マンションの非常階段徹底検証!「安全に避難するために」

3.11の大震災でマンションのエレベーターが止まり、初めて非常階段を使用したという方も多かったようです。マンションのエレベーターが使用できない際には、唯一の避難経路となる非常階段。安全性や使用方法を再確認してみましょう。

非常階段のチェックポイント

非常階段
非常階段の施錠状態

内廊下タイプのマンションの場合、平常時は非常階段への扉に施錠されていることもあります。緊急時にすぐ対応できるように、鍵の開け方をよく理解しておく必要があります。

非常階段の設備

非常階段の位置はもちろん、手すりや非常灯の有無、通常照明の電球が切れていないかなど、実際に階段を上り下りして設備を再点検しましょう。

非常灯の点灯時間

非常階段に、停電時に点灯する非常灯が備えられているマンションもあります。非常灯の点灯時間は設備によって異なりますので、ぜひ事前に確認しておいてください。

非常階段の幅

実際に非常階段を使用して、階段の幅を確認しましょう。子供を連れて逃げるときに、横に並ぶだけの十分な幅があるか、手すりがあるかどうかチェックしましょう。

自室からの避難、所要時間

自分の部屋から非常階段を使うとどのくらいで地上まで逃げることが出来るか、実際に荷物を持って下りて、所要時間を計っておきましょう。災害時の行動イメージが具体化します。

非常階段内の安全性確認

壁に亀裂や、階段につまづきやすい場所がないかなど、階段内の安全性を確認します。定期的に非常階段を使った避難訓練を実施すると、階段や設備の安全性チェックにも役立ちます。

避難訓練の実施と避難ルールづくり

地震や火災といった災害時に非常階段を使用する場合をイメージするためにも、マンション全体や個人で、非常階段を用いた避難訓練の実施を!いざというときに必ず役立ちます。マンションによって異なりますが、もし日頃から非常階段を使用できる環境であれば、健康のためにも非常階段を利用する習慣をつけると、防災面でも健康面でも一石二鳥ですね。ぜひお試しください。

<マンション全体の訓練>

マンションの全戸一斉に非常階段を使用した避難訓練を行うことが一番有効です。全フロアから一斉に居住者が避難した場合に、どのくらい非常階段が混雑するのか、火災発生時など一刻を争う事態の退去にどのくらい時間がかかるのか、具体的な状況を体験できます。

<個人の訓練>

全戸で避難訓練をする機会が少なければ、ご家族で避難訓練もできます。お子さんと一緒に、実際に非常階段を使用してみましょう。その際、下るだけでなく上りも体験し、お子様の体力を勘案しながらどこで休憩すべきかを考えておきましょう。

非常階段の利用ルール
いざという時にパニックに陥らないためにも、マンション全体で非常階段の利用ルールを作成しておくことも必要です。

ルール1:避難時は傷病者・乳幼児・高齢者・障害者を優先する

非常階段の幅は、通常は大人二人がすれ違える程度の幅しかありません。大規模マンションの場合などは、居住者全員が一気に下りると階段が混雑する可能性もあります。同じフロアの住民同士で災害時要援護者()の避難を優先し、避難を助け合いましょう。

ルール2:非常階段の通行方向を厳守する

下る人、上る人の混乱を防止するために、左側通行か右側通行か、訓練時にルールを決めておきます。非常階段の中央に左右通行のための蛍光テープを貼っておくと、わかりやすくなります。

ルール3:非常階段利用時は懐中電灯を携帯する

暗がりの階段使用は危険を伴います。たとえ避難時が昼間だとしても、帰宅時は夜間になる場合も。また、非常階段が内階段の場合、停電時の非常灯も備わっていますが、一定の点灯時間を超えれば真っ暗になってしまいます。非常階段を使う際には必ず懐中電灯を携帯するようにしてください。

※「災害時要援護者」とは?:内閣府ガイドラインでは「災害から自らを守るために安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動をとるのに支援を要する人々をいい、一般的に高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊婦等があげられている」となっています。(内閣府 要援護者対策のページ

2011/11/25

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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