マンションの防犯お悩み~窓から植木鉢を投げる愉快犯への対処法~

マンション・ラボ会員からの、マンションの防犯に関するお悩みにお答えします。今回は、愉快犯への対処方法です。

【マンション居住者からのご相談】窓から植木鉢や物を投げる人がいる!?

先日、マンションの掲示板に、警告文が張り出されていて知ったのですが、うちのマンションの上空から下に向かって物を投げている居住者がいるようです。

最初は、紙筒状のポテトチップスなどをエントランスに向かって投げていたようですが、だんだんエスカレートしているのか、最近では植木鉢を投げ落としたそうです。私も、マンション沿いの公道に、粉々になった植木鉢が散乱しているのを見ました。これが人に当たっていたら、と思うとゾッとします。

いまだに誰が投げたのかはわかりません。こうした行為に、警告文だけで効果があるものでしょうか? どのように対処するのがよいのでしょう?

マンションに貼りだした警告文の内容

最近、エントランス付近で、マンション上空から植木鉢などの落下物が多数目撃されています。度重なっており、故意の可能性も極めて高いと判断しました。いずれの落下物も人に当たることはありませんでしたが、万が一当たった場合、生死に関わる大事故につながります。絶対に危険な行為(物捨て)は、お止めいただくようお願いいたします。

現在、警察に被害届を出すことを検討しております。

【国崎信江からの回答】

犯罪は初動が肝心、犯人も居住者も全員が警告文を見るよう周知を徹底

これは、明らかに愉快犯ですね。徐々に落とす物が危険な物になっていますし、行為がエスカレートしているのでしょう。植木鉢を落とすのは、被害者がいなくても危険行為であり犯罪です。こうした行為が「許されざる危険行為」だということを加害者にわからせる意味でも、このような警告文は大切です。

エレベーターの前の掲示板一箇所では相手が気づかぬこともあるので、各フロアのエレベーター前に張り出し、さらに全居住者の郵便受けに入れるなど、誰もが目に付く方法で、必ず本人が警告文を見るようさせましょう。

また、居住者にも、危険な行為があることを周知して自衛に努めてもらうことや、不審な動きや状態について監視する意識をもってもらうためにも、情報を共有することは重要です。

警告文の内容は毅然とした口調で

警告文の内容も大切です。
この警告文で書かれているとおり、警察に届ける可能性もあること、毅然とした態度で臨むことを徹底します。警告文には、「お願い」ではなく、生命を脅かす危険行為を「止めなさい」という姿勢が現れていなくてはいけません。

危険・迷惑行為は、記録が大切!

また、こうした危険・迷惑行為は、のちのち警察に届ける際のことも考えて、発生日時・場所を記録しておきましょう。現場の写真撮影を行い、落下物は捨てずに証拠として保管しておきます。

警告文の文面の工夫として、これまでの危険行為を時系列で記載します。行為がエスカレートする要因として、ストレスの発散、人が驚くさまを見たい、自分の存在をアピールしたいなどの欲求が考えられます。自分のやっていることが周囲に気づかれていないと感じると、欲求を満たすためにエスカレートする傾向があります。

そのため、加害者にすべての行為を把握しているというメッセージを伝えることで抑止になる場合があります。落下した植木鉢の写真があれば、それも警告文に記載します。居住者にも、現場写真を見せることで、危険性を伝えやすくなります。


こうした愉快犯には、一握りの居住者や管理人による監視ではなく、マンション全体で取り組む必要があります。大切なのは安全な環境を維持するために住民が安全に関心をもち、そのような行為を許さないという雰囲気を広げていくことです。

些細なことでも見つけたら連絡して欲しいと居住者に呼びかけて情報共有を行い、マンション全体で危険行為を防ぎましょう。

※写真はイメージです。

2013/10/17

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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