非常用持ち出し用品は、袋ではなく防災ベストに入れ着て逃げる!

3.11以降、非常用の防災用品を常備するご家庭が増えましたが、まだまだ非常袋で持ち出す方が多いようです。

いざという時には、袋よりベストに入れて着て逃げるのが一番役立ちます。

非常持ち出し袋は、いざという時に持ち出せない?

すぐに持ち出せない非常持ち出し袋の矛盾

被災地の支援活動に入った時に、非常持ち出し袋を持参している人を見ることはまれでした。突然だったということもあるでしょうが、非常持ち出し袋が持ち出しにくい場所にしまい込まれたままだったというのもひとつの原因だったようです。これでは本末転倒です。危機管理教育研究所では、10年以上前から『非常持ち出し品はベストに入れて着て逃げる!』ということを提唱してまいりました。

危機管理教育研究所で販売している国崎信江の防災ベスト
http://www.kunizakinobue.com/goods/bosai_vest.html

「国崎信江の防災ベスト(大人用)」の前・中・後。たくさんのポケットにかなりの量の防災品が収納できます。

3.11発生時の都内で、非常持ち出し袋を盗まれる事件が発生!

3.11発生時の都内では、会社から支給された非常持ち出し袋を持って帰宅した人が、ひったくりに遭って袋を盗まれるという事件が何件か発生していました。ひったくられた際に転んで怪我をした人もいたそうです。パニック発生時には、どんなことが起こるのか予想不可能です。背負って逃げる持ち出し袋は、人目に付きやすいということがこうした事件を発生させてしまいました。こうした危険から社員を守るために、この会社では今度持ち出し袋ではなく、防災ベストを支給することを決定されました。

防災ベストのメリットは重さを感じにくいことと防護服にもなること

防災ベストは、アウトドア用のポケットの多いナイロンベストに、非常持ち出し用品を入れて用意できます。すぐ着て出かけられる場所にハンガーでぶら下げておけば、場所もとりません。ベストなので防護服としても役立ちますし、かなりの収納力があるので、袋で背負うよりも重さを感じにくく、逃げる際にも一体感があります。
以前テレビで、小さなお子さんを連れて逃げるお母さんのための防災ベストをご紹介した際には、紙おむつまで入れて逃げる方法をアドバイスしました。背負うよりも負担が少ないので、小さいお子さんや高齢者、障がいのある方にも向いています。できれば家族全員分の防災ベストを準備するとよいでしょう。

「国崎信江の防災ベスト(子ども用)」も大人と同様の収納ポケットがついています。お子さんには、緊急連絡カードなども持たせてあげてください。

防災ベストに入れる基本の持ち出し用品の考え方

防災ベストに入れる持ち出し用品は、ご自分の状況にあわせてアレンジしていただければ結構ですが、基本的な持ち出し用品は以下の点に留意して準備しましょう。

<灯り>
・ペンライトやルミカライト

<トイレの確保>
・携帯トイレ
・ポケットティッシュ
・除菌消臭シートやスプレー

<防護用品>
・マスク(粉塵防御)
・目薬(粉塵を洗い流すための低刺激目薬)
・ゴーグルメガネ(花粉症対策メガネなどの目を覆って保護できるもの)
・手袋(革製のものの方がより強力に防備できます)
・止血パッド

<情報収集と連絡手段>
・携帯ラジオ
・ホイッスル
・緊急連絡カード
・ペンと紙

<飲み物と食料>
・500mLペットボトル
・栄養機能食品

基本的には、マンションから一旦避難する際の持ち出し用品です。火災や粉塵といった外部的状況を配慮して、まず身の安全を守るための「防護用品」を中心にします。首都直下型地震では、倒壊した建物や火災による粉塵が予想されます。怪我をするという前提で、自分の命を守って逃げのびることを優先して考え、目を覆うメガネや目薬、マスクといった防護用品を入れましょう。他に「灯り」「情報収集と連絡手段」「飲み物と食料」「トイレの確保」といった視点で、必要なものを準備します。
この他に、携帯電話と現金、そして常備薬や、赤ちゃんがいれば母子手帳のコピーやおむつなど、さまざまにカスタマイズしてください。


非常持ち出し用品を入れたバッグやリュックがどんどんいっぱいになって困っているという声をよく伺います。これは防災の準備をしているうちに、本来の目的を見失ってあれもこれもと欲張って陥りがちな点です。
防災ベストに入れる非常持ち出し用品は、マンションで自宅避難するための備蓄品とは異なります。命を守るために逃げる時に役立つ最低限のものと考えて厳選してください。

※危機管理教育研究所の防災ベストの考え方は、以下に詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

危機管理教育研究所の防災ベスト
http://www.kunizakinobue.com/goods/bosai_vest.html

2012/09/21

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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