『食べながら備える!国崎流「流通備蓄」』では、毎日使って食べる「流通備蓄」の基本的な考え方をご紹介しました。
今回は、災害が発生した際に、備蓄している食料をどうやって使いまわしていけばよいかを、具体的なメニューと共にご紹介します。
1週間分の非常食メニューはすぐ食べなければいけないものからスタート
1日目—災害発生直後は簡単に食べられるものを!
朝 サンドイッチ(チーズ、ハム、レタス)
昼 ミートソーススパゲティ(レトルト、乾麺)
夜 肉野菜炒め(冷蔵品+野菜)、ご飯(冷凍)、味噌汁(インスタント)
※冷蔵庫の電源が切れても、保冷剤・冷凍品などを使ってしばらくは保存できます。災害直後はすぐ作って食べられるもので献立を考えます。
2日目・3日目・4日目—冷凍品・賞味期限のあるものから食べる
朝 マフィン、ジャム、チーズ、カップスープ
昼 冷凍野菜のパスタ、フルーツ
夜 冷凍ハンバーグ、ご飯、スープ
朝 トースト、目玉焼き、ソーセージ、牛乳
昼 うどん(冷凍葱や油揚げ、卵など)
夜 ヤキトリ、ご飯、味噌汁
朝 冷凍おにぎり、味噌汁
昼 ラーメン(キャベツ、ニンジン、ある野菜を使う)
夜 寄せ鍋(冷凍の魚貝や肉を野菜と一緒に煮る)、
※冷凍庫のストックが溶け出す頃なので、肉や魚などの冷凍貯蔵品を中心に早く食べなければいけない食材を組みあわせてメニューを考えます。
5日目・6日目・7日目—レトルト・乾物・缶詰でバリエーション
朝 おかゆ、梅干し
昼 そうめん(葱や生姜など冷凍の薬味)
夜 おでん(缶詰)、ご飯、味噌汁
朝 ホットケーキ、ココア
昼 クリームスパゲティ、あんみつ(缶詰)
夜 中華丼(レトルト)、たまごスープ
朝 冷凍ロールパン、ソーセージ(缶詰)、スープ
昼 カレーライス(レトルト)、フルーツ(缶詰)
夜 鯖味噌煮(レトルト)、ひじきの缶詰、ご飯、味噌汁
※食べきらないといけない冷蔵庫・冷凍庫の中身が消費できたら、レトルト・乾物・缶詰を使っていろいろなバリエーションメニューを作ります。
災害時で電気が使えない際などは、野菜や肉・魚、卵などの傷みやすい食材や、納豆やチーズなど冷蔵庫内にある調理しなくてもよい食材から食べ始めます。冷凍品は、保冷剤替わりにも使えますので冷蔵庫に移して自然解凍したらなるべく早く食べきってしまうようにします。
非常食メニューのポイント
非常食メニューのポイントは、以下の5つです。
1. 自宅での滞留生活を考えて、栄養面に配慮する
2. 自宅にある食材、調理器具だけで作れる
3. カセットコンロを使って作れる
4. 茹でる・焼く・炒める・温めるだけで作れる
5. なるべく水を使わないで作れる
日頃の冷蔵庫・冷凍庫のストック食材、日常の継続が災害時に生きる
「流通備蓄」では、食材をいかに無駄なく使い切るかという、主婦の皆さんの普段の下ごしらえや調理時間短縮テクニックが生きてきます。たとえば、料理をする人なら誰もが、買ってきた肉・魚を調理したり、茹でた野菜を小分けしたりして、日頃から無駄なく食べるために順番を考えて冷凍・冷蔵しています。こうした日頃の調理の工夫や栄養のバランスを考えた日々のストックが、そのまま災害時にスライドして非常食メニューに使えるのです。国崎家では、ふだん食べる肉や野菜も、2週間分のストックになるように考えてできるだけ冷凍保存しています。
・野菜を洗って切って冷蔵庫に
・野菜を茹でて冷凍に
・冷蔵庫にそのまま食べられる食品を常備(チーズ・納豆など)
・調理済み食材を冷凍(ハンバーグや肉団子など、焼いたり温めたりするだけで食べられる状態で常備)
・肉類はカットして小分け冷凍しておく
・乾麺は1分で茹でられるそうめんなどを常備
災害時には「日常食」がそのまま利用できる!
災害発生後マンションで自宅避難する場合には、日常の継続がそのまま防災につながります。災害時の食事は、決して「非常食」ではなく「日常食」がそのまま利用できるのだということを頭に入れて、家族の食生活を守りましょう。
災害時こそ、元気が出る食事が必要です。家族みんなが「明日からがんばろう!」と思える食卓にしたいものです。
※写真はイメージです。
2012/11/16