ミサイル基地がマンションに変身!地中に埋まったミサイルマンションとは?

絶対的な安全と快適さを両立したサバイバル・コンドの実態は

何が起きても壊れない扉に守られているサバイバル・コンドの入り口。

内部には車ごとアクセス可能で、内側は駐車スペースになっている。

いよいよ「サバイバル・コンド」のなかへと入ってみよう。入り口にはミサイル基地を改築しただけあって、重々しい扉が待ちかまえている。前にも触れたように、この扉は、万が一付近で爆発があっても十分耐えられる強度を誇るものだ。

地下の居住区へとつづく階段。薄暗いこの傾斜の先に明るく広々とした空間が広がる。

生体認証システムを使用し、扉のなかに入る。居住スペースには、入り口から階段もしくはエレベーターを使って降りていく。徹底的にリノベーションを行ったため、内部にいると、元軍事施設であるということは感じられない。

地上にもっとも近い地下1階から3階までは、制御室だ。緊急時には、住民の誰もが施設の操作や管理を行うことができるように、オペレーションは単純かつ自働化されているのが特徴となっている。

3~6人用の居室だというハーフユニット・フロアの間取り図。1フロアは2部屋に分かれる。

フルユニット・フロアの間取り図。ハーフに比べてゆとりを感じる間取りが特徴。

さらにその下の地下4階から10階が居住フロア。部屋は2タイプ用意され、その1つは広さ約170㎡の6~10人用のフル・フロア。もう一方は3~5人用につくられた約83㎡の広さのハーフ・フロアだ。
すべての部屋の内装は、モダンテイストに統一され、全居室家具つきだ。

各ユニットには家具が備えつけられており、着の身着のまま逃げ込んできても快適な生活が約束されている。

それぞれのユニットには50インチのLEDテレビが備えつけられている。毎日同じ風景で退屈しないように、窓を模したディスプレイにはさまざまな景色の映像が流れる。

もちろんそれぞれの居室だけではなく、共用部や施設も非常に充実している。まず、インターネット環境。高速光ファイバーのネットワークが完備されており、地下にいても世界中の情報にアクセスできる。雑貨店やシアタールーム、プール・スパ、ジムなどのトレーニング施設、図書館に加えバーやラウンジなども完備され、地上にある高級マンションにも引けをとらない環境が整っているのである。

共用部のクライミング用の壁

ジムでは外に出られなくても身体を動かすことができ、いつでもリフレッシュ可能だ。

最大の特徴であるサバイバル設備を紹介

一般的な設備だけでもかなりハイグレードなマンションにみえるが、このマンションのメリットはそれだけではない。サバイバル設備の充実こそ、「サバイバル・コンド」とよばれる理由であり、この大きな特徴。単純にいえば、70人を5年以上養えるように設備や備蓄が整えられているのだ。

まずは食料。各住居には、フリーズドライと乾燥されたサバイバル保存食が配給される。これらは特別な無酸素容器に入っているため20年以上貯蔵しておくことができる。

また、空気はいつでもクリーンなものが供給されるようになっている。特殊なフィルターなどで浄化し、さらに危険物が入り込まないように核磁気共鳴装置でチェックされた空気がマンション内を満たしている。自然の空気の取り入れ口や科学的なフィルターは爆発弁で保護されているため、ガス爆弾などで空気が汚染されたとしても内部に一切影響はない。

また、長期間地下にこもると考えたとき、一番の心配は水だろう。この点に関しては、サバイバル・コンドには複数の水源が用意されている。高度な浄化システムを備えた水道とリザーバーシステムで安全に水を使用することができるのだ。
もちろん電源も万全。ローカル電気システム、ディーゼル発生器、そして風力タービンの3つを確保して、何があってもトラブルがないように万全を期している。

共用部には、学習室や図書館も備わっており、最新のITシステムで外部の情報とのアクセスも思いのまま。

万が一の際に逃げ込む場所として購入する人がほとんど

画期的なマンションであることを熱く語ってくれたホール氏。

このように完璧なサバイバル設備をもつマンションを購入するのはどのような人たちなのだろう。

ホールさん:「購入者の大半は、いわゆる富裕層とよばれる方々です。このコンドを購入する際に、銀行が融資してくれることはほとんど期待できませんから、実際の購入者は現金ですぐに支払える人がほとんどでした。つまりそういった層が多くなることは避けられないのです。

もちろん、購入すればいつでもコンドを利用することができますが、みなさんやはり大災害や戦争が起きた際の避難シェルターとして活用することを考えているようです。常時ここに住居を移される方はいらっしゃいません。

ただし、実際に内覧していただいたときにも、ここなら何が起きても安全に、しかも快適に過ごせる気がすると大変満足していただいてます」

大災害や戦争などは起きないことが望ましい。しかし、万が一に備えてこのような施設があることは、日常生活に安心感を与えることは間違いない。このプロジェクトは、全体としてはまだ現在発展形。完了したあかつきには文字通り現代的な高級感漂う要塞になるだろう。それが、サバイバル・コンドなのだ。

※取材・撮影協力、図版提供:Luxury Survival Condo
※掲載情報は原稿作製時のものです。

2015/06/18