東日本大震災の教訓を活かして【自治体のマンション防災取り組み事例 仙台市】

2.震災の教訓を受け仙台市が取り組んだマンション支援

仙台市太白区/松が丘付近 応急給水に並ぶ市民の列(写真提供:仙台市)

仙台市太白区/松が丘付近 応急給水に並ぶ市民の列(写真提供:仙台市)

「分譲マンション防災マニュアル作成の手引き」を配付

bousaimanual_tebiki

仙台市では、東日本大震災の翌々年の平成25年1月に、マンション管理組合による防災活動のルールづくりのための「分譲マンション防災マニュアル作成の手引き」を策定しました。

本マニュアルは、平成25年に市内の分譲マンションの約1,300の管理組合に配付。各マンション管理組合に、防災マニュアルの重要性を示し、その作成を促しています。

本マニュアルは、平成25年に市内の分譲マンションの約1,300の管理組合に配付。各マンション管理組合に、防災マニュアルの重要性を示し、その作成を促しています。

以前ご紹介した、マンション内被災生活で震災を乗り越えた「シャンボール第2荒町」様は、手引きに従い防災マニュアルを作成されました。

仙台市の「分譲マンション防災マニュアル作成の手引き」(外部リンク)は、東日本大震災であぶり出されたマンションの課題(防災備蓄品や防災設備の把握、安否確認、避難誘導、指揮体制の構築など)を明らかにした上で、防災マニュアル作成の重要性を謳った大変わかりやすい内容となっています。


「杜の都 防災力向上マンション認定制度」

maku

仙台市では、手引き書によりマンション防災の大切さを啓蒙すると共に、防災活動の励みとなるべく、「杜の都 防災力向上マンション認定制度」を創設しました。

これは、各マンションの防災力を、「防災性能」と「防災活動」というハード・ソフトの両面から評価し、最大6つの星の数で認定するものです。

こうした認定制度によって、マンション内被災生活が実現できる安全なマンションが増えていくことが予想されます。

仙台市 杜の都 防災力向上マンション認定制度-震災に強いまちを目指して-(外部リンク)

震災後に新たに始めた取り組み~各課による避難所運営支援制度~

仙台市では、東日本大震災の教訓を受けて、市内191ヶ所の避難所運営支援を162課(本庁127課、区役所35課)が担当する体制に変更しました。

東日本大震災では、学校や市立施設約300箇所で最大10万6千人の避難者を受け入れましたが、避難所運営マニュアルが共有されていなかったり、避難所を運営する区役所職員が不足し、応援にあたった本庁職員や他都市職員への引き継ぎが不十分だったりということが起こりました。

そこで震災が起きた時に避難所運営作業がストップしないように、避難所運営マニュアルを学校単位で作成。この体制により、避難所担当課の職員がそれぞれ担当になっている避難所へ駆けつけて運営支援を行うことができます。

地震発生時、避難所は原則として施設管理者が安全確認を行った上で、避難所を開設し、避難者の受け入れを行います。しかし、東日本大震災の際には、専門的な視点に基づく安全確認が求められ、急遽、建築職職員の応援を得て、施設の安全確認に向かいましたが、すべての避難所を確認するためには一定の時間を要しました。

この経験を踏まえ、避難所開設後、できる限り迅速に避難所の応急危険度判定を実施し、施設管理者へ技術的助言ができるよう、建築専門家団体との協定を締結し、施設管理者への支援体制を整備しました。

避難所運営マニュアルには、マンション内で被災生活を過ごす上での注意点やヒントになる情報も盛り込まれています。

また、下記のページには男女のニーズの違いなどへの配慮例について記載されていますので、参考になさってみてください。

仙台市:避難所運営マニュアル(外部リンク)

まとめ

仙台市によるマンションへの防災支援の取り組みや、新たに制定された支援制度は、東日本大震災の教訓を取り入れた画期的なものです。

こうした自治体の事例を学ぶことで、マンションの防災力の向上に役立てていただければ幸いです。

2015/09/01