阪神・淡路大震災から、地震への対策を学ぶ~神戸・人と防災未来センターを訪ねて~

今から17年前の1995年1月17日早朝、突如神戸を襲った「阪神・淡路大震災」。6,434名もの尊い命が、その犠牲となりました。そしてその多くが、直下型地震特有の「激しい揺れ」による、家屋の倒壊や火災によるものでした。近い将来、東京で発生するといわれている地震も、この直下型地震といわれています。

マンション・ラボ編集部は、阪神・淡路大震災の当時の状況や経験された人のお話が、これから大きな地震に立ち向かう際に役立つという想いから、今回、当時のことを詳細に伝える神戸市の「人と防災未来センター」を訪ね、広報担当・松村さんにご案内していただきました。

人と防災未来センター

阪神・淡路大震災の痛ましい記憶を風化させず、未来の地震対策へとつなげるために建設された、「人と防災未来センター」は、神戸市の中心・三宮から車で10分ほどの、美しい神戸湾のほとりに建てられています。

衝撃の15秒。映像が物語る「直下型」の恐怖とは

まず、最初に案内されたのが、同施設西館の4階にある「1.17シアター」。ここでは、阪神・淡路大震災の被害状況を分析し、そのデータをもとに細部まで再現したCG映像を上映しています。大きな多面体のスクリーンのあるシアターに案内され、いざ上映が開始されると…あまりの衝撃に、言葉を失いました。映像は各地域での被害を模様を再現しているのですが、轟音とともにあっという間にペシャンコになる家屋、衝撃で窓ガラスが一気に割れ傾くビル、外壁などが崩れる駅舎、震動でゆがむ線路を走行中に脱線した電車、鉄柱が折れ、帯のように横倒しになった高速道路など…わずか15秒の間に、まるで地獄絵図のように街が変わってしまう様は、当時テレビで被害状況だけしか見ることのできなかった私の想像を、はるかに超えるものでした。
そして、この地震が東京で起こったことを想像すると….気持ちの整理もつかないまま、言葉もなく、次のホールへと向かいました。

1.17シアターの様子

そこには、被災した街が広がっていた

「1.17シアター」を出て次の「大震災ホール」向かう途中に、「震災直後のまち」を忠実に再現したジオラマが広がっていました。倒れた電柱や家屋、集合住宅は斜めに傾いていました。ベランダに干されたままの洗濯物が、前触れもなくたくさんの幸せを奪った地震の恐ろしさ、凄まじさを物語っていました。

破壊されたまちを、火の手が襲う様子が伝わってくる

傾いた家屋と集団住宅。地震の凄まじさを想像するだけでも恐ろしい

ある少女を通じて学ぶ、被災後の課題と勇気

次に入った「大震災ホール」では、復興に至るまでの道のりを、ドラマで見ることができます。
普段と変わらぬ朝を迎えるはずだったあの日。
就寝中に突如激しい揺れとともに家が崩れ、がれきの下に埋まってしまう少女。なんとか近所の人たちの助けで脱出できたが、隣に寝ていた姉は埋まったまま、すぐそこには火の手が迫っていた…。その後姉を亡くした悲しみを背負いながらも、両親や友人に支えられながら、街の復興に希望を見出しつつ、強く生きていこうとする、といった物語です。
少女の姿を通じて、あの大災害に見舞われても、諦めずに信じられないスピードで復興した神戸の方たちに、地震にも屈しない人間の強さを垣間見ることができます。と同時に、東日本大震災で被災した方々の、一日も早い復興を祈らずにはいられませんでした。

大震災ホールの様子

被災時の資料や記録が公開された「震災記憶のフロア」

3階は、「震災記憶のフロア」として、被災した方々から寄せられた被災時の写真や品が集められ、公開されています。「震災の記憶を残すコーナー」では、地震の被害を象徴する品々や写真が、印象的なコメントとともに展示され、地震のすさまじさを当時のままに伝えています。「ここには被災された方々からの貴重な品々が、展示されているほかにも、多数保管されています。あの時の被害を忘れずに後世へと伝え残していくために、将来役立てていきたいと思っています」と、広報の松村さんが教えてくれました。

震災の様子が紹介されたパネル展示。書籍や映像ではみることのできない、本当の阪神淡路大震災が、ここに紹介されている

メッセージパネル。マンションの玄関が開かずに閉じ込められたという実例

マンションが倒壊するという想像もできない被害。言葉も出ない

家屋内部のようす。生活に苦慮していたことがうかがえる。

倒壊した家屋から救助するようす。地震の激しさが伝わってくる

集合住宅だからこそ、すべき対策の一例。やはり住民同士のつながりが必要

救助工具や役立ったものが展示してある

「震災からの記憶をたどるコーナー」では、地震直後から復興までの過程を、生活やまちの姿をグラフィックで再現しています。

震災当時を伝えるリアルな模型。どれだけ恐ろしかったかが伝わるようだ

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2012/07/02