阿倍野防災センターで倒壊した町や震度7の揺れを実体験!

地震直後の町並みを再現したセット(阿倍野防災センター)

震度7はどれほどの揺れなのか? そして街はどんな風に変わってしまうのか? 皆さんには想像できますか? バーチャルな災害シミュレーションと防災知識を学べる阿倍野防災センターに伺って実際に体験してみました。

阿倍野防災センター

住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋3丁目13番23号あべのフォルサ3F
電話:06-6643-1031
最寄り駅:地下鉄谷町線「阿倍野駅」、地下鉄御堂筋線「天王寺」駅、JR「天王寺駅」、近鉄南大阪線「大阪阿部野橋」駅、阪堺上町線「阿倍野」駅
開館時間:午前10時~午後6時
休館日:水曜日・毎月最終木曜日(祝日の場合はその翌日)・年末年始(12月28日~1月4日)
URL:http://www.abeno-bosai-c.city.osaka.jp/

無料で体験・学習できる防災センターは、家族の夏休みにぴったり!

マンション・ラボで「マンション防災・安心のススメ」連載中の危機管理アドバイザーの国崎信江先生は、機会があるごとに全国の防災センターを訪れる、いわば「防センマニア」(笑)。その国崎先生オススメの防災センターが、大阪市にある阿倍野防災センターです。

今回は国崎先生と一緒にマンション・ラボ編集部が、阿倍野防災センターを体験してきました。

館内は、防災センター長の鯉谷勝治さんにご案内していただきました。

「大震災の揺れの恐ろしさは実際に体験した方にしかわかりません。防災センターを活用して、少しでも多くのお子さんや保護者の方々に、災害の恐ろしさと防災知識をお伝えできればと思っています。阿倍野防災センターの特長は、アテンダントによる30〜100分の各ツアー形式でストーリー仕立てのゾーンを体験できることです。“体験コース”で学んでいただくと、地震で発生する危険が理解しやすいはずです」

バーチャル地震体験

では、早速“体験コース”で学んでみましょう!
ツアーの入口、シアター形式になった「バーチャル地震コーナー」では、迫力ある大画面映像と振動装置により、大地震発生の状況をリアルに体験できます。
映像にあわせて座席が揺れるのが迫力です。

キッチンやリビングの危険箇所を知る!

「火災発生防止コーナー」では、キッチンやリビングで、二次災害の危険性のあるものを見つけ出して災害を防ぎます。

煙が充満した廊下での避難を実体験

写真の「出口」の扉を開けると、煙の怖さが実感できる「煙中コーナー」。煙で曇った暗い廊下を、姿勢を低くしながらすばやく避難します。煙が発生したマンション内をイメージすることができ、煙で視界が遮られる怖さを体験できました。

崩壊した街で、危険を知る!

「煙中コーナー」を脱出すると、そこは倒壊した町。落ちかけた看板、むき出しのガス管、切れた電線など、崩れた建物の近くにひそむ危険を、ここで学ぶことができます。

リアルに再現された倒壊した街のセット。しかしそこは大阪。店の看板やアパートの名前に「119生命」「はんかい荘」など、関西らしいユーモアも!

「初期消火コーナー」では、厨房で発生した火災の火元に消火器を向けて消火する方法を学びます。

「119番通報コーナー」では、公衆電話や携帯電話から119番に通報するシミュレーションを行います。

家屋で火災発生! みんなで消火しよう!

続いて、家屋から出火するシーンに遭遇しました。激しく燃えさかる炎に包まれた家屋を、いったいどのように消火すればよいのでしょうか。スタッフの方が、可搬式ポンプの操作方法をわかりやすく一緒になって説明してくれました。

国崎先生が指さしている建物から出火です!

可搬式ポンプを操作して出火している家屋を消火します。

ノズル(筒先)の重さにびっくりですが、実際にはここに水圧が加わりますので、しっかり腰を据えて支えないといけません。

可搬式ポンプの操作方法は、消防署や消防団などでも学べます。この体験を実用に結びつけるためにも、地元の消防署や消防団でさらに実地体験をしたいものです。

家具の下敷きになった人を、ジャッキを使って救出!

「救出コーナー」では、転倒した家具の下敷きになった人を救出します。
阪神淡路大震災では、地震による直接的な死者数5,502人のうち、住宅・建築物の倒壊や家具などの転倒による死者が約9割でした。家具固定の大切さや、災害時に家具などの下敷きになった人をいかに素早く救出するかが課題です。

一人がジャッキで家具を持ち上げ、もう一人が下敷きになった人の頭と首を支えます。下敷きになった人には、「がんばってくださいね」と常に声をかけて呼びかけるように教わりました。

震度7の揺れを実体験!

阿倍野防災センターで来場者から一番反応が高いのは、実際に震度7の揺れを体験できる「震度7地震体験コーナー」です。「震度7地震体験コーナー」では、過去の観測データに基づいた8つの地震の揺れを体験できます。

体験できる地震のリスト。

我々は、平成15年M7.0の宮城県沖地震、平成23年のM9.0の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)、そしてM8.4と想定されている南海地震の3つの地震を体験しました。

前方に映し出されるモニターで地震波の様子が確認できます。バーにつかまっているとはいえ、かなりしっかり握らなければ転びそうになる大きな揺れもありました。徐々に高まってドーンと突き上げてくる揺れには、不気味な恐ろしさを感じました。

この揺れを体験したあと、一体自分のマンションはどうなってしまうのだろうと不安に陥りました。震度7で室内の「冷蔵庫やテレビが吹っ飛ぶ」ことを教わっていても、まだまだ自分自身が震度7の揺れの大きさを実感できていなかったのでしょう。少しでも多くの方々に体験していただきたい、貴重なコーナーでした。

※ 「震度7地震体験コーナー」は、事故防止のため、身長120cm以上の方から体験可能です。

来場者の声「子どもの成長にあわせて感じ方が変わり、有意義でした」

阿倍野防災センター長の鯉谷氏にお話を伺いました。

「23年度には14万6千人もの来場者においでいただき、東日本大震災以来、入場者数はぐんと増えました。お子さんが幼稚園、小学生、中学生のときに一回ずつ来場して、それぞれの年齢で感じ方が異なり、危険を予測できるように成長した様子を見ることができたという保護者の感想をいただいたこともあります。

防災訓練や体験は、繰り返し行うことで身に付きます。ぜひ何回も体験いただき、地震の恐ろしさを学んでいただければと思います」

鯉谷防災センター長と国崎先生。体験の修了証をしっかりいただきました!

体験コースを受講すると、もらえる「修了証」と「体験カード スタンプラリー」。スタンプ5個で記念品がもらえるそうです。


阿倍野防災センターは、夏休みに家族連れでしっかり防災を学ぶのにぴったりな場所でした。マンションの理事会の皆さんや防災担当の方で体験してみるのもいいですね。阿倍野だけでなく、防災センターは全国にありますので、ぜひ一度体験してみてください。詳しくは最寄りの市町村・消防署にお問い合わせください。

▼ 総務省消防庁:全国の主な防災センター施設
http://www.fdma.go.jp/html/life/jisyubousai/hp/st.html

2013/08/08