家計を「経営」として考えよう①~ライフプランニングの実際~

今回は、具体的なライフプランニングの方法について一般のご家庭からいただいたご相談を事例として考えてみましょう。

今回はよりわかりやすくご説明するため、対談形式でご紹介していきたいと思います。

Aさんファミリー構成

お父さん(42歳)※
お母さん(40歳)
長女(10歳)
長男(7歳)

※お父さんはサラリーマンをされています。

ご相談にこられた理由は、4年前に購入したマンションの住宅ローンについて、「今の返済方法でよいか?」「できれば繰り上げ返済をしていきたいと思っている」ということでした。

Dr.Mory:住宅ローンの返済方法についてのご相談ということですが、まずはその理由やきっかけについて教えていただけますか?

お父さん:子供の教育費の負担が増えていくと思い、今のままで大丈夫なのか不安になってきたことが理由です。
お母さん:負担が増す前に繰り上げ返済をした方がいいのかとか、そもそも今の返済方法が正しいのかもわからなくて。。
お父さん:私の給料も今後増えていくかどうかもわからないですし。。

Dr.Mory:なるほど。それではまず現状の分析をしてみましょう。Aさんのローンの償還表をベースに考えます。まず住宅ローンについて考えるときは、次の4つのポイントが大事です。

住宅ローンで考えるべき4つのポイント

① 借り入れ総額と返済期間
② 借りたお金の金利タイプ
③ 返済内容
④ ライフプランニング上のバランス
では、一つずつ確認してみましょう。

①借り入れ総額と返済期間

Dr.Mory:Aさんの場合、借入金は3000万円で返済期間は35年です。39歳で借りていますから、返済が終わるのは…
お父さん:74歳!!

Dr.Mory:そうですね。ここで大切なのは、35年もの長い間にご家族の間にさまざまなイベント発生する、ということです。

お母さん:イベントって何ですか?

Dr.Mory:例えば先ほどお父さんからあった「お子さまの教育」や「家族旅行」といった、家族でやりたいこと・やらなくてはいけないことをいいます。教育は必須のイベントですし、ローン返済もそうですよね。旅行やレジャーなどもご家族によっては欠かせないイベントだったりします。

お父さん:そのイベントがどうして大事なのですか?

Dr.Mory:イベントには発生する時期に波があります。例えば教育費と車を比較して考えて見ましょう。

まずは教育費についてですが、仮にAさんの10歳と7歳のお子様が大学に進学するとした場合、それぞれ8年後と11年後に「大学入学」という大きな山が訪れます。これは今からでもわかっていることで、しかもなかなか変えようがありません。

一方で車の場合は、買替え時期や車種は、教育費と違って事故などがない限り、ある程度変えることができます。子供の大学進学の時期を考慮して、例えばもう1年長く乗ってから買い替えようとか、ワンランク下の車種にしようとか、逆に早めに下取りに出して買い替えてしまおうとか、ある程度コントロールできる部分もありますよね。

このように、ご家庭ごとに出費の波があり、さらに自身では波のピークをコントロールできないものとある程度調整できるものと2種類のイベントがあることを知り、これらのイベントの発生時期やその出費の山を把握しておくことが、とても大事なんですね。

お父さん:なるほど。子供の教育費について漠然と不安になっていましたが、他の家族イベントにも気をつけなくてはいけないんですね。

Dr.Mory:その通りです。住宅ローンも重要なイベントの一つです。借りたお金は利息を付けて返済しなくてはいけません。金利と返済期間は密接に関係します。Aさんの場合、もし金利が変わらなければ、返済総額は約3675万円(借入金は3,000万円。675万円が利息)になりますね。

お母さん:利息ってそんなになるんですか!?

Dr.Mory:はい。金利はとても大事で、0.1%でも上がると利息は増えます。返済期間が長ければ、より一層返済利息も増えますから、金利の仕組みは良く理解しておいてほしいですね。それと住宅購入については、「家」という「資産」を「銀行」から「お金を調達」して手に入れた、という視点をお持ちいただきたいと思います。

お父さん:調達!?…ですか?

Dr.Mory:そうです。調達するのなら少しでも安く良い条件で調達したほうが得ですよね。そのために金利や利息やローンの仕組みをしっかりご理解いただきたいと思います。

いかがでしたか?「家庭を経営として考えよう」、次は「②借りたお金の金利タイプ」について詳しくご紹介します。知っていて損はありませんから、今回とあわせてぜひご覧くださいね。

2013/10/10

プロフィール

モーリー博士

某大手外資系金融機関に勤めるファイナンシャルプランナー。貯蓄・投資などお金の運用について、企業や家庭を問わず数多くの相談実績をもつ。わかりやすい説明には定評があり、相談するリピーターがあとをたたない。