ジェルボール型洗剤の誤飲事故多発!不慮の事故から子供を守るために

マンション防犯では、防犯知識以外にも安全面で知っていてほしい安全対策や事故防止のための知識をご紹介しています。今回はご家庭で特に多い誤飲事故についてお話しします。

最近、洗濯用パック型液体洗剤ジェルボールの誤飲事故が増えています。乳幼児がこうした事故に遭わないために、食べ物でないことを伝え、食べたら苦しくなることを教えましょう。そして万一に備えて、保護者は対処方法を知っておきましょう。

液体洗剤ジェルボールが口や目に入る事故が、3歳以下の乳幼児に多発

ジェルボールは、1回分ずつの洗濯用液体洗剤を水溶性のフィルムで包んだものです。赤や青などのカラフルな色をしており、乳幼児がお菓子と勘違いして、口に入れたり握って破裂したりする事故が多発しています。

洗濯用パック型液体洗剤に気を付けて!(消費者庁・国民生活センター)平成27年3月18日発表

3歳くらいまでの子供は何でも口に入れてしまうものです。

上記の国民生活センターによるテスト結果報告にもありますが、柔らかく水溶性のジェルボールのような洗剤は、唾液やよだれによりフィルムが破れて中身が出やすくなります。

乳幼児が掴んで舐めたりすることで、中身が飛び出したり呑み込んだりしてしまいます。小さいお子さんのいるご家庭では、「洗剤は子供の手の届く場所に置かない」ことを徹底してください。

「子供の手に届かない位置」というのは子供の背丈だけでなく、子供が踏み台になるものを使っても届かない位置です。

【対処方法】

万一、目に入ったり誤飲した場合は、以下のように対処してください。

・液体洗剤ジェルボールが目に入った場合
こすらず、すぐに水で10分以上洗い流して、医者で診てもらう。

・液体洗剤ジェルボールを飲んでしまった場合
すぐに口をすすいで、水または牛乳を少量飲ませて、医者で診てもらってください。汚物が気管に入ってしまうおそれがあるため、無理に吐かせないで医者に連れて行ってください。

どちらの場合も、医者へ連れて行く際には、洗剤の成分表を持参してください。

【電話相談】

ジェルボールやそれ以外の誤飲事故についても、電話で以下の連絡先で対処方法を相談することができます。小さいお子さんのいる家庭は、以下の番号を電話のそばに貼っておくといいでしょう。

・小児救急電話相談 #8000(通話料は相談者負担)
小児科医師や看護師のアドバイスを受けられます。

・公益財団法人日本中毒情報センター 中毒110番(通話料は相談者負担)
化学物質(たばこ、家庭用品など)、医薬品、動植物の毒などによって起こる急性中毒について、実際に事故が発生している場合に限定して情報提供しています。

大阪中毒110番 (24時間対応) 072-727-2499
つくば中毒110番(9時〜21時対応) 029-852-9999
http://www.j-poison-ic.or.jp

その他の誤飲事故

乳幼児や子供の誤飲事故は、ジェルボール以外にもさまざまなものがあります。その中でも、すぐに吐かせた方がいいものと、吐かせてはいけないものがあります。

たとえば、劇物(灯油、ガソリン、ベンジン、強酸洗剤、漂白剤)などを誤飲した場合は、無理に吐かせると食道や胃粘膜を傷める恐れがあります。誤飲したものが大きすぎたり、吸い込んでしまったりした場合には、気道が塞がって呼吸ができなくなる怖れもあります。

先にご紹介した「日本中毒情報センター」のHPには中毒情報データベースがありますので、日頃からこうした情報をチェックして、家庭で起こりやすい誤飲事故の対処方法を学んでおきたいものです。

最近多い、認知症の患者さんの薬の包装シートの誤飲事故

乳幼児だけでなく、認知症の患者さんが薬の包装シートを誤飲する事故も増えています。
薬の包装シートを誤飲すると、プラスチックシートの鋭利な角が食道や胃粘膜を傷付けることがあります。認知症の患者さんの場合、誤飲したことに気付かず、腹痛などの症状が出てから気付くことが多いようです。

処方された薬を服用することが多い高齢者の場合、ご家族が注意してあげる必要があります。

注意!高齢者に目立つ薬の包装シートの誤飲事故 (国民生活センター)


乳幼児や高齢者のいるご家庭では、身の回りに置くものには特に注意して、誤飲事故を起こさないよう目を配ってあげてください。
マンションでは脱衣所に洗濯機がある場合が多いので、扉がある場合には子供が入らないよう常に閉めるようにしておき、さらに扉開き防止の対策もしておくとよいでしょう。

2015/09/29

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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