[アメリカ・シアトルのマンションライフ] さすがIT先進地。マンション住民はネットで会話

(C) Shutterstock

シアトルってどんな街?

シアトルは、アメリカ北西部で最大の都市です。ワシントン州の州都でもありますが、首都ワシントンとはまったく別の場所なんです。北はカナダ、南はオレゴン州に隣接しています。シアトルはユニオン湖やワシントン湖、カスケード山脈など、豊かな自然に恵まれていて、その美しさから、“エメラルド・シティ”ともいわれているんですよ。

北にある街だから寒いと思われがちですが、気温が氷点下になるのは年に数回ほどで、雪はほとんど降りません。その一方で、シアトルは別名、“レイン・シティ”とよばれるほど年間を通じて雨の降る日が多いんです。でもこの街の雨は、東南アジアや南米のようなスコールではなく、霧雨や小雨が一時的に降る程度。ですから、年間降雨量は東京より少ないくらいです。

さて、シアトルと聞くと、多くの人はかつてイチローが活躍したシアトル・マリナーズやスターバックス・コーヒーを想像するのではありませんか? そのほかにも、シアトルは世界的に有名な企業が集まっていることでも有名です。マイクロソフト、アマゾンドットコム、近年日本にも続々と出店を進めているコストコなどがシアトルの地元企業。さらに長い間、航空・宇宙産業のボーイング社の本拠地でもありました。こうした企業とともに街は発展してきました。

シアトル・マリナーズのホームスタジアム、「セーフコ・フィールド」。湿った気候と天然芝の長さから、ヒットを打ちにくい球場といわれる。(C) Shutterstock

1971年にシアトルで開業したスターバックス。ほかの店舗と異なり、シアトルにある一号店は今も開業当時のロゴを使用している。

特筆すべきは、こうした大企業のリーダーがこの街をつくってきたという点。たとえば、マイクロソフトのビル・ゲイツやポール・アレンは、街のインフラ事業に莫大な寄付しているんですよ。実際、こうした最先端の大企業が、この街に多くの雇用を生み出しているといえるでしょう。

シアトル旧市街地のダウンタウンは、シアトルサイドといわれる西側と、レイク・ワシントンとよばれる東側からなります。西側に足を踏み入れると、最初に目に入るのがシンボルタワーの「スペースニードル」です。スペースニードルは、1962年に開催された万国博覧会のときに建てられました。最上階のレストランは回転式となっていて、およそ1時間かけて市内360度を見回すことができます。

マンション、お宅拝見!

それでは私のマンションを紹介しましょう。私たち家族が暮らすのは、シアトルの中心地から、クルマで20分ほどの距離に位置する20階建てのマンションの12階です。見晴らしがよく、リビングからスペースニードルがみえる点が、購入の決め手となりました。間取りはリビングダイニング、キッチンがひとつに、ベッドルームが2つで、広さは100㎡ほどです。

スタイリッシュな外壁が際だつマンションの外観。

最近建った物件なので、共用設備は充実していますね。シアトルでは、中古マンションを買ってリフォームして住む人が多いです。でも、私はそうした手間が面倒でしたので、当初から築浅物件を探していた結果、この新築マンションにたどり着きました。

バスルームのシャワーカーテンは奥さんのお気に入り。

リビングルーム。週末は夫婦でワインを飲むのが楽しみ。

すべての部屋は高速Wi-Fiに対応しているため、私は快適なネットライフを楽しんでいます。また、マンション内にはフィットネスセンターがあります。体を動かしたいと思ったときには週末だけでなく、早朝も利用しています。ここで顔なじみとなった住民同士で週末に集まり、ランチをともにすることもあるんですよ。

マンションの中庭。週末には住民が食材を持ち寄ってバーベキューをすることもあるという。

シアトルのマンション事情

アメリカ人の多くは、ウォーターフロント近郊にあるマンションを欲しがります。需要と供給の原則が働くので、ほかの地域よりも物件価格は高くなるのは仕方ないですね。シアトルだと、90号線と520号線の2つの橋の間にあるマンションがとくに高価です。

サブプライムローン問題後、アメリカ全体でみると不動産価格は大きく下がったのですが、シアトルの住宅価格は上昇傾向にあります。その訳は世界的企業の本社があることや、全米屈指の大学であるワシントン大学をはじめ、充実した教育環境が整っていること、人口の増加ではないでしょうか。マンションの平均価格は4,000~5,000万円前後。ワシントン州全体では3,000万円前後といわれていますから、価格がずいぶん高いのは間違いないでしょう。築5年~10年の中古住宅の物件でも、価格は新築物件と比べてさほど安くなりません。

一般なマンションの間取りは1ベッドルーム(リビングと寝室)、あるいは2ベッドルーム(リビングと寝室2つ)です。子どもがいる家庭は、後者ですね。都市部は土地が限られているため高層マンションが多いです。郊外では低層のマンションが一般的です。

アメリカのほとんどの州がそうであるように、シアトルでもマンションを購入する際は、エージェントに依頼します。とくにワシントン州で活躍するエージェントは、「MLS(Multiple Listing Services)」という不動産協会に加入していますから、市場に出回っているすべての物件の情報が共有されています。したがって、何人ものエージェントに依頼する必要はありません。ただし、物件選びの快適さは人次第の面があります。なにかあったときのサポートや交渉力や判断力などは人によって異なるため、エージェントの見極めは必須といえます。

シアトルのマンションにはプールやジムのほか、バスケットコート、ビリヤード場などが設置されているところも多くありますから、細かな要望をエージェントに伝えるのが、物件選びのコツといえるでしょう。

高級マンションにはプールがついていることも多い。

最近では、住民専用のホームページを開設するマンションもみられます。ネットが住民同士の交流の場になっているんですよ。パーティの打ち合わせはもちろん、ジムの待ち合わせなど、さまざまな会話がネット上で行われています。もちろん、荷物の配達記録や部屋の修理もサイトを通じて確認・依頼することができます。まさにIT先進都市・シアトルを物語っているのではないでしょうか。

住民同士のコミュニケーションの場ともなっているトレーニングジム。

【ライター】ロバート・ウィリアム
シアトル生まれ。広告代理店に勤める。妻、息子2人と暮らしている。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。一部、見にくい写真もあるかと存じますが、ご理解・ご了承のほどお願いいたします。

2015/06/18