家計を「経営」として考えよう④~教育、住宅、老後・・・ライフイベント資金をスムーズに運用するには?~

前回は、ライフイベント上のバランスについて考えてみました。では今回はライフイベントを組んでいきましょう。

わかりやすいように、多くのご家庭で必要となるようなイベントを先に挙げておきます。

①教育
②住宅
③老後

この3つは、人生の『三大資金』とも言われていますね。
その他のイベントは、下記のようなものが挙げられます。

④耐久財(家電製品やパソコン・自動車など)
⑤旅行・帰省
⑥お子様の結婚援助資金
⑦趣味・その他

では、まずこれらのイベントをピックアップしていくところからスタートしましょう。

ライフプランニングにおいては、この「ライフイベントを組む」ところが最も大切です。ご家族でどんな生活を過ごしたいのか?どんな家庭を築きたいのか?子供達と何を一緒にしたいのか?など、人生の「イベント」をプロデュースするわけですから、しっかりと時間をかけて考えていくようにしましょう。

ライフイベントを組むうえで大事なポイントは、「できるかどうかわからない」「できそうにない」「どうせ無理だ」という判断をしないこと。やりたいこと・手に入れたいことは、どんどん挙げていくという点です。

実は、意外にもこれができない人が多いんですね。実現できるかもしれないのに、イベントを組む段階で妥協をしてしまったり、あきらめてしまったりと、消極的な方も少なくないのです。挙げてみて本当に実現したいけど難しい場合には、達成のための対策をしっかり練ればいいのですし、そこまで実現に固執しないのであれば、先延ばしにしたり、削ったりすればいいのですから、ぜひ「わがまま」になって、ご家族でしっかり話し合っていただきたいと思います。

さて、ここからは、ライフイベントの中心となる『三大資金(教育、住宅、老後)』について、少々概論を述べたいと思います。三大資金は、ほぼ不可避のイベントなので、ご家族で「方針」を打ち合わせていくようなやり方が良いかもしれません。

①教育

教育資金は、重要かつ大きなウエイトを占めます。ご夫婦でしっかりと考え方をすりあわせしていくのが良いでしょう。お子様の年齢によっては、教育の方針や公立・私立の検討が必要ですし、まだ小さいのであれば資金準備を中心に考えてもいいかもしれません。

まずはじめに確認をしていただきたいことは、

・ご夫婦が何歳になるまで教育資金がかかるのか?
・何年ごとに入学・卒業が控えているのか?
・義務教育が終わるのが何年後で、ご夫婦の共通認識として小中高・大学まで私立・公立のどちらを選択するのか?

という点です。
子供の教育というのは、絶対に必要なイベントです。例えば、お子様が望めば私立でも行かせてあげたい、という考えもあるでしょうし、ウチは全て公立でいく!というのも考えの一つでしょう。大事なのは、ご夫婦で思いを話し合い、相違を知っておくことです。「イベントは最大限わがままに組んでみる」ことが大切ですから、「どうせ私立は無理だろうな」など、消極的な判断はしないようにしましょう。

②住宅

皆さんは、マンションをお持ちの方がほとんどでしょうから、住宅に関しては、「住み続ける・住み替える」という大きな判断をしておくことが重要です。

住み続けるという方は、将来的に修繕やリフォームが待ち受けていますし、住み替える方は、売るタイミングを考えてくことが大切です。また、住宅ローンについても、現在の内容をしっかり把握して、今後の返済プランをあらかじめ考えておく必要性もあるでしょう。それぞれの選択によって将来の資金準備が変わってきますから、しっかりと考えておきたいですね。

③老後

なぜ、老後の生活が「イベント」という捉え方をするかといえば、年金という収入があるとはいえ、基本的には預貯金を取り崩して生活をしていくことになるため、しっかりプランニングする必要があるからです。

例えば65歳で定年を迎えた会社員は、平均余命で男性約19年、女性は約24年もありますから、行き当たりばったりというわけにはいきません。また、平成23年度の平均年金受給月額(国民年金+厚生年金)が、男性で約23万円、女性で約16万円となっていますが、おそらくこの収入で生活していくのは難しいでしょう。そのため、預貯金とのバランスがかなり重要になるわけです。

そうはいっても、リタイア後はゆっくりと趣味を楽しみたい人も多いと思います。どんなことをしたいのかを前もって考えておくことで様々な準備が可能となります。ご夫婦でこうした話を若いときからしておくことも良いのではないでしょうか。

ちなみに、「老後に一緒に住みたい人は?」というアンケートを取ると、年齢が高くなるに連れて「配偶者」と答える女性が減ってくるという結果もあります。男性の場合は「配偶者」という回答が多いのですが…。今からでも、奥様を大事になさった方が賢明だと思われます(笑)。


ライフプランニングは、一度決めたプランを変えずに実現するまでがんばる、というものではありません。時代も環境も、そして価値観も変化していきますので、定期的に見直して、メンテナンスをしていく必要があります。何度だって作り直せるのですから、あまり肩肘張らず、気軽に楽しみながらイベントを考えていくことをお勧めします。

次回は、Aさんのご家庭を例に、実際にライフプランをどのように組んでいくかを具体的に見ていきましょう。

2014/04/07

プロフィール

モーリー博士

某大手外資系金融機関に勤めるファイナンシャルプランナー。貯蓄・投資などお金の運用について、企業や家庭を問わず数多くの相談実績をもつ。わかりやすい説明には定評があり、相談するリピーターがあとをたたない。