食べながら備える!国崎流「流通備蓄」のススメ

撮影:寺林紘喜

防災用食料が消費期限切れ! そんな体験をしたことは?

消費期限切れのカンパンやカップラーメン、缶詰。
防災用として購入した食料品が消費期限切れになって処分に困った経験はありませんか? 防災用だからと、ふだん食べない食料がいっぱい買い込んであっても消費期限切れのときに困ってしまいます。
それよりもおすすめしたいのが、ふだんの食材を多めにストックして、消費したら買い足す家庭内「流通備蓄」です。

「いつも使うから多めにストックする」がそのまま防災対策に。
それが流通備蓄!

どこのご家庭でも、お米や乾麺、レトルト食料、缶詰をストックしていらっしゃるはずです。ふだん食べるこうした食料を、災害時の備蓄として活用します。

ストックの目安は1ヶ月分

ストックする食料は、およそ1ヶ月分が備蓄できるように、セールなどを利用して、いつもより少し多めに購入してみてください。それ以降は、常に1ヶ月分がストックできているようにキープし、ふだんの食料もここから使って古いものから食べていけば、消費期限切れになることはありません。使った分は補充します。
国崎家の1ヶ月分の食料の分量をリストにしてみました。リストで見ると多く感じるかもしれませんが、ご家庭の食料ストックは意外に多くあるものです。まず自分の家のストック食料を書き出してみて、以下のリストから足りない種類を補充してみてください。リストは大人3人+子ども3人分ですので、人数分で割って換算してください。流通備蓄する食料には、水と鍋とカセットコンロがあれば使えるものを選びます。

普段から購入している、身近なものをストック

防災用の非常食より保存期間は短くても、缶詰やレトルトといった、普段から購入しているものを常時多めにストックしていれば、いつでも買い足しができるので安心です。非常時であってもふだん食べているものを口に出来れば、精神的な安らぎが得られます。

家族みんなが好きなものを買う

ご家族で一緒に買い物に行って、家族それぞれが好きな缶詰やレトルトを買うようにしましょう。本人が食べたいものを備蓄する方がロスは少ないものです。我が家では、子ども達を連れて買い物に行き、好きな缶詰などを選ばせるようにしています。但し、好きなものを買う=すぐ食べるですから、お子さんなどは買ったそばからすぐに食べてしまい、気づいたらなくなってしまうことも。ストックの在庫チェックは怠らないようにしましょう。

期限切れをなくすためには、常に同じ場所にストックして毎日使う!

せっかくふだんの食料をストックしていても、消費期限切れに気付かないこともあります。食料のストックスペース(引き出し、棚、食料庫など)を「見える化」して、常に食材を使って消費し、買い足してストックというフローができるようにしましょう。流通備蓄はふだん使う食料が基本です。いつも同じ場所にストックして、消費期限と在庫チェックが目でわかるように収納します。

栄養バランスが大切

普段から食べている保存食でも、防災用の備蓄食料でも、栄養のバランスがとても大切です。乾物、レトルトなども、「もし災害が発生してこれだけで1ヶ月食べていくなら、どういうものが必要か」という視点で、バランス良くさまざまな種類の食料を購入しましょう。備蓄食料の種類については、著書『震度7から家族を守る家』(潮出版社)で詳しくご紹介していますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。


災害発生後しばらくは、食料が手に入れにくい状況や、あっても価格が高騰することも考えられます。自助の観点からも、最低1ヶ月分は自宅で家族分の食料は確保できることを目指し、毎日使って食べる「流通備蓄」を意識して、日頃の買い物計画を考えてみてください。

※写真はイメージです。

2012/10/29

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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