犯罪発生後では遅い!マンション防犯カメラの保守点検の再チェック

0330_5

防犯カメラが最近の事件解明の大きな手がかりとなっています。マンションのエレベーターの防犯カメラもそのひとつ。今回は、防犯カメラの保守点検項目の再チェックについてです。

最近の防犯カメラの精度の向上

昨年起こった中野区の劇団員女性殺人事件の捜索を例に出しますと、被害者の女性が帰宅途中に立ち寄ったコンビニエンスストアの防犯カメラ画像を公開し、当日着ていた服装や顔が鮮明に写し出されていました。最近の防犯カメラは、高画質な画像精度や、全方角度で撮影ができる360度カメラなど、あらゆる面で技術が向上しています。

しかし被害者の女性がお住まいだったマンションに設置された防犯カメラが機能していなかったために、肝心のマンション内に出入りした不審者の手がかりを見つけることができなかったのは残念なことでした。

分譲マンションの場合は、防犯カメラが作動していないということは考えられませんが、いざ事件が発生した際に、画素数の低い古い防犯カメラだったり、設置位置が悪かったりしたために、捜査に役立たなかったということはありそうです。

お住まいのマンションの防犯カメラが本当に防犯面で役立っているのか?
管理組合や住民の皆さんで、映り具合や角度のチェックなどを行ってみてもよいかもしれません。こうしたチェック作業を行うことで、より防犯意識が“自分ごと”化するはずです。

エレベーターの防犯カメラの保守点検に不備が判明したというニュース

また、せっかく防犯カメラが設置されていても、保守点検がしっかりされていないと意味がありません。

2016年2月末に、東京都住宅供給公社から依頼を受けた保守管理会社による、都営住宅などのエレベーター内防犯カメラの保守点検で、2010〜14年度の間に全体の8割に当たる約1万2千回の点検で録画画像の再生点検が実施されていなかった可能性があることがわかりました。

これは、都営住宅のエレベーター内で事件があり、警察署からの要請に応じて防犯カメラの映像を確認したところ、映像が不鮮明だったため点検不備が判明したということでした。これを受けて保守管理会社は、全委託料の返金と再発防止を図りました。

事件が起こってから不備が判明するのでは遅すぎます。

管理組合でも、何を点検しているのかという保守点検項目リストに目を通したり、何ヶ月かに1回は防犯カメラに写っている画像のチェックを行ったりするなど、保守点検会社や管理会社任せにしない、当事者意識を持ちたいものです。

以下の記事でもマンションのエレベーターの防犯対策についてアドバイスしていますのであわせてお読みください。

オートロックの使用ルールの徹底や、エレベーターでの自衛方法についてアドバイスしています。
不審者がマンションに入って痴漢行為!事件になったときの対応は?

防災功労者 内閣総理大臣表彰を受賞した加古川グリーンシティの防犯カメラ設置事例を紹介しています。
超防災マンションはここまで備える!驚くべき対策を徹底調査

エレベーター内ではありませんが、マンションの帰り道でのひったくり対策について詳しく説明していますのでこちらも参考にお読みください。
マンションの帰り道でひったくりに遭ったら? 事例に学ぶ防犯対策

これまでにマンションのエレベーター防犯についてお話しした記事を一覧にしています。
マンションのエレベーター防犯まとめ

2016/05/17

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


株式会社危機管理教育研究所

一般社団法人危機管理教育研究所