託児サービスの判断基準は?親の都合で子どもの命を危険にさらさないために

今年の3月に、インターネットで知り合ったベビーシッターの男性に預けた2歳の男児が死亡するという痛ましい事件が起こりました。いま一度、他者に子どもを預けることの危険性を知り、どのように託児サービスを判断すべきかについて考えましょう。

子どもを預ける側も、常に託児サービスのリスクを認識するべき

子どもを預けるインターネットサービスの存在は知っていましたが、こんなにもそのサービスを利用する人が多く、大きな組織になっていたことに驚きを禁じ得ません。子どもを預けたいと思ったときに見てもらえる人や場所が身近になかったのでしょうが、会ったこともない・身元もはっきりわからない知らない人に子どもを預けることには必ずリスクがあります。

2歳や8ヶ月程度の小さな子どもは、ただでさえ何が起きるか予測不可能なものです。そんな小さい子どもを、外泊で他人に預けるということは、危機管理能力以前に常識として問題です。親である以上、自分の都合を優先するのではなく、子どもの安全を第一に考えて行動したいものです。

厚生労働省による「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」

今回の事件を受けて、厚生労働省では「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」について発表を行っています。

厚生労働省「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」

ここで挙げられている、事前の情報収集や面接、事業者確認など、託児サービスを受ける場合に基本的に行うべきポイントを把握した上で、自治体や認可団体が提供している託児サービスを利用するなど、バックグラウンドがしっかりしているサービスを見極めて利用すべきでしょう。

自分の子どもを危険から守るのは、親の責任です

しかし、どんなに信頼できるサービスであっても、小さな子どもを預けるということには、常にリスクが背中合わせです。たとえプロフェッショナルであっても乳児のうつぶせ寝での事故が起こることもあります。同じマンション内のお友達の家に預けるというのも、互いにとってかなりのリスクです。そのリスクをいかに減らせるか、どうしたら子どもを安心して預けられるかについて、常に頭に入れて行動していただければと思います。

たとえば買い物へ行くときに、3歳の子どもを連れてスーパーへ行くのは、とても大変なことです。たった5分位で済む買い物ならば、子どもだけ家に置いていきたいと、つい考えがちな親の気持ちもよくわかります。ですが、子ども達だけで留守番させているこのあいだに、もしもなにか万一のことが起こったらと考えてください。子どもに「ちょっとの間だから待っていてね」は、ききません。パチンコ店の駐車場に停めた車に子どもを放置していくのも、すべて親の都合ばかりを優先するから起こる事故なのです。

お子さんを預ける際には、子どもの安全を最優先に考えましょう

Facebookでも書きましたが、今回の事件で一番の被害者は、子どもです。
見ず知らずの男性に預けられて、体にアザまでつけられて怖い思いをしたのに、またも同様の条件で他人に預けられてしまったのです。また、兄弟がマンションの一室で発見された時には、裸同然の状態で、8ヶ月の弟は低体温症に陥っていたといいます。母親から離れていた間、兄弟はどんなに寂しく怖い思いをしたことでしょうか。

現代の日本の教育や法律は、まだまだ子どもの人権を認めているとはいえません。子どもは、オモチャやペットではありません。残念ながらいまの日本では、子どもを一人で留守番させても、親に対する法的な罰則がありません。子どもを守るルールを世界基準に達するようにしない限り、こうした悲劇から子どもを守ることはできないでしょう。

最近では、親としての教育である「親学」が重要だといわれていますが、教育するべき親が、そうした場へ学びに来ないとどうしようもないことなのです。

今回の事件を鑑みて、お子さんを預ける際には、いま一度どうしても預けないとできないことか考え直すことを習慣付けてください。そして、どうしても預けなければいけない場合には、安全な預かり先を調べることを徹底してください。

2014/06/05

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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