家計を「経営」として考えよう②~借りたお金の金利タイプ~

今回は、前回の「借り入れ総額と返済期間」に続き、大変重要な「金利や利息、ローンの仕組み」についてしっかりご説明していきたいと思います。

Aさんファミリー構成

お父さん(42歳)※
お母さん(40歳)
長女(10歳)
長男(7歳)

※お父さんはサラリーマンをされています。

②借りたお金の金利タイプ

Dr.Mory:Aさんの金利のタイプは変動タイプで、金利は1%ですね。金利のタイプには

●固定・・金利が定められた期間変わらない
●変動・・半年ごとに金利を見直す

の2種類があります。

どちらが良いかは、借りられる方の価値観や判断にもよりますし、それぞれにメリット・デメリットがあるので断定はできません。現状で言いますと、変動金利は非常に低い水準のままですので、固定金利よりはお得だったと思います。もちろん将来的にはわかりませんが。

お母さん:お得だったんですね!良かった!

Dr.Mory:何がお得だったかを少しお話ししますね。実は、返済内容と密接に関係しているのです。

お父さん:返済内容と?それってどういうことですか?

Dr.Mory:先ほど、変動金利を選んでおいてお得でした、という話をしました。それを理解するために、金利と返済のしくみ、つまり③返済内容についてお話しましょう。これはとても重要ですからしっかりきいてくださいね。

③返済内容

住宅ローンは、お金を借りて一定期間で返していくシステムですが、そのしくみはシンプルで、借りたお金+利息=総返済額となります。利息は、借りたお金×金利で計算します。1000万円借りていて金利が3%だったら、1000万円×3%=30万円が利子ということですね。

・総返済額=借りたお金+利息
・利息=借りたお金+金利

Aさんの場合は、毎月返済額が変わらない返済方法(元利均等返済といいます)です。図にするとこんな感じ(図①)で、返済当初は返済額のうち、利息部分が大きくて、返済していくに従って元金割合が増えていくようなイメージです。

図1 元利均等返済図

毎月の返済額が気になると思いますが、より重要なのはその内容です。Aさんの場合は、毎月約8万5千円の返済をしていますが、元金=借りたお金の返済部分は約6万円です。残りの2万5千円は利息ということになります。利息は借りたお金に金利をかけたものですから、借りているお金が減っていけば利息も少なくなっていきます。

元利均等返済という返済方法は、毎月定額を返していく方法なので、返済額の利息割合が変わっても見た目ではわからないのですね。返済していく度に元金が減っていくので、当初大きかった利息割合が減っていくのです。

例えば、このまま金利が変わらずに10年経過すると、元金返済部分は約6万3千円、利息2万2千円となり、総返済額は変わりませんが、利息が3000円も減っていきます。

借りたお金は当然返すのですが、利息は少ない方がいいですよね。ですから、ここでの重要なのは、いかに元金を減らすか?ということなのです。

住宅ローンを組んだ当初は、当然元金が一番たくさん借りている時です。Aさんはこのときに、金利の低い変動金利を選択していたので、よりたくさんの元金を返せているんですね。しかも、この4年間金利上昇もなかったために、より多くの元金返済に充てられたのでお得だったといえます。ただ、この間に金利が上昇していたら、また違った結果になっていた可能性もありますので、結果論ではありますが。

金利の損得は、このように結果としてどうだったか?ということでしかわかりません。同じ借入金と返済期間の場合を比べてみると、この数年間は変動金利の方がお得でした。固定金利を選んだ方は、変動金利の方よりも結果的に多くの利息を支払い、元金は変動金利の方より減らせていないんですね。でもこの結果を予測するのは難しい。借りる側としてどちらの金利タイプもメリット・デメリットがあるので、それを知って選んでもらうのが大切ですね。

また、住宅ローンの償還表を見ていただく際には、単純な返済額だけではなくて、「どのくらいが元金返済でどのくらいが利息なのか」をよく見ていただきたいと思います。

お父さん:よく、繰り上げ返済を早くやった方が得だ、みたいなことも聞くのですが、今のお話ですと、元金を減らした方がいいということですから、正しいんですよね?我が家も繰り上げ返済をした方がいいんでしょうか?

Dr.Mory:それは、次回ポイント④の「ライフイベント上のバランス」としてご説明しましょう。

2013/12/25

プロフィール

モーリー博士

某大手外資系金融機関に勤めるファイナンシャルプランナー。貯蓄・投資などお金の運用について、企業や家庭を問わず数多くの相談実績をもつ。わかりやすい説明には定評があり、相談するリピーターがあとをたたない。