[アイスランド・レイキャビクのマンションライフ] 街もマンションもこじんまり。一軒家のような共同住宅を拝見

レイキャビクってどんな街?

“世界的に有名な都市”といえば、ニューヨークやパリといった名前が思い浮かぶと思います。そんななかでは、レイキャビクと聞いてもピンとこないかもしれませんね。でもこの街は、アイスランドの首都なのです。

街は喫茶店やレストランなど、さまざまな建物がある。外観デザインを見ているだけでも、おしゃれな気分になれる。

みなさんは、そもそもアイスランドがどこにあるかご存じですか? 地理的には北ヨーロッパの大西洋上、グリーンランドの斜め南にある島国。その首都であるレイキャビクの人口は、およそ11万人。近郊まで含めても18万人ほどです。それでもアイルランド人のおよそ6割はここに住んでいます。エッフェル塔のような誰もが知っているランドマークはありませんが、“見物”は決して少なくないと思っています。

例えば、市内の丘の上にある「ハットルグリムス教会」。高さは74.5mあり、アイスランドでもっとも高い建造物なんです。エレベーターで最上階まで上れば、展望台からレイキャビクの街全体を眺めることができます。街が面しているファクサ湾の沖合のヴィーズエイ島は、「イマジン・ピース・タワー」とよばれる光の塔が置かれていることで知られています。

「ハットルグリムス教会」。500ISK払えばエレベーターで最上階まで登ることができる。(C) Shutterstock

「イマジン・ピース・タワー」から世界に向けて発射される光。遠くから光を見ると、天空まで光が届いているかのようだ。(C) Shutterstock

これは“平和でクリーンな世界最北の首都から、世界へ平和の光を”というコンセプトのもと、ジョン・レノンの妻であるオノ・ヨーコが中心となってつくったモニュメントです。光が発射されるのは、ジョンの誕生日である10月9日から12月8日までの期間と、大晦日です。

レイキャビクは極北の首都ですから、市内にいてもオーロラが見られます。シーズンは8月下旬から4月中旬ぐらいまで。天気は快晴で、気温がかなり低くなった夜に出現するので、オーロラ見物なら世界一の場所ではないでしょうか。

それと、アイスランドの治安はとてもいいですよ。アイスランドは完全非武装国家ですから、市内で観光するときでも危険な目にあうことはほとんどありません!

定期的に空を見るようにしていれば、オーロラに出会えるはず。(C) Shutterstock

マンション、お宅拝見!

ここで、私たち夫婦が住んでいるマンションをご案内しましょう。場所はシンホルト通りにあります。周辺を少し歩けば喫茶店やレストランなどいろいろあるので、生活に困るといったことはありません。

外観は、住宅街にある一軒家に見えるかもしれませんね。でも市内では、このように小さな共同住宅が当たり前なんです。

一軒家のように見えるが、この街では立派な共同住宅だ。

街中で多くみかける建物の外観デザインは、どれもおしゃれでカラフル。私たち夫婦も、自宅の色は大好きです。このマンションを購入した決め手は、夫婦2人暮らしに合った部屋の数だったことと、内装がシンプルでスマートな生活ができそうだったからですね。

リビングの壁は緑を基調としていて、家具や飾っている絵の色とコントラストをつけています。いかにも北欧らしくて素敵だと思いませんか? 居心地も良いし、なんといっても疲れた状態で帰宅したときに、自然と気分が落ち着いてくるのがいいですね。

アイスランドのマンションやホテルでは、壁に絵やテレビが飾られている。家具も含めデザインは北欧らしくお洒落。

キッチンの窓際にはテーブルを置いています。料理ができたら、すぐに食べたいですからね。食べ終わったあと、すぐ食器を洗えるから楽チンですよ。そうそう、この国の建物は、とにかく窓が多いんです。部屋に日光をたっぷり取り入れるためです。寝室にも窓があり、窓から差し込む朝日で気持ち良く目覚められます。

シンプルなキッチンの収納はグリーンがベース。リビングの壁色と同じ雰囲気の空間となっている。

アイスランドの建物は窓が多い。寒い冬に応えるため、強い日差しを取り込んで、室温を下げないようにしている。

レイキャビクのマンション事情

アイスランド人は家を買っては売却する……といった感じで、住まいをよく買い替えます。とくに都会では、家を購入したら一生ものという考えはほとんどありません。賃貸住宅を住み替えるように家を買い替えるのが普通です。

レイキャビクの街中に並ぶちょっと大きな一軒家は、ほとんどが分譲の共同住宅です。ひとつの建物を分けあうように2家族以上で共生するのが一般的です。外国の方などには驚かれることが多いですね。実際、私の部屋の売主は、この家全体の持ち主。いまも同じ家に住んでいます。その人が管理人もされているんですよ。このような話をすると、なんだか田舎町のように思われるかもしれませんが、ここではあたり前のことなんです。

レイキャビクのインターネット普及率はなかなかのものです。インターネット専用カフェは市内にたくさんありますし、国内のどんな小さな街の図書館でもインターネット対応は当たり前。Wi-Fiが使えるところは“Hot Spot”(ホットスポット)と呼ばれています。“Hot Spot”のロゴマークがある店は市内にたくさんあるので、コーヒーを頼んで席に座りさえすれば自由にインターネットを楽しめますよ。ですから街中でインターネットが使えない所はほとんどありません。ただし、住宅の場合は別。小規模住宅が多いため、ネット環境はそれぞれですね。うちは管理人さんがずいぶん前に無線LANを導入していたので、入居したときから使い放題です。

アイスランドでは、共同住宅で勝手にペットを飼うことは法律で禁止されています。ただし、居住者会に申請すればいいので、うちの管理人さんはネコを何匹も飼っています。

私のマンションは小さいので、これといった共用施設はありません。アイスランドは車社会なので、車は道路に自由に停められます。マンション前の道路に車を停められるように、管理人さんたちとスペースを分け合っています。アイスランドには電車や地下鉄がないので、どこに行くにも車やバス。郊外へ行くのも、車なら30分かかりません。これは、小さな街ならではのいい点だと思っています。こぢんまりとしていて、不自由のない生活が送れるのが、レイキャビクの特徴なんです。

これより先は歩行者のみ通行可能という意味。自転車のオブジェがゲートになっている。わかりやすくて面白い。

【ライター】ヘイザル・ラクスネス
大学卒業後、インテリア系の企業に就職。そこで知り合った同僚の女性と交際するようになり、結婚した。仕事は現在も続けている。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。一部、見にくい写真もあるかと存じますが、ご理解・ご了承のほどお願いいたします。

2015/02/09