オートロックのマンションも、狙われている?

マンションは、戸建てに比べると総合的なセキュリティー対策が講じられており、防犯対策については安心できる面が多いですね。ただこのマンションのセキュリティー対策が充実していればいるほど、居住者が安心しすぎて、防犯意識が低くなりがちです。

「オートロックがあるマンションだから安心。」
「上層階だから泥棒に入られる心配はない。」
「このマンションで被害に遭った例は聞いたことがない。」

こんな風に、自分のマンションの安全を過信しすぎていませんか?その意識が狙われるスキをつくっているのです。マンションであっても、防犯対策を意識することが大切です。特に小さな子どものいる家庭では、心配しすぎていけないことはありません。

身近な危険から子どもを守るために

私が防犯に取り組むようになったのも、じぶんの子どもと変わらない年齢の子どもが狙われるといった大きな事件がきっかけでした。 身近な危険から子どもを守るために不審者対策にも研究の幅を広げ、 さらには子どもをとりまく環境についての研究も深め、広く「いのちをまもる」ための活動に取り組んでいます。

マンションの侵入経路は、「窓から」がトップ。

侵入犯罪と呼ばれる犯罪のうちでも侵入強盗は、身体に危害を加えられるおそれもあることから、最も注意が必要です。来日外国人による検挙数も増加していることが気がかりです。

警察庁の「平成22年上半期の犯罪情勢」統計(http://www.npa.go.jp/toukei/seianki/h22hanzaizyousei.pdfを見てみましょう。

平成22年上半期の侵入犯罪の中でも一般に泥棒と呼ばれる「侵入窃盗」の発生場所別認知件数では、住宅が57.2%で、そのうち、一戸建住宅37.0%、4階建以上の共同住宅5.7%、3階建以下の共同住宅14.4%となっています。

泥棒被害は、戸建てに比べて共同住宅の被害は少ないとはいえ、やはり危険性はゼロとはいえません。

(出典:警察庁 平成22年上半期の犯罪情勢統計)

グラフを見てもわかるように、共同住宅での侵入窃盗は、1位窓、2位表玄関の侵入経路が圧倒的です。いいかえれば、この2点の侵入経路の防犯対策をしっかり行うことで未然に犯罪が防げるのです。

侵入されやすい条件のチェックポイント。

こうした侵入被害に遭わないためにも、マンションに侵入されやすい条件が揃っていないか、10のチェックポイントで確認してみましょう。

  1. 非常階段の出入口、自転車通用口、正面玄関以外の出入り口など建物に通じるドアの施錠状況
  2. 塀や非常階段の柵などが、乗り越えて侵入できる高さでないか
  3. 1および2の場所が死角になっていないか
  4. 近くに駅や交通量の多い道路があって少々音がしても気づきにくい立地でないか
  5. 日中や夜間など人気がパタリとなくなる時間帯がないか
  6. 近隣のマンションから双眼鏡で覗かれる心配がないか
  7. マンション居住者以外の人を区別できるようなコミュニティ(付き合い)があるか
  8. バルコニーや玄関が通りに面していて外からの見通しがよいか
  9. ごみの集積場、駐輪場がいつでもきれいな状態であるか
  10. 敷地の周りに停まっている車に関心をはらっているか

いかがでしょうか。防犯の視点でマンションを確認すれば、案外気になることが出てくるかもしれません。気になることがあれば早期に、管理組合や管理会社に相談して対策を取ることが大切です。

侵入者は必ず犯行の前に下見をします。侵入のしやすさ、人の目、死角や見通し、逃げやすさなどを確認します。さまざまな時間帯や居住者の行動から侵入する時間、狙う部屋を決めるのです。マンションは隣戸とつながっていることから、バルコニーをつたって連続して侵入されることもあります。

泥棒にとっては「マンションは一回で効率よく稼げる」と思われていることを忘れずに、しっかりと自分のマンションの防犯対策を確認することが大切です。

2011/02/14

プロフィール

国崎 信江

危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表。女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。文部科学省地震調査研究推進本部政策委員、防災科学技術委員などを務める。講演活動を中心にテレビや新聞など各メディアでも情報提供を行っているほか、被災地域で継続的な支援活動も行っている。

おもな著書に『大地震対策 あなたと家族を守る安全ガイド : ビジュアル版』(法研)、『震度7から家族を守る家: 防災・減災ハンドブック』(潮出版社)、『マンション・地震に備えた暮らし方 (地震防災の教科書)』(つなぐネットコミュニケーションズ)などがある。


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