災害時や緊急時の情報の見分け方・デマ対策

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、SNSなどでデマ情報が出回っています。

災害時にも問題を引き起こすデマ情報の危険性を正しく理解するために、ふだんから注意すべき点や、デマを見分ける方法についてご紹介します。

「感染症拡大も、災害のひとつだ」と考える

地震や台風・大雨などの大規模な自然災害以外に、現在のような新型コロナウイルス感染症の拡大も災害のひとつだと捉えられます。

こうした非常時に、どのように危機管理して対処すべきなのかは、すべての災害に共通して、「起こりうる可能性を予測して・備え・冷静に行動する」が基本です。

感染症予防に関して注意すべき点は、これまでにも以下の記事で紹介してきましたので参考にしてください。

感染症予防の勘違い—マンション共用部・専有部で新型コロナやインフルエンザにかからない!うつさない!

新型コロナウイルス感染者が出ているクロアチアでは、2020年3月22日にM5.4の地震が発生しました。大地震と感染症が同時に起こりうることも予想しておかねばなりません。

災害時のマンション内被災生活でもノロウイルスなどの感染症予防の備えを

デマ情報とは?—善意の拡散とリスク管理

新型コロナウイルス感染症拡大に関連したデマ情報では、以下のようなものがSNSなどで一気に拡散してしまいました。
「新型コロナウイルスは耐熱性がないので、26〜27度のお湯を飲むと防げる」
「品薄のマスクと同じ原材料なので、トイレットペーパーやティッシュペーパーが不足する」

これらはすべてデマ情報ですが、友達や家族に最新情報を教えてあげたいという善意の拡散も手伝って、あっというまに広がってしまいました。

ふだんから災害に備えた備蓄がしてあれば、マスクやトイレットペーパーなどの買い占めに至らず、心穏やかに過ごせるはずです。

大地震が起こればライフラインがストップして商品の流通もストップします。「コンビニやスーパーがあるから家庭でストックしなくてもよい」と考えるのではなくて、「非常時には必要なものが入手できない」という前提で行動しましょう。

国崎流「流通備蓄のススメ」まとめ

「その情報、デマじゃないのかな?」デマ拡散の加害者とならないために

「その情報、デマじゃないのかな?」と言う、自分自身や相手への問いかけが、拡散の抑止力となります。

では、どうしたらデマ情報を見分けられるのでしょうか?
ショッキングな情報や役立ちそうな情報を見つけたり聞いたりしたら、すぐにシェアするのではなく、一度立ち止まって、
「その情報、デマじゃないのかな?」
と、自分自身や友人に対して投げかけてみてください。

その一言が制止力になって、自分も相手も一旦落ちついて情報を吟味して、発信元をチェックすることができます。

デマを見分ける方法は難しいものです。
特に新型コロナウイルスのような未知のウイルスは、現時点で解明されていることがまだまだ少ない状況です。このような段階では、部分的な情報が切り取られて、デマ情報が発生しやすくなります。

たとえば「情報源は、政府や医学会などの公的団体のみにして、それ以外の情報はシェアやリツイートしない」というSNS運用ルールを自分で決めておくのも、デマを排除する方法のひとつです。

関東大震災でもデマが流布して虐殺という悲劇的な出来事が起こりました。災害発生後、人の心は不安に満ちています。自分がシェアした情報が、デマ情報拡散の一因となるかもしれないと常に考えて行動したいものです。

関東大震災に学ぶ—デマの流布

誰でも情報発信できる時代だからこそ慎重に

厚生労働省のサイトに、「新型コロナウイルス感染症について」の情報がまとまっています。頻繁に更新されているので定期的にチェックしましょう。

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」 ※外部サイト

SNSを活用すれば、いまや誰もが情報を発信できる側になります。だからこそ、安易なシェアやリツイートをするのではなく、慎重に真偽を確かめる姿勢が必要なのです。

ショッキングなニュースや速報は、早くみんなにシェアしたくなるものです。しかし、そこで一瞬だけ思いとどまって、「その情報はデマではないですか?」と発信元に質問するなどして、常に情報の真偽を確かめる習慣を身につけましょう。

2020/04/30

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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