マンションの防犯チラシの掲示 どこに貼るのが効果的?

※写真はイメージです

マンションの防犯チラシの掲示は、住民同士の安全確認や情報共有の大切なツールです。みんなが見る、効果的な場所に貼りましょう。

マンションの防犯チラシは、住民に注意喚起を促す最適なツール

警察から「マンション内の掲示板などへ、防犯チラシの掲示や居住者に注意喚起を促す看板・シールの掲示をお願いします」という通達が来ることがあります。

マンションは、空き巣などの侵入犯にとっては効率のいい稼ぎ場所です。間取りもほとんど同じですし、貴重品を置く場所も似通ってくるので、一度侵入してしまえば効率的に盗んでいくことができるからです。

警察では、こうした犯罪を未然に防ぐために定期的に防犯啓発チラシを掲示して注意喚起を行うよう通達します。

とはいえ、防犯チラシにどんな注意喚起を行えばよいのかわからない方も多いと思います。以下のような点を洗い出してみてはいかがでしょうか?

□近隣で不審な車や人を見かけていないか
□高層階でも窓に施錠をしているか
□押し売り販売や勧誘などの訪問は来ていないか
□自転車の盗難などはないか
□マンション付近での迷惑行為はないか

マンション内で起こっている小さなサイン=ヒヤリ・ハット(事故には至らなかったがヒヤリとした・ハッとした事例)を見逃さないためにも、防犯チラシは役立ちます。

自分の家(マンション)だけは大丈夫、という心理的な思い込みが、犯罪を見逃しやすくします。

防犯アンケートに見る、防犯心理の盲点とその対策法

実際にマンション内で迷惑行為が起こった場合の警告チラシは、以下を参考にしてください。

マンションの防犯お悩み〜窓から植木鉢を投げる愉快犯への対処法〜

いかに多くの住民の目に触れて、情報を共有できるかがポイント

せっかくつくった防犯チラシも、住民が見ていなければ意味がありません。

私は誰もが使用するエレベーター内に貼り出すのが最適だと思いますが、美観の関係で避けられているようです。そのうちエレベーター内にも、美観を損ねない掲示板スペースが設けられるように開発されるといいですね。

現状では、1階のエレベーターホールや、ポストコーナー近くに設けられた掲示板スペースに貼り出すのが効果的です。

住民が使えるデジタル掲示板やメーリングリストなどがあるマンションならば、そうしたデジタルツールと、防犯チラシを貼り出すなどのアナログツールの両方を活用して、情報共有を徹底しましょう。

兵庫県にある加古川グリーンシティでは、エレベーター脇に掲示板スペースを設けて、挨拶を促す手作りポスターを貼り出したりされていました。

こちらのマンションは、防災に特化した取り組みを行っていらっしゃいますが、防犯に関してもきめ細かい取り組みをされています。

たとえばエレベーターホールには、カゴ内が映る防犯モニターを設置。モニタリングを共有することで、中にいる人も、外にいる人も、みんながどこかから見ていることがわかり、犯罪抑止力となります。防災力が備わっているマンションは、防犯力も強固なものになるというよい例ですね。

超防災マンションはここまで備える!驚くべき対策を徹底調査

マンションで災害や犯罪の情報が共有されていないことは危険

以前、防災の講演を行った際、住民の女性のおひとりが、「実は東日本大震災の際に、マンションのエレベーターに閉じ込められて自力で脱出したんです」と打ち明けられました。他の住民の方々も、そこで初めて知った事件でした。女性も、そのときは気持ちが動転していたのかもしれません。

しかし、マンション内で起こった事故はきちんと管理組合や管理会社に報告して、マンション全体で情報共有を行って対策を講じなければ、また次に同じ事が起こる可能性があります。

災害だけでなく、空き巣や訪問詐欺などの犯罪もそうです。犯罪に遭った場合、警察に通報しても、マンションの管理組合には伝えていない方も多いようですが、こうした犯罪情報こそみんなで共有して、今後の防犯対策に役立てる必要があります。

犯罪に遭って恥ずかしいとか、かっこわるいと思われるのかもしれませんが、マンションは運命共同体です。犯罪や災害に強いマンションを、自らつくっていくのだという気持ちで、情報を共有しましょう。

2015/10/26

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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