意識が高い方だと思います。だからこのマンションを選びました。マンションで何日間も被災生活を過ごすことを考えると、1ヶ月くらいは過ごせる非常食の備蓄が必要そうです」

男性「東日本大震災の事例で、バールで冷蔵庫を無理やり開けたという話がありましたが、実際は、うまく使えるかどうか。このマンションでもしっかり防災用品の種類を把握して使い方を練習しておく必要がありますね」

グループ発表では、非常食の備蓄から発展してこんな建設的な意見もありました。

女性「非常食の備蓄も必要ですが、若い人にも参加してもらって女性住民グループをつくり、女性に何ができるのかやってみたらどうか?という意見もでました」

まさにマンション内「防災婦人部」の設立ですね!

学べる点はどんどん吸収しよう/マンション・ラボの視点

グループのディスカッションでは、これから一緒に住むマンション住民同士だからこそ!の建設的な意見が数多くでていたようです。マンションが完成するまでの間、住民同士で交流の機会や場が用意されているのは、コミュニティづくりにはとてもいい効果がありそうです。

入居前イベントはどのマンションでも実施可能な訳ではありませんが、入居後から防災ワークショップやイベントを始めるので‘もよいでしょう。日中マンションにいることが多い女性グループで、「防災婦人部」を結成するアイデアもいいですよね。

よい事例から学べる点はどんどん吸収して、コミュニティづくりに役立てていきたいものです。

最後にお話された再開発組合 理事長 若村さんの言葉が印象的でした。

再開発組合 理事長 若村さん

「いままで地元で再開発の話し合いに携わってきましたが、私自身、高層マンションに住むのはこれが初めての経験です。年に1〜2度はこうした交流の場を設けて、住民同士で“心の流通”と“行動の流通”を行っていきたいと思います。また、私は地元のお祭りが大好きでして、皆様もぜひ参加して一緒に盛り上げてくださればありがたいです」

三菱地所レジデンス株式会社 街開発事業部 柴田純さん

0330_12

「再開発組合の若村理事長は、この住み慣れた街を災害に強くしたいというのが、再開発に取り組む強い動機のひとつでした。「CLASS60」で地域と住民向け防災イベントを積み重ねていくことにより、参加者の皆さん全員が、将来の防災の核、コミュニティの核になっていかれるのではないかと期待しています。

さきほどもイベント終了後に同年代の女性同士で連絡先を交換されていましたが、回を重ねる毎に常連さんができはじめ、入居前から住民同士の出会いの場になっていることが、我々にとっても嬉しい限りです」


世代毎に適した非常食を備蓄することの大切さがわかるワークショップでした。さらに、数多くのイベントが住民同士が知り合う場や、婦人部設立などのアイデアを実現する場になりつつあるようです。人と人とがつながりあう場づくりが、そのまま自助・共助の力にもなるのが、防災イベントの効果です。皆さんのマンションでも、ぜひ参考にしてみてください。

2016/04/01