ゲリラ豪雨、竜巻など、近年、突発的な自然災害の発生が増加しています。地震への備えはできていますが、水害への備えは、まだまだできていないマンションも多いのではないでしょうか?
今回は水害への備えについてお話します。
大雨、土砂災害、浸水、異常気象による災害発生の増加

写真はイメージです
台風、ゲリラ豪雨や雷雨、さらにこれら突発的な自然災害による河川の氾濫や土砂災害などが近年目立ちます。
気象庁が「数十年に一度の降水量となる大雨」と発表するなど、特別警報で警戒を促すことも多々起こっています。
これから夏に向かうにつれ、ゲリラ豪雨や雷雨の発生率も高まってきます。身近に起こりうる、水害への備えについても考えましょう。
→気象庁 気象等の特別警報の指標
→気象庁 異常気象リスクマップ「大雨が増えている」
住んでいるマンションの地域特性をチェックして日頃から備えを
まず、ご自分の住んでいるマンションでは、水害リスクがどの程度であるのかを確認しておく必要があります。自治体のホームページでハザードマップが公開されていますので、浸水する地域なのかどうか、また浸水したらどのような被害が予測されるのかについて、マンション全体で情報を共有し水害対策を考えましょう。
マンションが水害に遭った場合に起こりうること
たとえば、マンションが浸水すると、電源やボイラーが使えなくなるおそれがあります。インターネット設備も被害に遭い、通信に影響があるかもしれません。地下室に防災用品を備蓄している場合や、地下車庫がある場合、浸水によって使えなくなるかもしれません。床上浸水の恐れがある場合は、1階の管理人室にある重要な書類や電気製品を上階へ移動させる必要がでてきます。
重要書類、防災備蓄や電気製品を、浸水のおそれのない上階へ運んだり、浸水を防ぐために土嚢を積むなど、水害時になすべき行動をリスト化しておきましょう。災害対策本部の役員として役割分担がなされている場合は、備品の移動や土嚢の積み上げ、浸水階の居住者の避難誘導など、水害時の役割や担当者についても明確にしておきましょう。
津波の場合には時間の猶予がありませんが、豪雨の場合は、対応する時間の猶予があります。気象庁からの警報や注意報をこまめにチェックして、発表段階に応じてマンション内に人を集めて行動できるように、地震などの防災マニュアルを水害にも適応させて、水害時の態勢を確立しておきましょう。
前回ご紹介した災害シミュレーション「目黒巻」で、水害時の行動について話し合っておくのもいいですね。
→前回の記事:「目黒巻」による、マンション内での災害時行動イメージトレーニングを!
必要があれば、水に浸してふくらむ新タイプの土嚢(どのう)も準備
水害は、建物の構造自体に被害がなかったとしても、泥の流入などで清掃や補修に費用がかかることもあります。マンションが浸水危険地域にあるなら、あらかじめ長靴や、平らな泥かきスコップ、土嚢を用意しましょう。
地方都市だと自治体から土嚢を運んでくれることもありますが、都市にあるマンションの場合、すぐに土嚢用の土を見つけることが出来ないかもしれません。
そこでお勧めしたいのが、土ではなく水や海水に浸して数分で膨らむタイプの土嚢です。他にも止水板など浸水を食い止めるためのさまざまな製品が市販されています。浸水の程度など、マンションの状況に見合った対策を考えましょう。
マンション全体での水害対策はもちろん、室内の水害対策もしっかりと考えておきましょう。ベランダの排水溝がゴミで詰まりやすくなっていないか、窓に降り込んできて隙間から浸水しないか、日頃から点検をしましょう。
▼ベランダの対策はこちらをご覧ください。
→マンションで緑のカーテンのお悩み:台風が接近!どうしたらいいの?
その他、竜巻などの自然災害についてもご注意ください。
→竜巻が迫ったら、マンションでは「窓に近づかない!直線に逃げない!」
2014/07/07