[インド・ニューデリーのマンションライフ] 摂氏40℃にもなるニューデリー。マンションも暑さ対策必須

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ニューデリーってどんな街?

ニューデリーはインドの首都です。みなさんはニューデリーと対比してオールドデリーと呼ばれる地区のことをご存じでしょうか? もともとこの辺りにはデリーという街しかありませんでした。

ところがイギリス統治時代、デリーから南方およそ5kmの場所に新しく街が建設されました。その街は「ニューデリー」と名づけられ、ムンバイに代わってインドの首都になりました。同時に以前からあったデリーは、「オールドデリー」とよばれるようになったのです。ですから現在、デリーといったら新旧デリーを含む大都市圏を指し、そのなかでもニューデリーは中枢としての役割をもつ街となっています。

ニューデリーは新しい街ですから、歴史的な宮殿や寺院などはあまりありません。インドらしい雑然とした街並みのなかに、コロニアル風(イギリス植民地様式)の建物が数多く建っています。一方で、ニューデリーから一歩外に出れば、「タージ・マハル」や「フマーユーン廟」など、インドが誇る歴史的世界遺産の数々を目にすることができます。

デリー南部にある「ロータス寺院」。その名前のとおり巨大なハスの花をかたどっている。夜のライトアップは幻想的。(C) Shutterstock

ニューデリーの中心部は、規制のために高層建築物をつくることができません。今回紹介する私の住むマンションも5階建てです。そもそもニューデリーでは、高層階や最上階は不人気で、私のマンションでも最上階は低価格。なにしろ5~6月には気温が摂氏40℃にもなるので、最上階だと直射日光の熱が部屋のなかにこもって、とんでもない暑さになるのですから!

地下鉄網が発達しているニューデリー。デリー・メトロと呼ばれ、総延長は約190kmにもおよぶ。写真はニューデリー駅。(C) Shutterstock

マンション、お宅拝見!

部屋のなかは広いリビングルームを中心に、それぞれの部屋が廊下を介さずに直接つながっています。こうした間取りは、ニューデリーのマンションの特徴だと思います。広さは200㎡くらいが平均で、私の家は182㎡です。

「築年数」はニューデリーでマンションを選ぶときの重要なポイント。年数が経ちすぎていると、いろいろな箇所(とくに水回り)に不備が出ることがあるからです。かといって新築のマンションでは、住んでみないと分からない建物の欠陥が次々と出てくることがあり、敬遠されがち。

その点、多少の年数が経ったマンションなら、購入する前に住人から建物の具合を聞いて判断することができます。それでも入居後、不具合に気づくこともありますが……。とはいえ、入居後のリノベーションは割合自由なので、不具合を直したり、自分好みの部屋に改造したりすることも可能です。

今回紹介するマンションの外観。ニューデリーでは4~5階建てが一般的で、ワンフロアに1世帯のみ居住する構造が多い。

リビングをはじめとした各部屋では、とにかく涼しさが優先される。遮光カーテンは必需品。

床はフローリングか大理石が多い。夏場はひんやりするが、冬場の気温は摂氏0℃まで下がることもあるので、こごえるような冷たさになることも。

メインのベッドルーム。大きな換気扇とエアコンは必須アイテムといえるだろう

エアコンの室外機はまとめて置かれている。日本メーカーのエアコンはインドでも大人気。

なぜか玄関ドアはやたらと大きい。大人2人が同時に通れるほど。

ニューデリーのマンション事情

ニューデリーの一定レベル以上のマンションでは、敷地内にマンション専用の発電機が設置されています。インドは停電がとても多いので、発電機は快適な暮らしのために欠かせないんです。暑い盛りの停電でエアコンが使えないのは大変ですからね。

敷地の隅に置かれている発電機。警備をしっかりしていないと、発電した電気が盗まれてしまうことがある。

マンションには、住人による管理組合はありません。その代わり、管理会社に毎年管理費を支払い、マンション全体のメンテナンスをしてもらっています。電気・ガス・水道が故障したとき、すぐに修復されるのがマンションで暮らす大きなメリット。それぞれ信頼のおける専任修理業者がいるんです。敷地内の掃除も管理会社が手配した人が定期的にやってくれます

インターネット環境はまだまだ発展途上です。一部のお店や建物などでは無線LANが使えますが、マンションの部屋では速度が急に遅くなったり、途中で接続が切れてしまうことも少なくありません。でも、あと数年もすればインフラが整備されて快適になると思います。

小さな爬虫類が部屋のなかに現れるのは日常茶飯事。

敷地内の庭園は、とくに共用部と決めている訳ではありませんが、マンション住民なら出入り自由です。また、屋上部分は日当たりが一番よいので、みんなの洗濯物干し場になっています。みんな気軽に声をかけあうので、こういった場所は住民同士のコミュニケーションスペースといえるでしょう。

各戸の玄関の前には、少し大きめの郵便受けがあり、集合ポストはありません。ペット事情についてお話しすると、ニューデリーではイヌを飼っている人がたくさんいます。血統書つきが人気ですね。最近は手間のかからなさから、ネコの人気も高まっています。

じつは、ニューデリーは窃盗事件の多い街でもあります。ですからこの街ではセキュリティに気を遣うことも大切です。多くのマンションにはゲートの前に警備小屋があり、セキュリティガードが立っています。ただ、お昼過ぎにゲートの前を通りかかると、時々小屋のなかで彼らが居眠りしている姿を見つけるのはご愛嬌、ということで……。

【ライター】ラジブ・グプタ
ニューデリーの広告代理店勤務。大学生のときに来日し、その後日本の広告代理店勤務を経て祖国インドへ帰る。大学時代に知り合った日本人女性と結婚。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。一部、見にくい写真もあるかと存じますが、ご理解・ご了承のほどお願いいたします。

2012/08/28