マンションのエレベーター、万一のときに助けが呼べるか?が重要

密室となるマンションのエレベーター。アンケート結果による「防犯上の不安」では、防犯カメラだけでなく、外部に助けを呼べる機能を求めていることがわかりました。

前回は、「国崎流の理想のエレベーター」についてお話しました。

これまでもマンションのエレベーターについては、防犯面で注意する必要があることを数々アドバイスしてまいりました。
マンションのエレベーター防犯まとめ

マンションという住空間で、移動手段でありながら、密室化してしまうエレベーターは、やはり注意すべき場所であるということ、そして自分の住んでいる場所であるという油断からスキを招きやすいということ、これらを繰り返しお話して、注意喚起していきたいと思います。

エレベーターについて防犯上の不安を最も感じているのは20代前半の女性

「マンションのエレベーター」についてのマンション・ラボアンケートを拝見しましたところ、「マンションのエレベーターについて防犯上不安を感じている」と答えた方の中で、20〜24歳の年代の女性が一番多くいらっしゃいました。防犯面での不安の感じ方は、性別・年齢によっても異なります。

また、「マンションのエレベーターにどんな機能があれば、防犯上安心できるか?」という質問には、「防犯カメラ」という声が一番多くありました。

それでは、最新型の防犯カメラさえついていればいいのでしょうか?

防犯カメラさえあればいいのではない! 実際に何か起こったときの対処策を

エレベーター内の防犯カメラは、万一被害に遭ったときには何も対処できません。エレベーター内から、すぐさま外部に助けを呼べることが最も大切です。

防犯カメラは抑止力や検挙に役立つものの、被害に遭っている最中の対策として、ブザーやスピーカーに連動して誰かに助けを求めることができなければ、万全ではないのです。

実際アンケートでは、1位の「防犯カメラ」に次いで、「管理人や室内とモニター通話ができる」「防犯ブザーの搭載」「セキュリティ会社のオペレーターと通話ができる」という機能が求められています。これらはすべて、万一の際に、助けが呼べることを主眼としています。

マンションの防犯は、プライバシーとの間に位置するので、居住者の中でも意見がわかれるところですが、昨今は比較的防犯カメラへの拒否反応も少なくなってきました。

犯罪は増えていく一方で、検挙率は下がっています。今後はさらに安全を求める声が高まっていくのかもしれません。

これからもマンションのエレベーターに関して、調査と提言を行なっていきたいと思います。

扉が開くとすぐ乗る!すぐ降りる! その乗り方は間違いです

エレベーターの扉が開くとすぐさま乗り降りする方をよく見かけます。忙しい現代ではよくある光景ですが、もしそのエレベーターがきちんと正しい位置に着床していなかったら? かごと乗車口の間に大きな段差ができていたら?

2012年10月の業務用エレベーターに女性が挟まれた事故も、乗り込もうとした女性が、かごと乗車口とのずれでつまずいたことから死亡事故に至りました。かごに倒れ込んだ女性を載せたまま、エレベーターが上昇し、女性は乗車口の天井とかごの床面との間に挟まれてしまったのです。

「かごが開いたらすぐ乗る、すぐ降りる」ではなく、一呼吸置いてきちんとかごが着床しているか確認してから乗降する安全習慣を身につけましょう。このわずかな配慮が、未然に事故を防ぐことにつながります。

※写真はイメージです。

2013/05/17

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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