実は潜在的な危険がいっぱい!?機械式立体駐車場アンケート結果のヒヤリ・ハット

写真はイメージです

機械式立体駐車場アンケート結果に見るヒヤリ・ハットの事例

マンションの機械式立体駐車場での事故について、以前の記事でもとりあげましたが、マンション・ラボでもアンケートを実施いたしました。

マンション・ラボ「機械式立体駐車場に関するアンケート」

アンケートを拝見していて興味深かったのは、機械式立体駐車場でご自身が怪我をしたことはないと回答されている方が97%もいらっしゃる一方で、怪我をした・しそうになった方々や危険を感じた方々の自由回答には、実に数々にヒヤリ・ハット(事故には至らなかったがヒヤリとした・ハッとした事例)が集まっていました。

※「ヒヤリ・ハット」ハインリッヒの法則

小さなヒヤリ・ハットの数が多くなればなるほど、1件の重大な事故につながります。今回は、マンションの機械式立体駐車場で、どんなヒヤリとしたこと・ハッとしたことが起こっているのか、アンケート結果の事例を紹介することで、皆さんと共有していきたいと思います。

機械式立体駐車場でどのようなことに危険を感じましたか?

たとえば、「機械式立体駐車場で危険を感じたことはありますか?」の設問に、「危険を感じたことがない」と答えた方が80%。しかし、危険を感じたことがある20%の方々が、以下のような危険な事例に遭遇しています。

車庫に入れ、運転席に座って荷物をとってかがんでいるときに、下の段の人が車を持ち上げてしまった。ドアが開いていたので危なかった。

ドアが開いているときに、他の人による横レーンの操作があり、ドアを引っかけられた。

車のドアを開けている際に、昇りボタンを押されて、浮き上がった。

エンジンを掛けっぱなしで地下に放置。

入庫の際に、隣の列から人が出てきた。

前の利用者が入庫場所を間違って車のサイズが合わず、入庫操作中に危うく車が装置にぶつかりそうになった。

操作パネル未施錠の利用者がいる。

駐車場の地上部分に車が停まっていて、その車の陰に掃除の業者さんがいたことに気付かず、隣の駐車昇降機を上げてしまった。

ドアを開けていたとき、隣の機械が急に上がってきた。

ゲートに潰されそうになった。

シャッターを誤って降ろし始めてしまい、バックしていた車が挟まれそうになった。

駐車位置でないところに停めている人がいた。

故障が頻発する。

パレットが金属なので濡れていると滑る。

子供が中に入っているのを目撃した。

高さ制限違反の車が入っていた。

ドライバーの技術不足(ブレーキとアクセルの踏み間違えなど)。

死亡事故があった。

車が落下する事故があった。

短い間に車をぶつけて壊す事故が2件も発生した。

最下段の車を入出庫しているときに大きな地震が来たらどうなるか心配。

もし何かの拍子に挟まれても自動的に停止する仕組みがない。

鉄部がむき出しで、よく頭をぶつける。

ご自身が怪我をされていなくても、ヒヤリとする出来事がかなりの数発生しているようです。死亡事故や落下事故が発生しているなどというのは、実際の事故事例ですが、報告されている事故の数がなくとも、水面下でこれだけのヒヤリ・ハット事例があること自体、大きな問題です。

使い方のマナーで気になること

では、利用者のマナーで気になる点は何でしょうか?

子供が遊んでいるのに親が見ていない。

運転手以外の人も乗ったまま入庫している。入庫前にトランクの荷物を出さず、入庫してエンジンを止めた後に、立体駐車場内で荷物を出している。

子供に操作させている。

キーを差し込んだままの人がいる。

ドアの閉め忘れがあって、次の人が使えなくなる事例がままある。

チェーンの保護材がすぐ落っこちてクルマで踏んでしまう。プラスチック製なのでタイヤのパンクが心配。

よそ見をしながら操作している。

入庫、出庫のタイミングが重なった場合の優先順位が決まっていない。

自分の駐車場にゴルフクラブ(素振り用)を置いている人がいた。車がない時はむき出しになるので、危ないと思った。

地下部分に停めている方が、故障の際、放置したまま出かけてしまい、上段の車が地上から上がったままになり長時間使用できなかった。

安全性を優先した正しい使い方が操作手順で規格化されていない。安全操作の指導が徹底されておらず、守られていない。

操作盤に鍵を差しっぱなしにしたりする人がいたり、パレットを上げっぱなしにしたりする人もいる。また駐車場前で車を止めっぱなしにする人もいる。

「ゴルフクラブをむき出しで駐車場に置いている」「子どもに操作させている」など言語道断です。実際に利用している方のマナーで気になる点についても、たくさんの危険が内包されていることがよくわかります。

機械式立体駐車場の利用方法には、死亡事故につながりかねない、潜在的な危険の種が散らばっていることがよくわかりました。また、きちんとした利用マナーが策定されていないことも、事故の一因となります。

次のページでは、マンションにおける機械式立体駐車場について、各マンションで具体的なアクションを起こす方法についてアドバイスしたいと思います。

次のページ:あなたのマンションの機械式立体駐車場を調べよう!実践編

2013/11/22

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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