[ドイツ・ハンブルクのマンションライフ] 歴史ある自由都市には、伝統的建築も最先端マンションも共存

ハンブルクって、どんな街?

ハンブルクは人口約180万人を抱えるドイツ第2の都市。人口約180万人というと、あまり大きな街ではないように感じられるかもしれません。でも、ヨーロッパではこの規模でも“有数の大都会”レベルといえます。人口だけで比べれば、ハンブルクよりも大きな欧州の都市はそれほど多くないのです。

中世以来、ハンブルクは神聖ローマ帝国内で一定の独立性を保証された自由都市として発展しました。1871年にドイツ帝国が成立したときにも、ハンブルクはひとつの都市にもかかわらず、州と同列に扱われる特別な存在でした。ですから、ハンブルクの人々はこの歴史を誇りとしています。また、感じたものをそのまま表現するという芸術の志向「表現主義」に基づいた独創的な建築物が多い街としても知られています。

「ハンブルク中央駅」は第二次大戦で損傷したが、戦後復興した歴史ある建物。プラットフォームには寝台列車や国際列車も入線する。

ハンブルクは6つの行政地区に分けられています。今回紹介する私のマンションは、北西部のアルトナ地区にあります。これら6つの行政地区は、ひとつの街としてデンマークに属していたこともありました。現在のようにドイツの都市となったのは19世紀後半。第二次大戦中、ヒトラーの第三帝国時代のことでした。

市庁舎前の広場。いつも多くの人々が行き交っている。

アルトナのなかでもハンブルク中心部に近い地域は、街も建物も洗練された美しいエリアで、人気があります。マンションの価格は高めですね。東側の地域ではやや古びた雰囲気と、エルベ川に面した場所で開かれるフィッシュマルクト(魚市場)の活気が入り混じります。西側の地域は、カフェやクナイペ(ドイツ風居酒屋)のある比較的落ち着いたエリアで、オッテンゼンやオートマーシェンをはじめとする高級住宅地です。私の住むマンションはアルトナのなかでも中央部に近く、エルベ川に沿った、ニーンシュテッテンというところにあります。

近年建てられたマンションの多くは、屋上にソーラーパネルを設置している。

景観保護のため、アルトナに高層マンションはほとんどありません。多くは低~中層です。街の人々は街路に愛着をもっていますから、どちらかといえば古い建物に好んで暮らす人が多いですね。ただ、年代ものの建物に住む人でも、外観はそのままにして内部を改装し、現代的な暮らしを楽しんでいる例はよくあります。残りの人たちは内部にもあまり手を加えず、ウッディで温かみにあふれるアンティークな空間で生活している人たち。割合は半々くらいといったところでしょうか。

マンション、お宅拝見!

私は現代的な生活が好きなので、住居にも最先端を求めます。ですから、私のマンションは屋上にソーラーパネルが敷き詰められ、館内にはセントラルヒーティングが完備されています。環境に優しくて、とても快適な空間です。ドイツは自然エネルギーによる発電に力を入れていて、新しく建設された多くのマンションには、ソーラーパネルが取りつけられています。

部屋はベッドルームとバルコニーが3つずつ。広さは140㎡くらいです。基本的にシンプルな内装です。

ベッドルーム。木目を活かした床にアンティークのチェストを置き、落ち着ける空間になっている。

キッチンは収納が多く、使い勝手のよさを意識した。

普段はほとんどシャワーのみのため、バスルームはコンパクト。

部屋は完全インターネット対応で、各家庭に光ケーブルが引き込まれています。パソコンは私と妻で1台ずつ。夫婦それぞれがスマートフォンも使っているので、部屋ではWi-Fiも利用しています。

マンション内では、ほかの住民との関係も良好で、下の階とは家族ぐるみのお付き合いをしています。まさにこのマンションは、私にとってかけがえのない住まいです。

ハンブルクのマンション事情

マンションの管理は法律で定められていて、住民で構成される「バイラート(管理顧問会)」が建物のマネジメントに関する決定を行います。そこで日常の雑事を代行してもらう管理者を決めるのですが、専門業者に依頼するところがほとんどです。

管理者は建物の管理人手配料、公共料金の前払い金や修繕費など、マンションを1年間保全していくのに必要な経費等を計上し、バイラートの承認を得ます。管理費は一戸あたり月額15~40ユーロが目安で、たいていの場合は5年経つと同じ管理者と契約しなおします。

マンション内で問題になることはたいていいつも同じですね。特定の住民が共用部を占有してしまうなど、生活ルールが守られないことが中心です。このような場合は管理者が仲介に立ち、手紙などで違反者を注意します。

共用部の地下プールは自慢の場所。ハスの花を浮かべていて、どこかオリエンタルな雰囲気。

私がここを買ったのは機能的な部分を気に入ったこともありますが、決め手は地下に住民用の屋内スパ&プールがあることでした。ほかにも共用の施設には集会室や図書室がありますが、全部で48戸のマンションなのでそれほど大きくはありません。スパで気分をリフレッシュさせるのが、私の毎週末の楽しみです。

【ライター】ホラーツ・ルンメニゲ
ホームページのデザインなどを手がけるWebデザイナー。出身は同じハンブルクにあるオッテンゼン。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。一部見にくい写真もございますが、ご了承ください。

2012/07/12