マンションの防災は「助け合いの協定」で万全に! 長野県の新しい取り組みにヒントを得た

「マンションで大きな災害が発生したらどうしよう?」そんな不安も、「住民同士の助け合い協定」があれば、解消できるかもしれません。今回は、長野県の事例を紹介しながら、マンションでの取り組みを考えてみたいと思います。

「住民同士の助け合い協定」とは?

過去の大災害では、住民同士の助け合いが大勢の命を救いました。
阪神・淡路大震災で被害の大きかった長田区では、住民がバケツリレーで火災の拡大を食い止めて、被害を最小限に留めたそうです。
住民同士の協力は、災害時にも大きな助けとなりますよね。

マンションの防災も、住民同士で助け合いの輪を広げていければ、より強固なものになるでしょう。

そこでモデルにしたいのが、長野県の「災害時住民支え合いマップ」の取り組みです。
これは、いつ災害が起きても地域の高齢者や障がい者が安全に避難できるよう、各市町村で「災害時住民支え合いマップ」の策定を支援するものです。

長野県「災害時住民支え合いマップ」 ※外部サイト

マンションでの「住民同士の助け合い協定」とは?

●助けがほしい人・助けられる人をリスト化する
●助けがほしい人と・助けられる人をマッチングして、誰が誰を手助けするか決める
●どんな助けが必要となるのか、具体的に共有しておく

こうした「住民同士の助け合い協定」を、もっと各マンションで採用していくためには、どうしたらよいかを考えてみましょう。

長野県飯田市の取り組みを参考にしてみよう

長野県飯田市の「災害時助け合い・住民支え合いマップ」づくりの流れをみてみましょう。地域関係者の打ち合わせ会議や調査・研修を重ねた上で、マップづくりを行っています。

飯田市の場合は地区というヨコに広がったエリアですが、マンションの場合はマンション棟内をエリアとして実施すると考えます。マンション理事や住民有志で打ち合わせ会議や調査を行っていけばよいでしょう。

マンション住民の「助け合い協定」をつくってみる

では、マンションでの「住民同士の助け合い協定」を考えていきましょう。

①まずは助けが必要な場面を想像してみましょう。
マンション内で助けが必要な場面

・足が悪くて粗大ゴミを出すのが大変
・インターネットがうまくつながらない
・家具固定をしたいけれど、うまくできない
・高所の電球の交換、誰かに手助けしてほしい
・スマホの使い方を教えてほしい
・お中元やお歳暮でいただいた食料品をお裾分けしたい
・一人暮らしなので喋り相手がほしい
・子育てでストレスがたまりがち
・お料理を教わりたい
・高齢の二人暮らしなので、どちらかに何かあったら心配

どんな小さな不安や困りごとでも、一度すべて書き出してみて、それを住民同士で共有してみるとよいでしょう。

②マンションの「住民同士の助け合い協定」をマップ化

たとえばマンションのフロア毎に以下のようなマップを作成してみてはいかがでしょうか?
助けの必要な家庭や、手助けできる技能もマップに書き込んでいくと、さらにマッチングしやすいですね。
また、各サークル活動が活発なマンションであれば、仲間同士で取り組んでみるのも一案です。

マンションのフロア毎に、助けの必要な家庭と、手助けできる技能を持つ家庭をマッピングしてもいいですね。

進めるうえでの注意点—メリットとデメリット

ただし、進めるうえではメリットとデメリットも考えておく必要があります。

「マンション住民同士の助け合い協定」
メリット デメリット
・小さな困りごとの解決を通じて、住民同士のつながりが深まる
・住民同士の集まりの場が増える
・コミュニティ活動が活発化する
・自分達のマンションの課題もあぶり出しやすくなる
・防災・減災に役立つ
・孤独死の発見や認知症の徘徊防止にも役立つ
・面識のない人に困りごとを相談しにくい
・近所付き合いが苦手な人にはなじみにくい
・自分のプライベートを他人に知られたくない
・そもそも「住民同士の助け合い協定」は必要ないと思う人には、協力を得られない

ポイントとしては、日頃からマンション内で交流のあるママ友、サークル友達、理事仲間といった小さな知り合いの輪同士からスタートさせて、マンション全体に広げていくのが良いかもしれませんね。

マンションでの「住民同士の助け合い協定」は、災害時の要救護者への対応や高齢者対策だけでなく、多世代の困りごとを解決できる小さな助け合いの輪づくりから始めると、住民にとっても自分ごと化するはずです。住民の小さな困りごとを解決できるマンションは、きっと防災に強いマンションに成長します。

まずは、ご自分のマンションで「住民同士の助け合い協定」を勧めるためにはどうしたらいいのかを考えてみませんか?

2019/06/10