[アラブ首長国連邦・アブダビのマンションライフ] 開発ラッシュの街では、建築中のマンションに入居してしまう!

アブダビってどんな街?

アブダビ・シティはアラブ首長国連邦を構成するアブダビ首長国の大都市。アラブ首長国連邦の連邦首都でもあります。ドバイに次ぐ人口を擁していますが、その半分以上はインドやバングラデシュ、スリランカなどのアジアから出稼ぎに来ている人たちで占められています。だからこの街では、公用語であるアラビア語のほかに、英語・ヒンディー語・ベンガル語・タミル語など、いろいろな言語が使われています。ここは、アメリカに負けないくらいの“人種のサラダボウル”なんです。

街はどこも洗練されていて清潔。元は観光資源の乏しい街だったが、近年は開発が進んで次々と新しいビルが建設されている。

車で街から出ると、そこは一面砂漠の世界。ラクダと接触事故を起こすと人身事故並の賠償金が発生してしまうことがあるので十分注意が必要。(C) Shutterstock

街には2007年に建設されたばかりの美しい「シェイク・ザイード・モスク」や、複合スタジアムである「シェイク・ザイード・スタジアム」などがあります。ショッピングなら断然、「マリーナ・モール」。数多くの高級ブランドのテナントが入る、アブダビ有数のショッピングモールです。ボウリング場や映画館、ミュージカル・ファウンテンまであって、丸一日このモールで楽しめます。

「マリーナ・モール」内にあるスケートリンク。一年を通じてスケートに興じる人々の姿が絶えない。

現在のアブダビは再開発の真っ最中。かつては、マンションの価格がバブルのように異常な値上がりをみせていましたが、最近は落ち着いてきました。だから、今はマンションを買うにはよいタイミングなのかもしれません。マンションはほとんどが建設中に完売してしまうので、私もマンションを買うときには、ヘルメットを被って建設中の物件を見学したものです。

マンション、お宅拝見!

今回ご紹介するマンションは、私たち一家の住んでいるものです。なんとまだ建築途中で、建物の上には今でも大きなクレーンが載っています。完成した部屋からどんどん住み込めるというのは、アブダビらしさといえますね。

家族向けのマンションの場合、広さは150~200㎡くらいで、3~5のベッドルームがあるところが多いです。朝は周囲から聞こえてくるコーランを唱える声で目が覚めます。

リビングルームの家具はほとんどが備えつけのもの。ブラウンを基調色にした、落ち着いたインテリアとなっている。

ベッドルームもゆったりスペースをとっている。ベッドは毎日、通いのメイドが整える。

カウンターつきのキッチンには冷蔵庫や電子レンジ、オーブンなどが最初から取りつけられている。

外出すると天気によっては大量の砂が付着してしまうこともあるため、バスルームは広めにとられている。

アブダビのマンション事情

じつはアブダビにおいて、マンションに住んでいるのは外国人が多く、地元アラブの人々はほとんど一戸建てに住んでいます。地元の人は投資目的や老後の別荘用としてマンションを買うことが多いので、完売していても入居者は少ないことが多いんです。

だからでしょうか、住民による管理組合はありません。とはいっても、住民同士はとても仲が良く、住民が共用しているプールも一家族のみで使うことはあまりありません。たいていは、ほかの部屋の人を誘って一緒に楽しみます。ただ、それらもあくまで自主的なものであって、住民全体が集まって何かをするということはないですね。

敷地内のプールは常にメンテナンスが行き届いている。マンション住人であれば自由に泳ぐことができる

建物の修繕費用や共用施設の運営費は、部屋の所有者が毎年支払う「メンテナンス・フィー(日本でいう物件管理費)」から捻出されます。正直、その金額は高めです。その代わり、最新機器を取り揃えたフィットネスセンターや大きなプール、ゴルフ練習場、ゲストルーム、パーティルームなど、無料で使える共用施設が数多くあります。そういえば、キッズルームはアブダビではあまり見かけませんね。

マンションのインターネット環境はとても充実しています。たいていのマンションはワイヤレスインターネット環境になっていますし、街中のカフェやレストランもワイヤレス対応が当然のようになっています。私の感覚だと、ノートパソコンよりもスマートフォンを手にしている人のほうが多いと思います。

アブダビの夕焼け。砂漠の砂煙によってハッキリとみえないこともある。(C) Shutterstock

共用部の掃除や各種メンテナンスなどは、管理会社が一括でやってくれています。多くのマンションの入口にはガードマンが立っています。エントランスにはカウンターがあり、日中は郵便物や来客の対応をしてくれる受付もあります。さらに、マンションに入るためには生体認証をパスする必要がありますから、防犯はバッチリなんです。

広いロビーはお洒落なデザイン。8時から20時まで、カウンターの受付にはコンシェルジュがいる。

アブダビの人々は環境への意識が高いため、ごみの分別は徹底しています。マンションによっては、水の淡化装置を備えつけていて、ペルシア湾から生活用水を作り出すところもあるほどなんです。

【ライター】ドナルド・バックレー
アブダビのベンチャーキャピタル勤務。アメリカの証券会社勤務時代、アブダビに駐在しその魅力にとりつかれ転職。最近はラクダレースに夢中。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。一部見にくい写真もございますが、ご了承ください。

2012/06/15