もし災害で真っ暗になったら?蓄光テープを室内誘導に活用する方法

官公庁や地下鉄などの公共の場で使用されている蓄光テープをご存じですか?
電気も必要なく、暗闇で光るテープのことです。今回は、この蓄光テープを停電時の防災対策に活用する方法をアドバイスします。

太陽光などを蓄えて暗闇で発光する蓄光テープ

第二東名高速道路のトンネル内緊急避難誘導サインにも、蓄光技術を応用したマルチ・サイン・ボード(多機能看板)が採用されています。(画像:一般社団法人機能看板普及協会提供)

蓄光製品は、太陽光や蛍光灯などの光を吸収して蓄え、暗い場所で光を放出するものです。蓄えた光は徐々に放出され、また光が当たれば蓄光します。電気や電池なども必要なく、何度でも使用できるため、省エネな防災グッズです。
数年前に大災害を想定して、消防改正法の規制強化が行われました。大規模建築物や高層建築物・地下街などでは、長時間の避難誘導指導に対応して、蓄光テープによる誘導表示を追加しています。写真は第二東名高速道路のものですが、横浜の地下鉄、日産スタジアムなど、さまざまな公共の場所で蓄光技術は取り入れられています。

電気が不要で、いざというときに光って役立つ蓄光テープは、これらの公共の場だけではなく、マンション室内の誘導灯としても手軽に利用しやすいので、停電対策としてもおすすめです。ぜひマンションの防災に活用しましょう。

室内の避難経路や防災グッズに蓄光テープを貼ると停電時に効果的

防災面で蓄光テープを貼ると役立つ場所

室内で貼っておくべき場所は、玄関のドアノブとドアの下、廊下に手すりがある場合はそこにも貼るといいでしょう。メゾネットタイプのマンションなどでは、階段にも貼ることをおすすめします。なお階段に貼る場合は、階段のはじまりと終わりがわかるように、上り口と下がり口に目印します。また、廊下に貼っておけば、夜中にトイレへ行く際にも安心ですね。

高輝度蓄光テープ「アルファ・フラッシュ」シリーズの使用例(エルティーアイ株式会社提供写真)

持ち出し防災袋や携帯電話、寝室に用意しているものに貼る

就寝中の地震による停電は、パニックに陥りやすいものです。持ち出し防災袋、懐中電灯、ヘルメット、枕元の靴、携帯電話など、非常用の防災グッズがすぐ手に取れるよう貼っておきましょう。なお、蓄光テープは布に貼るとはがれやすいので、貼るときには材質をよく確認することを忘れずに。

高輝度蓄光テープ「アルファ・フラッシュ」シリーズの使用例(エルティーアイ株式会社提供写真)

蓄光テープの貼り過ぎに注意

国崎家では、子どもの寝室に高輝度蓄光テープを貼った際、あれこれ貼りすぎてしまって、「部屋を真っ暗にしても眩しくて眠れないよ!」という子どもからの苦情が出た、にがい経験があります。蓄光テープはかなり光ります。テープの輝度によって貼る場所を変え、必要最低限の場所を厳選して貼ることをおすすめします。

モノがわかるように蓄光テープの形で分類

左:通常時 右:暗所時 超高輝度蓄光テープ「スーパー アルファ・フラッシュ」(エルティーアイ株式会社)この他に5mm/10mm/15mmなどの各種幅のテープがあります。

便利だからといって、どこにでもベタベタ蓄光テープを貼ってしまうと、何に貼ったのかわからなくなってしまい、かえっていざというときに混乱のもとになってしまいます。
混乱を避けるためのアイデアとしては、蓄光テープを型抜きカッターで切り抜いて、ハートの形は携帯電話、クローバーの形は持ち出し袋というように、形で分類する、というのがよいでしょう。場所と同様に、モノも厳選することが大切です。

暗闇で光る誘導表示は、高齢者の室内での安全対策にも活用できます。ぜひ室内に取り入れてみてください。

ちなみに蓄光テープは、室内だけでなく、共用部分でも有効に活用できます。例えば内階段式の非常階段は、停電時の非常灯がなくなると真っ暗になってしまいます。ここにも蓄光テープが貼ってあると避難時に役立ちます。マンションの防災対策として、理事会などで一度検討されてみてもいいと思います。

以下記事も合わせてご覧ください。
マンションの非常階段徹底検証!『安全に避難するために』

取材協力

高輝度蓄光テープ「アルファ・フラッシュ」
エルティーアイ株式会社
http://www.ltic.co.jp/for-personal/top.html

2012/08/23

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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