マンション住民へのアンケート結果から、意外にもマンションの施錠に関してセキュリティ意識が低いことがわかりました。今すぐやっていただきたいマンション防犯対策についてアドバイスいたします。
オートロックでセキュリティを過信しがちな傾向にある!?

マンション・ラボ「施錠に関するアンケート」(2017年5月30日~6月5日)結果より
マンション・ラボが実施した「マンションの施錠に関するアンケート」結果を見て、「必ず施錠する」という方が大半を占めている一方で、玄関を施錠していない方が意外に多いことに驚きました。
「あまり施錠せずに外出している」「数時間であれば施錠しない」という方が1.6%もいますが、それ以外にも
・家族がいる場合は施錠しない
・同じフロアで行き来する場合は施錠しない
・ゴミ出しや郵便を取りにいく場合であれば施錠しない
という方がかなりの割合で存在していました。
「お住まいのマンションのセキュリティについての満足度」の質問では、「まあまあ満足している73.1%」「とても満足している10.2%」と、総じてマンションのセキュリティへの満足度は高い結果にあることから、回答者の皆さんはマンションのセキュリティを過信しすぎているのかもしれません。
4階以上の共同住宅の侵入窃盗の手口は、表出入口からの侵入が半数
警察庁の「平成26、27年の犯罪情勢」によると、侵入窃盗の認知件数自体は年々減少傾向にありますが、いまなお一日約126件の住宅に対する侵入窃盗が発生していると言われています。また、発生場所は住宅59.0%のうち、一戸建住宅が41.6%、3階建以下の共同住宅が12.9%、4階建以上の共同住宅が4.6%となっています。一戸建てに比べると発生件数が少ないとはいえ、マンションでも侵入犯罪への対策を講じておかなければなりません。
共同住宅で発生した侵入窃盗を侵入口・侵入手段別(平成27年)にみると以下のような結果となっています。無施錠で外出している方が犯罪に遭っていることがよくわかります。
【侵入口】
共同住宅(3階建て以上)1位:窓 2位:表出入口
共同住宅(4階建て以上)1位:表出入口 2位:窓
【侵入手段】
共同住宅(3階建て以上)1位:無締まり 2位:ガラス破り
共同住宅(4階建て以上)1位:無締まり 2位:ガラス破り
→警察庁「住まいる防犯110番」(外部サイト)
→警察庁「平成26、27年の犯罪情勢」(外部サイト)
侵入犯罪は5分が分かれ目、無施錠習慣はセキュリティを台無しにします
侵入犯は、鍵を壊すのに5分かかると約7割はあきらめ、10分かかるとほとんどがあきらめるといわれています。せっかく玄関ドアがツーロック仕様でも、無施錠で外出していては、どんなセキュリティ完備のマンションであっても侵入犯を防ぐことはできません。
「ほんのちょっとだけ短時間で帰ってくるから」と思っていても、短時間の概念は人によって異なります。あなたの短時間は、5分?30分?どれですか? 短時間で帰ってくるつもりでも、外で話し込んでうっかり30分過ぎてしまったということはありませんか?
家族が部屋にいるからといっても、家族がお風呂に入っていたりテレビに夢中になっていたりしたら、不審者が無施錠の玄関から入ってきても気付きません。
オートロックだからといっても、住民と一緒に入ってくる不審者もいます。マンション内であっても、部屋から一歩外に出たらそこは外部だという意識を持ちましょう。
マンション内のゴミ出しや郵便を取りにいくときであっても無施錠で出かける習慣を止めて、少しでも外へ出るときは施錠する習慣を身につけていただければと思います。
皆さんがお住まいのマンションでも同じように「施錠に関するアンケート」をとって、防犯啓蒙を行ってみてはいかがでしょうか。
マンションの侵入犯罪対策については、以下の記事でもアドバイスしていますので参考になさってください。
2017/07/06