マンション自助・共助事例【東日本大震災をマンション内被災生活で乗り越えたマンション】

マンション防災取り組み事例:仙台市 シャンボール第2荒町 様

東日本大震災をマンション内被災生活で乗り越えた自助・共助マンション

仙台市のマンション「シャンボール第2荒町」では、2011年の東日本大震災発生から復旧まで、マンション住民全員が避難所へ行かず、マンション内で生活することができたそうです。
マンション内被災生活を実現した貴重な事例として、住民の方々にご協力いただきお話を伺いました。

シャンボール第2荒町

シャンボール第2荒町戸数:127戸
階数:8階建て
築年:1982年10月
防災倉庫:あり(床面積12.5m²×2ヶ所)
防災マニュアル:あり
防災訓練:「自主防災・防火訓練」として春・秋の年2回実施
その他:仙台市「杜の都防災力向上マンション認定制度」3つ星認定マンション

2.防災備蓄品として備えていたものは?

シャンボール第2荒町様の防災倉庫と防災備蓄品についてご紹介します。

防災倉庫は、敷地内に2ヶ所設置

敷地内に床面積12.5m²の非常災害用物品倉庫が2ヶ所設置されています。

倉庫(1)

倉庫(1)には、炊き出し用品、飲料水、食料備蓄の他に、自転車やヘルメットなども収められています。




倉庫(2)

倉庫(2)には、揚水ポンプ、非常用発電機、工具などが収められています。倉庫内にあるものは、防災備蓄品リストにより、居住者にすべて情報共有されています。

防災備蓄品リスト

防災備蓄品については、次回の記事でご紹介する防災マニュアルに一覧表としてリストアップされており、居住者全員がどんなものがどこに備蓄されているのかという情報を把握しています。 また、年に2回の防災訓練で炊き出し設備などを使用しているため、発災直後に居住者が自主的に動いて防災テントや炊き出し設備を設置することができました。

防災備品一覧表

p02_ph08防災マニュアルの防災備品一覧表に、本部長/副本部長・渉外班・救護班・衛生班・炊き出し班などの、班ごとに必要な備品・点数・設置場所がまとめられています。

防災予算、防災備蓄品の購入、防災訓練での実践

p02_ph092004年からスタートした防災への取り組みは、防災予算を設けて、毎年防災備蓄品を取り揃え、実際にそれらを使う訓練を実施するという、きわめて実践的なものであることが特長的です。

「防災備蓄品を揃えても、使いこなせなければ宝の持ち腐れとなる」という意識のもと、防災訓練で使ってみて浮かび上がってきた問題点を都度解決し、新たな取り組みを行うという地道な繰り返しを行ってきた努力によって、マンション内被災生活を実現できたのだといえます。

被災時に役立った防災備蓄品

震災後、非常階段の各階に揚水ポンプ用の蛇口が設置されました。1回で7階まで水をあげることができます。



エレベーターが使用できなくなったため生活が困難になった高層階の居住者は、敷地内に設営した避難テントでマンション内被災生活を過ごすことができました。

このように、それまでに購入していた防災備蓄品のほとんどが被災生活中に役立ったものばかりでしたが、3月という冬場の災害だったため、特に昔ながらの対流式石油ストーブや反射型石油ストーブが役立ちました。冬や夏といった季節に応じた備えも検討しておく必要があります。

また、震災後は、夜間の行動に役立つLEDヘッドライトを購入して全戸に配布しました。

次ページ:防災マニュアルと防災訓練>>

2015/09/01