[高齢者の防災]身の回りに潜む、うっかり火災の危険要素をチェック

住宅火災における高齢者の死亡率の高さをご存じですか? 高齢者だけで暮らすマンション世帯も増えています。普段の生活の中に、火災へつながる危険要素がないか、一度身の回りをチェックしてみましょう。

住宅火災における高齢者の死亡率は約6割以上!

総務省消防庁発表の「平成23年(1〜9月)における火災の概要」によると、住宅火災による死者(放火自殺者等を除く)747人のうち、65 歳以上の高齢者は 489 人(65.5%)。約6割以上が高齢者です。 さらに住宅火災における死者の発生した経過別死者数747人中、逃げ遅れが394人、着衣着火41人、出火後再進入18人、その他 294人となっています。

高齢者のマンション住まいでは、仏壇のロウソク、タコ足配線で使用する電化製品、コンロの消し忘れなど、普段の生活の中に、火災につながる危険が多くあります。今回は、高齢者の身の回りで火災が発生する危険要素をチェックして、その対処策をアドバイスします。高齢者ご本人や、離れて暮らすお子さんだけでなく、ご近所さんなどからもぜひチェックしてアドバイスしてあげてください。

高齢者世帯には、仏壇のロウソク、タコ足配線・・・火災の危険が多い

高齢者世帯のマンションの室内で、以下の点をチェックしてみてください。

【身の回りのチェックポイント】

□ 1 喫煙の有無と喫煙場所
もし喫煙している場合は、まず寝室で煙草を吸うのを止めましょう。喫煙場所を1箇所に決めて、吸い殻を必ず水に浸けるように習慣付けます。

□ 2 家電製品の配線や安全機能
テーブルタップに定められた最大消費電力を上回って使用していないか今一度確認してください。家具の裏側にタコ足配線になったタップを放置していると、ホコリや湿気の影響で発火するトラッキング現象の危険もあります。また家電製品はなるべく、安全機能が装備されたものを使用します。たとえば、自動消火装置付き石油ファンヒーター、転倒時の自動電源オフ機能付きアイロンなど。買い替え時に、こうした安全機能付きのものを検討してください。

□ 3 冷暖房器具の使用方法や習慣

猛暑の折には、古いクーラーや扇風機の過熱による出火事故がよく発生します。冷暖房器具のプラグに溜まったホコリからの出火、間違った洗浄方法による火災もあります。冷暖房器具は、使用シーズンの初めによく確認するようにしたいですね。また、石油ファンヒーターやオイルヒーターのまわりに洗濯物を干す習慣がないかなど、暮らしのなかでの使い方にも注意しましょう。

□ 4 キッチンの動線
キッチンでは、長時間火を使う煮物料理をそのままにして消し忘れてしまったり、天ぷら油などの火が衣服に着火したりといった火災事故が起こります。できれば高齢者宅では、消し忘れや過熱時に安全機能が作動するIHに切り換えるのが安心です。また、キッチンの動線も再チェックしましょう。たとえば、コンロの奥に、よく使う塩胡椒を置いて危険な使い方をしていないか、火まわりの動線をしっかり考え直すのも一案です。高齢者の着衣着火事故が多いので、キッチンでは防炎製のエプロンを使用するなど、安全対策を検討しましょう

国民生活センター「危険!着衣着火に注意—未然防止には防炎製品が」

夏のお盆前に気をつけたい! ロウソクやお線香の消し忘れ

その他に、これから夏のお盆を迎える前に注意したいのが、仏壇に供えたロウソクやお線香の消し忘れです。夏場には蚊取り線香の消し忘れもよく起こります。小さな火だからと見逃さず、ロウソクは水を張ったお皿に置く、ロウソクやお線香近くに燃えやすいお供え物を置かないなど、まわりから注意喚起しましょう。

たとえば、火を使わないLEDキャンドルというのもあります。

LEDキャンドル ボタン電池式 ゆらゆら点滅
170円(LEDイルミネーションの卸団地)

高齢者世帯におすすめの防火対策グッズ

さまざまな防火対策グッズの中から、高齢者世帯にあると便利な防火対策グッズをご紹介します。お子さんから高齢のご両親へ、敬老の日やお誕生日にプレゼントとして差し上げるのもいいですね。

火がついても素早く燃え広がらないエプロン


難燃加工ロングエプロン
2,800円(株式会社丹羽)

キッチンに常備したい消化剤「投げ消すSAT119」

投げ消すサット119エコ 天ぷら火災消火パック付きショルダータイプ
5,400円(株式会社ボネックス)

「投げ消すサット119エコ」の詳細はこちらから

地震時にも有効!発熱・トラッキング現象防止テーブルタップ

ルモマ テーブルタップ TE-1
2,604円(大門デンキ株式会社)


普段の暮らしの中に潜む火災の危険は、自分の目からはわからないものです。第三者の視点で室内や生活ぶりをチェックするのが役立ちます。ぜひお子さんやご近所の方々から、身の回りの防火アドバイスや便利な防災グッズを教えてさしあげてください。

火災時に発生する有毒ガスの怖ろしさについての記事も、ぜひご一読ください。
[マンション火災]怖いのは炎じゃない?室内で発生する有毒ガスの危険性
[マンション火災]119番の正しいかけ方「落ち着いて通報するために」

※ 写真はイメージです。

2012/06/28

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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