マンションのエントランスで出会った人が居住者か不審者かわかりますか?

マンション・ラボで実施した「防犯に関するアンケート」の結果から、マンション居住者の方々の防犯意識の矛盾が目立ちました。今回はそのことについてアドバイスいたします。

マンション居住者の顔見知り数は、1~4人未満?

「Q1マンション居住者の中で、顔見知りの人は何人いますか?」という質問では、1位が1〜4人未満、2位が10人以上、3位が5人〜10人未満。かなりの人がマンション内で顔見知りがいない状況のようです。


理想としては、マンション全戸数の1割位の顔見知りがいてほしいところです。できれば、同じフロアは全戸の方と、さらに自分の住むフロアの上下階3階分の方と顔見知りになる、そういうお付き合いを意識的にしていきましょう。顔見知りが増えれば、不審者チェックにも役立ちますし、お互いに防犯・防災面で協力しあえます。

顔見知りを増やすために!挨拶や人の多い時間帯を選んで出かける

マンション内で顔見知りをつくるには、以下の記事を参考にしてください。
顔見知りの少ない人は、かなり意識的に行動しないと知り合いは増えません。

防犯とコミュニティの関係づくりは「つかずはなれず」から

また震災後は、マンション内や避難先に顔見知りがいないと不安だったという声も多く伺いました。
震災後はマンション内で顔見知りを持つなど、コミュニケーションを求める声が多数

定期総会やマンションのイベントへの積極的な出席

マンションで顔見知りを増やすには、普段からマンション内で挨拶するのはもちろん、定期総会や防災訓練などのイベントに参加すると良いでしょう。顔見知りの数が増えてきたら、さらに顔と名前が一致するようにし、その方がどこのフロアに住んでいるか知っている、といった情報が増えるように努力してください。居住者を知っていることが、外部の人と内部の人の区別、そして不審者の発見につながります。

マンション内の不審者侵入への不安が多い反面、思い込み判断が多い

マンション内で知らない人を見かけても不安にならない人が60%

「マンションの敷地やエントランスで知らない人を見かけると、不安になりますか?」という質問に対しては、60%の方が不安にならないと回答しています。

その理由として、「おそらく居住者だと思うから」が約70%、「不審者に見えないから」が約30%というものでした。Q1の回答で、マンションに顔見知りの数が非常に少なかったことから考えると、「居住者だろう」という思い込みで判断している方が多いようです。
一方、マンションの防犯で何か不安な点を伺った自由回答では、「オートロックだけでは信用できない」「誰でも出入り可能なのではないか」という内容が目立っていました。皆さん、オートロックがあったとしても、人の出入りを厳しく制限できるものではないということは理解されているようです。

絶対不審者を入れないためには、ハイテクビル並みの管理体制が必要?

では、マンションに不審者を絶対入れないようにするにはどうしたらいいのでしょう?

1.居住者以外で招き入れた場合には、自分の責任で出入りを管理。
2.集金・荷物の受け取りは、必ずエントランスで受け渡しを行う。
3.友人が訪問した際には、必ずエントランスまで迎えに行って帰りも送って見届ける。
4.エントランスを通過する人のチェックイン・チェックアウトを記録するシステムの導入。
5.エレベーターは居住者の専用ICカードを認識するシステムを導入。
6.エントランスから居室までマンション内に入った人を防犯カメラで追跡するシステムの導入。
7.エントランスに居住者全員の顔認証システムの導入。

セキュリティ徹底したハイテクビルならありそうですが、マンションではこんなことはなかなか徹底できませんね。
現実的なのは、やはり居住者同士が互いをよく知り、コミュニケーションを深め、マンションのコミュニティ力を高めることです。居住者の皆さんが防犯意識を持って、たとえばオートロックでは知らない人と一緒に入らないようにする、挨拶などで居住者同士の顔見知りを増やす、そんな小さなことの積み重ねが、確実な防犯につながるのです。

オートロックでも不審者侵入に注意!エントランスの防犯対策

オートロックのマンションも、狙われている?

2012/11/30

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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