[マンション火災]初期消火のタイミングと避難方法

初期消火は天井までが目安、天井に火が達したら逃げる!

マンション・ラボで実施した「マンション防災意識アンケート」では、初期消火での避難タイミングを知らない人は、なんと約70%近くでした。

Q 初期消火を断念して避難すべきタイミングを知っている

Q.住戸内の初期消火を断念して、避難すべきタイミングを知っている。
「マンション防災意識アンケート」調査結果の詳細はこちら

マンションの火災の場合、避難時の煙に注意

一般に初期消火の限界は、「出火から3分以内で、天井に火が届くまで」とされています。天井まで火が達したら、まず逃げなければいけません。

また、木造家屋の火災は、平均すると全焼にいたるまで20分程度とされていますが、耐火建物のマンションが火災になった場合は、空気の流通が少ないので、だらだらと燃え、煙がたくさんで出るのが特徴です。煙に巻かれない注意が必要です。

マンションでの火災発生シミュレーション

火災が発生する流れをイメージできていれば、次にどう行動すべきかが判断しやすくなります。火災の死亡原因で一番多いのが、逃げ遅れです。火災が発生した際に、いかに初期消火と安全な避難ができるかがポイントです。

1.マンションの1室で出火。 <通報> <初期消火>
2.家具調度類や建具に延焼。炎は天井へ。 <避難>
3.窓ガラスが割れ、黒煙が外へ(フラッシュオーバー)。
4.上層階や隣接階に火災が延焼。

フラシュッオーバーとは? 火災により、室内に可燃性ガスが蓄積し、ある時点で急激に燃え出し、多量の熱・煙・ガスを放出し、急速に火災が延焼拡大すること。

<通報> → <初期消火> → <避難> の順で動く

<通報>

小さな火でも発見したら、まず119番に通報。大声で隣近所に「火事だ!」と知らせます。「ご近所に知られたくない」「恥ずかしい」という咄嗟の意識は捨てなければいけません。

<初期消火>

通報したら、消防車がくるまでに初期消火を施します。消火中も、「火事だ!」と叫んで隣近所に知らせ続けます。ただし、天井に火が届いてしまったら、消火を諦めてただちに避難行動を開始してください。

<避難>

延焼を防ぐために、燃えている部屋のドアや窓を閉めて迅速に避難します。持ち出す物にこだわらずできるだけ早く逃げましょう。共用廊下に出たら、非常通報ボタン(火災報知)を押して火災を全住戸に知らせてください。

防火扉の内側に入り非常階段で地上へ避難します。この時、煙の流れに注意。非常階段に煙が充満していたら別の避難ルートを選択します。そして、一旦避難したら絶対中に戻ってはいけません。

重要!避難時には、濡れた布で口と鼻を覆う

避難時には濡れた布で口と鼻を覆う

前述のように、マンションの火災では煙がたくさんで出るのが特徴です。避難時は煙を吸い込まないようにすることが肝心。煙が充満したら、濡れたハンカチかタオルで口と鼻を覆い、できるだけ低い姿勢で避難します。

ハンカチや水が近くにないときは、着ている衣類にお茶やジュースをかけるなど、身近な物を利用しましょう。

2011/12/14

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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