[ブラジル連邦共和国・サンパウロのマンションライフ] 南米一の大都市にあるマンションは、バーベキューグリルつき

サンパウロってどんな街?

みなさんが「ブラジル」と聞くと、リオのカーニバルやサッカーといった、南米ならではの陽気な雰囲気を思い浮かべるのではないでしょうか。でもこの国には、たいへん信心深いカトリックの伝統も根づいています。今回紹介するサンパウロ市の名前は、キリスト教の聖人の一人、聖パウロがルーツです。

また、サンパウロに住んでいる人を“パウリスターノ”と呼びますが、パウリスターノといえば敬虔なカトリック教徒と相場が決まっているほど。そんなサンパウロは南半球最大の都市です。街を象徴するのは、観光名所でもある「サンパウロ大聖堂」や「セー大聖堂」などの見事な教会群でしょうね。

堂々とそびえる「サンパウロ大聖堂」。礼拝に訪れる地元の人と観光客で、いつも熱気にあふれている。

サンパウロはブラジルでもっとも人口の多い街ですから、現代的なマンションが数多く建っています。マンションを購入するとき、パウリスターノが重視するのは、おもに2つのポイントです。

1つ目は立地条件。とくに治安の善し悪しには気を配ります。2つ目の判断基準は資産価値。好調な経済状況が続くブラジルでは、住居を資産としてとらえ、将来の転売なども視野に入れたマンション選びが一般的になっています。

今回紹介するマンションの外観。できて間もない新しい建物は19階建て。全72世帯が暮らしている

マンション、お宅拝見!

パウリスターノに人気のマンションは、広さ200㎡以上のものがほとんど。この街の、ある程度収入がある家庭ではメイドが居るケースが一般的ですから、専有スペースにメイド用の部屋やトイレ、出入口が用意されていることも多いんです。

家族用のスペースは、どの部屋も広い空間となっています。今回紹介する私の住居は270㎡あります。リビングは二間続きです。ベッドルームは4つあり、どの部屋にも専用バスルームがついています。バルコニーも広くてゆったりしています。

リビングは大きめのタイルを敷きつめ、涼やかさを演出。

来客用のベッドルーム。モノトーンでシックにまとめている。

バスルームはコンパクトでありながら、すべての寝室に附属している。

ブラジルならではの特徴といえば、“シュハスケイラ(churrasqueira)”でしょう。シュハスケイラはこの国ならではのバーベキューグリルで、マンションではベランダに造りつけることが多いですね。住居ごとにシュハスケイラが用意できないマンションでも、共用のパーティスペースでは間違いなく定番中の定番。週末となれば、住人同士でバーベキューパーティ、というのがお馴染みの光景なんです。

これがシュハスケイラ。マンションにあるものは本格的なものに比べると小さいが、ホームパーティでは大活躍する

サンパウロのマンション事情

マンションにはたくさんの共用施設があります。屋外のテニスコートやフットサルコート、屋内の談話室、図書室などは、多くのマンションでも一般的です。また、門のそばには交代制で常時ガードマンがいて、駐車場では専用リモコンキーがなければ入口の開け閉めさえできません。それだけセキュリティ意識が高いということです。

ただ、日本のように防災訓練はしていません。今後、住民の間で防災意識が高まれば、訓練をするところがでてくるかもしれませんね。

屋上からの眺め。セキュリティのため、全面に金網がはってある。

インターネットはすっかり生活に欠かせないインフラとなっています。ブロードバンドが一般的で、多くの人がテレビ画面をディスプレイにしてネットを活用しています。最近の高層マンションなどではWi-Fi対応も増えています。

共用部のバスケットコートとテニスコート、プール。住民なら、申し込めばいつでも使うことができる。
1階にはプレイルームもある。ガードマンの常駐しているエントランスの脇にあるので、安心して子どもを遊ばせられる。

トレーニングジムにはエクササイズギアが豊富にそろう。

ジムでひと汗かいた後にうれしい休息スペースもある。

マンションの敷地内には、管理会社から派遣されたさまざまなスタッフが20人ほどいます。住民の外出中に来客があったり荷物が届いたりしても、管理スタッフの人たちが丁寧な対応をしてくれます。分譲マンションを購入すると、管理会社に管理費を支払います。管理費には修繕費の積み立て分も含まれています。入居にあたって特別な条件はありません。

どのマンションでも、住民同士は仲良しです。どの部屋に誰が住んでいて、どんな家族構成かはお互いに知っています。マンションではクリスマスや新年のイベントを行い、だいたい全員が顔を見せますからね。こうしたイベントの音頭取りをするのは管理組合です。任期2年の役員が5~6人います。役員は住民のなかから選挙で選ばれるのが建前ですが、たいていのマンションには世話好きの人がいますからね。その人たちが順番で役員を引き受けてくれています。私のマンションでも住人同士が仲良くできるように、役員たちが結構がんばってくれているんです。

【ライター】ペドロ・オオヤマ
日系3世のビジネスマン。43歳。サンパウロ郊外の大コーヒー農園の出身で、趣味はグレイシー柔術というスポーツマンでもある。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。一部、見にくい写真もあるかと存じますが、ご理解・ご了承のほどお願いいたします。

2012/06/04