[高齢者の防犯対策]家族の絆で振り込め詐欺を撃退!

マンションに暮らすご両親への振り込め詐欺対策は大丈夫ですか? 身内を騙(かた)る振り込め詐欺に遭わないために、親子でやっておきたい自衛策を今一度おさらいしましょう。

「振り込め詐欺多発警報」発令中にも関わらず、被害は急増

振り込め詐欺被害は、いまだ止まりません。今年になって事件が急増中の奈良市・大和高田市では、「振り込め詐欺多発警報」発令中にも関わらず、さらに二人の高齢者が合計300万円もだまし取られました。被害者の一人は、詐欺に気付いて口座を凍結したためお金を引き落とされることはありませんでしたが、子どもを騙る犯人からの「携帯をスマートフォンに変えたから電話番号が変わった」という手口で騙されたました。
子どもを思う親の愛情につけこんだ卑劣な犯罪は、決して許すことのできないものです。家族はもちろん、地域社会ぐるみでこの犯罪を阻止していかなくてはなりません。特に、「自分は大丈夫だ」と思い込んでいる高齢のご両親に対してできることを、対策の基本に立ち返って考えてみましょう。

高齢者に対しての振り込め詐欺は、架空請求や還付金詐欺など、複雑に巧妙化しています。ここでは、最も多い手口であるオレオレ詐欺について取り上げます。

「オレオレ詐欺」の多様な手口、電話番号変更を知らせる基本パターン

交通事故の示談、会社のリストラ、不況、時代のニュースを読んだ手口

オレオレ詐欺は、身内になりすまして電話して金銭を振り込むように要求する代表的な手口です。警察庁の平成21年警察白書「特集 日常生活を脅かす犯罪への取組み」を読むと、金銭要求の名目は、社会の動きにあわせて時代毎にうまく変遷しているのがよくわかります。

平成16年には交通事故示談金の名目が多く、不況の平成20年には「会社のお金を使い込んでいたことが見付かったので、至急お金を返さなければならない」といった会社でのトラブル・横領などの補てん金名目、「サラ金から借りたお金の返済を強く求められていてお金が必要だ」といったサラ金等借金返済名目などが多く用いられています。

一度目は「携帯の電話番号が変わった」、二度目は金銭要求

奈良市・大和高田市の犯行のように、一度目は「携帯の電話番号が変わった」といって、犯人の電話番号を伝えてくる手口が多くあります。新しい番号を教えられた被害者は、二度目の電話以降、相手が子どもだと信じているため、金銭要求に応じてしまいます。逆に、子どもから「携帯の電話番号を変えた」という連絡が来たら、まず疑ってかかるくらいの心構えでいる方がよいでしょう。

合い言葉や暗号、日頃から家族で話し合って行える自衛策

オレオレ詐欺に対抗するには、日頃から親子のコミュニケーションを密にしておくことが大前提ですが、その他にいくつか対策があります。

在宅中でも留守番電話をセット、知らない番号からの電話にはでない

一番よい方法は、知らない電話番号からの電話には出ないということです。ナンバーディスプレイ機能のついた留守番電話であれば、あらかじめ登録した身内の電話番号は表示されます。

家族にしかわからない暗号や合い言葉を決めておく。

昔飼っていたペットの名前でも、好きな食べ物でも何でもよいので、家族以外に知り得ない暗号や合い言葉を事前に決めておきましょう。怪しい電話だと思ったときには、合い言葉や暗号で確認します。

日頃、振り込め詐欺の最近手口を話し合っておく。たまにチェックする。

ニュースでよく聞く詐欺の手口を親子で話し合い、相手がこういうことを言ってきたらその電話を疑うなど、家族で話し合っておきます。もし「自分は大丈夫」と過信されている様子が見られたら、たとえば「いつか詐欺の振りをして電話をかけてみてもいい?」などと了解を得たうえで、日を改めて電話をかけて試してみるのもひとつの方法です。

普段からテレビ電話を利用して家族のコミュニケーションを

対応機種にもよりますが、携帯電話のテレビ電話機能を使って、顔を見て電話する習慣をつけておくと、いざというときにも安心です。住まいが近くても遠くても、顔を見て話すのは親孝行になります。テレビ電話だけでなく、普段から電話のやりとりを頻繁にしておきたいですね。

振り込め詐欺防止!テレビ電話を活用してますか?

あなたの携帯電話にはテレビ電話機能がありますか? 日頃からご両親とテレビ電話で顔を見て話す習慣があれば、振り込め詐欺の抑止にもつながります。多少通話料は高くなりますが、通話中にテレビ電話に切り替えることもできます。ここではドコモのテレビ電話ページをご紹介しましたが、キャリアによって、方法や通話料金は異なります。ご契約の携帯電話会社で一度確認しましょう。親子で、同じキャリア・同じ機種の携帯電話に揃えておくのもよいですね。

NTTdocomo:テレビ電話

金融機関に預けているお金には、引き出し制限金額を設定しておく

被害者が振り込め詐欺に遭ってお金を振り込んだ際に、不審に思った金融機関が「定期預金を短期間で大量に解約している利用者がいる」と警察に通報したことで、犯罪が発覚した事例もあります。
まず、やっておきたいのは、取引先の金融機関で、大きなお金は定期預金でまとめておく、引き出し制限金額を設定するといった防御策です。

振り込め詐欺防止対策のホームページを活用しましょう!

警察庁や各自治体のホームページでも振り込め詐欺対策を行っています。ご家族で一緒に見ておくことをおすすめします。

警察庁「振り込め詐欺対策HP」
振り込め詐欺の手口や相談窓口、専用メールアドレスの案内があります。


振り込め詐欺は、親子のコミュニケーションを密にして、「何かおかしい」と思ったらいつでも誰かに相談出来るような受け皿づくりを行うことで未然に防げます。近くに暮らしていても、離れて暮らしていても、家族で頻繁に連絡を取り合って、大切な財産を守ってあげてください。

東日本大震災に便乗した義援金詐欺や悪質商法への対策もあわせてご覧ください。
義援金詐欺の手口、騙されないためのチェックポイント

※ 写真はイメージです。

2012/06/14

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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