マンションのバルコニーでの喫煙が、訴訟問題や火事につながる!?

マンションのバルコニーでの喫煙は、上下階の住人への受動喫煙や、万が一の火災につながる可能性もあり、大きな問題に発展します。

この機会に、マンション共有部分であるベランダでの喫煙について考えてみましょう。

マンションのバルコニーでの喫煙に損害賠償の支払い命令

最近のニュースでマンションのバルコニーでの喫煙問題について判決が出ました。階下のバルコニーからの受動喫煙被害の損害賠償を求めた訴えは、被害者の精神的損害を認めて5万円の支払いを命じたというものでした。

マンションのバルコニーは、共有部分にあたります。管理規則・細則で、共有部分での火気厳禁や禁煙を明記しているマンションの場合には、バルコニーでの喫煙もその範疇にあたります。

とはいえ、喫煙者がマンションのバルコニーで、喫煙するのには理由があります。

・部屋で吸うとヤニの臭いがつく
・室内の壁紙が黄色くなる
・なにより家族への副流煙による健康被害を気遣っている
・子どもがタバコを誤飲するなどの事故防止のため

自分の家であっても、上記の理由で、室内の換気扇近くやバルコニーで吸っていたお父さんは、ベランダに見えるそのタバコの火種がまるで蛍のように見えたことから「蛍族(ほたるぞく)」と呼ばれました。この新語は、ちょうどオフィスや家庭での分煙運動が高まり始めた89年頃から使われました。

「蛍族」当時のマンションではまだ24時間換気という設備がありませんでしたが、近年のマンションでは24時間換気によって室外のタバコのニオイが室内に漂ったり、換気扇からタバコの煙が外に出るためバルコニーで吸っているのと同じように臭ったりします。

愛煙家の立場から考えた、マンションでのベストな喫煙方法とは?

マンションのバルコニーから落ちてきた吸い殻で火災が起きたら?

また、バルコニーの喫煙によって階下に吸い殻や灰が落ちてくるという事例も多いようです。もし燃えかすの吸い殻が、階下の洗濯物に落ちたりしたら、火災につながる可能性もあります。これはもう不注意では済まされません。マンションとして十分に考える必要があります。
吸い殻が原因?ホタル族は注意!ベランダ・バルコニーでの喫煙火災増加

マンションのバルコニーや換気扇での喫煙は、以下のような迷惑につながります。

・ 洗濯物にニオイが付着する
・ 24時間換気によって室内に煙やニオイが入ってくる
・ 窓から煙やニオイが入ってくる
・ 落ちた吸い殻による万一の火災の危険性

音・ニオイ・振動は、マンションの3大悩みです。バルコニーでの喫煙問題も、マンション住民の総意で解決していくしかありません。喫煙者の方も、他戸住戸に迷惑をかけていることを知らない場合もあるでしょう。

今後は、マンションの室内でもバルコニーでもタバコが吸えなくなった場合、交通機関やオフィスのように、マンションの廊下・エントランス・屋外の一部に、喫煙者のための喫煙スペースを設ける必要が出てくるかもしれません。集合住宅では、喫煙者・無喫煙者それぞれがよく話し合って解決できる接点を見いだすことが必要です。

マンションの管理規約・細則での記載の有無をいま一度確認して、その上でマンションの共有部分での喫煙について、皆さんで話し合える場を設けましょう。皆さんも、これを機会にぜひ考えてみてください。

※写真はイメージです。

2013/02/25

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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