[カナダ・ガティノーのマンションライフ] 大自然に抱かれた都会のマンションライフをチェック!

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ガティノーってどんな街?

世界中の方がイメージするカナダといえば、“森と自然の国”ではないでしょうか。こうしたカナダのイメージと大都会はなかなか結びつきません。そのためというわけではありませんが、私たちの首都は国内で一番大きな街、ではありません。カナダの首都は、オタワとガティノーというオタワ川をはさんだ2つの市が一緒になった「オタワ首都圏」とよばれるエリアです。首都圏とはいっても、人口は両市を併せても110万人ぐらい。街を一歩出ると緑一色(冬は一面の雪景色)、広大な大自然が広がっています。

緑のプレートはガティノーの境界を示すもの街の周縁は木々にあふれている。

オタワ川から見た「カナダ文明博物館」。ユニークな建築で、ガティノーのランドマークとなっている。(C) Shutterstock

今回ご紹介する私たちの家は、ガティノー市内にあります。ガティノーは街のいたる所に公園があるため“ガーデン・シティ”とも呼ばれています。街のシンボルはカナダ文明博物館。オタワ川をはさんでオタワの国会議事堂と向かい合っています。館内では、先史時代から始まるカナダの歴史と文明の発展を年代順に展示しています。世界一ともいわれるトーテムポールのコレクションも有名なんです。

ガティノーの中心部には、中層階の共同住宅が見られ、バスや車で20分ほど走ったエリアには一戸建てが多く見られます。私たちの家はその中間地点にあります。中央駅から歩いて20分ほどの、戸数6戸だけの小さなマンションです。大きな公園と隣接しています。ガティノーのあるケベック州は、カナダのなかでも旧フランス植民地から発展したフランス系の地方。そのせいなのか、ここの人たちは大勢の人が一緒に暮らす大規模なマンションがあまり好きではないようです。

ベースメント+3階建ての小規模マンション。クラシックな外見に似合わず設備は充実。

マンション、お宅拝見!

わが家も、ケベック州の人に人気の小規模マンションです。小規模のマンションの良いところは、一度手に入れてしまえば、自分たちの好きなようにつくり替えてしまえるところ。その辺の感覚は、ほとんど戸建てと同じですね。

もちろん、建物全体の構造に影響する大きな柱や外壁の改造はダメですよ。わが家でも、天井の一部を取り除いてロフトスペースをつくり、ベッドルームにしました。部屋の広さは80㎡。リビングルーム+2ベッドルーム、バルコニーがあり、地下にある荷物置き場も使えます。

わが家は30歳代の共働き夫婦と、子どもが1人なのでこの程度の広さが普通でしょう。子どもが複数いる家族の家であれば、ベッドルームがもうひとつ増えるでしょう。煉瓦造りのコンドミニアム風の外見が気に入って購入したので、インテリアもコンサバティブなものにしています。

ケベック州では、ペットを飼う人は大勢います。マンションでも60~70%の世帯にはイヌやネコがいますね。多いのはイヌ。残念ながらわが家にはいません。でも、時々バルコニーにアライグマがやってきてくれるんですよ。

また、カナダの人たちは花が大好きです。ケベック州では窓辺を花で飾るのが当然になっています。ただし、この素敵な習慣も、冬は見られなくて残念です。でも、これだけ寒いのですから仕方ありません。その代わり、室内は花の香りに満ちていますよ。

わが家の最大の改造部分。天井を取り除いてロフトをつくり、ベッドスペースに改造。

リビングのポイントは過ごしやすさ。冬の夜長はソファにいることが多いという。

明るいクリーム色でまとめられたキッチン。使いやすさを第一に考慮した。

バスルームは2つのベッドルームの中間にある。

子ども部屋もクリーム色を基調に。

隣の公園の樹木を伝ってアライグマがやってくることもあるという。(C) Shutterstock

ガティノーのマンション事情

パソコンなどの文明の利器は、誰でも積極的に活用しています。とはいっても、まだまだ公共Wi-Fiが当たり前というところまではいっていません。普通はそれぞれBellなどのインターネット接続サービスに加入していますね。

小さなマンションでも「ボード」という管理組合があります。屋根裏に集会室(普段は遊戯室にも使います)があって、月に一度、お茶会というか集会を開いています。でも、それほど真剣に話し合うことはほとんどないですけどね。

小さな共同住宅ですから、隣近所との付き合いは盛んだと思います。ただし、“気の合う/気の合わない”があるので、近しい人からそれほどじゃない人までさまざまです。みんなが守っている具体的なルールは、ゴミの分別ぐらいでしょうか。お隣さん同士で一緒に庭木の伐採や芝生の整備をすることはありますが、決まり事ではありません。

屋根裏に用意されたマンションの集会室。月一回のボードミーティングなどに利用する。

ガティノー全体でいえるのは、みんな省エネルギーに関心が高いことですね。冬の省エネといえば暖房と灯りです。多くのマンションではセントラルヒーティングになっていて、戸別の調整はできません。私の住むマンションでは、居住者みんなの室温調整への意識が高く、冬でも20℃台半ばに設定しています。ですから、室内はつねにちょっと寒いくらいです。室内での厚着は常識です。

また、一般的に灯りをつけっぱなしにすることは決してありません。街全体から戸別のマンションの室内まで、薄暗くてロマンチックな間接照明が主流となっています。

ガティノーの不動産価格はそんなに高額ではありません。資産価値を考えて購入するというよりも、自分の生活や好み、街中でなければダメとか、自然いっぱいが良いとかを考えて選ぶのが普通だと思います。

【ライター】ムサニントール・フェリキュル
アフリカのブルンジ出身。民族抗争を逃れてカナダに移住して10年目。映画制作会社勤務の32歳。

※掲載情報は原稿作製時のものです。
※ライターの自宅マンションというプライベート空間を撮影する関係上、ライター自身で撮影を行っています。そのため、一部見にくい写真がありますがご了承ください。

2011/08/29