入居前防災イベント「世代別非常食のすゝめ」に学ぶ、防災ワークショップの魅力と意味

CCJ吉高美帆さんと復興応援団 佐野哲史さんによる「世代別非常食のすゝめ」

今回のイベントのナビゲーターは、Community Crossing Japan(CCJ)の吉高美帆さん。

今回のイベントのナビゲーターは、Community Crossing Japan(CCJ)の吉高美帆さん。

CCJ吉高さんのナビゲーションにより、60階建て高層マンションで災害が起こったときに何を備えておくべきなのか、さまざまな事例を紹介しながら、参加者の皆さん自身への気付きを考えてもらいます。

イベントは、5〜6人ずつのグループに分かれて、自己紹介からスタート。「はじめまして」「こんにちは」から始まる挨拶がきっかけで、これから長いおつきあいになるご近所づきあいがスタートします。

ゲストスピーカー佐野さんの「そなえるカルタ」による被災生活の食糧実情

 特別ゲストは、一般社団法人復興応援団代表の佐野哲史さん。

特別ゲストは、一般社団法人復興応援団代表の佐野哲史さん。

佐野さんは、東日本大震災の発災直後から東北の避難所を支援し、いまも支援活動を行っています。これまでに培ってきた知見をもとに、三菱地所レジデンスとともに制作し、2015年度グッドデザイン賞を受賞した「そなえるカルタ」を紹介。実際どんなことが起こったのか、詳しい事例を話しながら、その必要性について説明されます。

たとえば、「アレルギー対応食、普段から備蓄を。」というカルタカードのウラ面には、「配給される食糧はアレルギーに非対応」とあり、アレルギー対応食やお年寄り向けのきざみ食の備蓄の必要性を説明しています。

東日本大震災の被災地では、炊き出しの食事で白米しか食べられない子どもがいたことや、食べものを飲み込む力がなくて弱っているお年寄りの中には配給された食料を食べられなかった人もいたそうです。

アレルギーやシニアに配慮した特別な食糧は、配給ではまかなえません。アレルギー対応食糧を自衛隊に直談判した親御さんもいたそうですが、長期化する可能性のあるマンション内被災生活では、自衛手段としてそれぞれの家庭でアレルギー対応食糧やお年寄り向け流動食の備蓄を行う必要がありそうです。

持病やアレルギーのある人の非常食選び/マンション・ラボの視点

「そなえるカルタ」などを使って、事例から学びを得るのはいいアイデアですね。お年寄りやお子さんだけでなく、糖尿病や透析患者さんなども、普段から食事制限があります。家族に持病やアレルギーがある場合には、対応食糧を多めにストックし、ふだん食べながら多めに備蓄していく必要があります。また、持ち出し袋にも対応食糧を入れておくようにしたいものです。

次に吉高さんのナビゲーションのもと、「マンション内避難の備えを考える 食糧編」のワークシートを記入。

次に吉高さんのナビゲーションのもと、「マンション内避難の備えを考える 食糧編」のワークシートを記入。

ストレスフルな避難生活では、甘い物が心を落ち着ける効果があるという佐野さんの言葉に、参加者の女性は、「マンションで何日間も被災生活を過ごす場合、心を癒やす甘い食べものを非常食の中に用意すること以外にも、何か精神的なストレス解消法を考えておいた方がよさそうだなと思いました」と考え深げな様子でした。実際に現場を見てきた人から事例を聞くと、いろいろな気付きが生まれるようです。

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2016/04/01