[ロシア連邦・ウラジオストクのマンションライフ] “極東のサンフランシスコ”は中古マンションが大人気

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ウラジオストクってどんな街?

ロシアは世界で一番広い国だというのは多くの方がご存じだと思います。私の住むウラジオストクは、その極東部に位置している国内最大級の湾岸都市です。街の名は“東を征服せよ”という勇ましい意味。旧ソ連時代は軍港だったので、ごく限られた人しか入れない閉鎖都市でした。しかし1992年のソ連崩壊以降、ウラジオストクは対外開放され、現在では韓国や中国などからたくさんの観光客が訪れています。そんなことで、私も仕事でこの街に移り住むことになったんです。

ウラジオストクにある「金角湾」。沿岸には埠頭や造船所が並ぶ。ロシア艦隊の姿は圧巻。(C) Shutterstock

この街は坂が多いことから“極東のサンフランシスコ”ともよばれています。街の中心部にはアールデコ調の洋館が多く残っていて、どこかヨーロッパ的な雰囲気。これらの洋館は19世紀末から20世紀初頭にかけて東方貿易の商人たちが建てたものです。

古代ロシアの宮殿をイメージした「ウラジオストク駅」。シベリア鉄道の始発駅となっている。(C) Shutterstock

繁華街にある「スヴェトランスカヤストリート」。寒くてもロシアの女性はおしゃれ心を忘れない。(C) Shutterstock

マンション、お宅拝見!

マンションは6階建て。4月から8月の暖かい時期はマンション周辺の自然のなかで思いっきり遊びまわる子どもの姿がみられる。

私が暮らしているマンションは、ウラジオストクの海沿いに建っています。ウラジオストクといったらやはり、海です。ベランダやバルコニーはついていませんが、窓からみえる景色は最高ですよ。

間取りはリビング、ダイニングキッチン、ベッドルーム、バスルームが1部屋ずつと、使っていない部屋が1つあります。来年結婚するので、未来の子ども部屋にする予定です。部屋のインテリアは私と婚約者で考えました。私はリビング、婚約者はキッチンを担当。それぞれ自分の好みに仕上げました。

まだ結婚前なので、いまは私ひとりで住んでいます。ひとりだとこの間取りは広すぎ。じつはダイニングキッチンだけでほとんど足りてしまうんです(笑)。さすがに寝るのはベッドルームですが……。

愛らしいダイニングキッチン。普段はこの部屋で過ごしているのだとか。テレビがないのが不便だそう。

こちらが本来のリビング。リッチな雰囲気だがほとんど来客専用になっている。

ウラジオストクの夏の平均気温は25度ですが、1月の平均気温はなんと零下14度にもなります。そこで、色調を暖色系にして暖かみのある部屋にしています。暖房設備はマンション全体をボイラーで暖かくする「セントラルヒーティング方式」なので、マンションに一歩足を踏み入れると外の寒さが嘘のようです。また、窓は二重になっていて、冬の冷たいすきま風を防いでくれます。

バスルームは黒をベースにして高級感をもたせている。

ロシア国内のインターネット環境はここ数年で格段によくなっています。ウラジオストクでは街のいたるところに無料Wi-Fiスポットがあるんですよ。ただ、私は仕事柄移動が多いので無線モデムを持ち歩いています。

シンプルで落ち着きのある寝室。

ウラジオストクのマンション事情

ウラジオストクでは、ほとんどの人がマンションで暮らしています。人気は中古物件です。新築マンションの場合、内装や設備が完備されていないことが多いからです。そもそもロシアで住宅やマンションの個人所有が認められたのは1990年代になってから。それまで建物はほぼ国有もしくは公有で、個人所有は極力制限されてきました。90年代以降、不動産業は発達してきましたが、法整備が追いついていません。そのため、賃貸だと家主の意向がそのまま通りがちなんです。ですから、賃貸マンションはあまり人気がありません。

ペットに関しては、ネコとイヌが人気のようです。住まいの事情から小型犬を飼う人が多いと思います。でも、近年はちょっとしたイヌブームで、闘犬のようなイヌを飼う人も増えていますね。道ですれ違うと、思わず圧倒されてしまいます(笑)。

マンションの住民同士はけっこう仲良くやっています。私と同世代の住民が多いのですが、なかには老夫婦だけの世帯もあります。困ったことにウラジオストクでは、パイプの老朽化や季節などさまざまな理由によって断水が頻繁に起こるので、水が不足します。生活用水は水が出るときにバスタブに貯めておけばいいのですが問題は飲料水。給水車から水をくんだポリタンクはとにかく重いんです。運ぶのは成人男性でもひと苦労。老夫婦にはとても持てません。そんなときは、隣人や気がついた人が老夫婦の家まで運んであげるんですよ。

【ライター】アイザック・ピョートル
ウラジオストク市内の日系商社勤務。モスクワに住む婚約者と来年8月に結婚予定。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。一部、見にくい写真もあるかと存じますが、ご理解・ご了承のほどお願いいたします。

2015/06/18