マンションのごみ問題を解決する「マンション一括リユースサービス」とは?

あなたのマンションでは、ごみに関するトラブルはありませんか? 粗大ごみの不法投棄など、ごみ問題を根本的に解決するために新たなサービスを導入したマンションの事例をご紹介します。

ごみの不法投棄はマンション共通の悩み

マンション・ラボでアンケートを実施したところ、ごみ問題で悩んでいるマンション住民は多く、以下のようなごみの不法投棄に関するトラブル事例が挙げられていました。

・テレビは粗大ごみではなく家電リサイクル対象なのだが、勝手にテレビが捨ててあった。誰が捨てた物なのかわからず、結局管理費からリサイクル料を支払って処理した。

・粗大ごみなのに、マンション内のごみ置き場に不燃物として置かれていた。引越しの際のごみだと思われてしばらく放置状態になっていたが、おそらく管理費で粗大ごみ料金を負担して処分したのだと思われる。

アンケート結果を見ると、マンションのごみ置き場に勝手に放置されたごみは、結局管理組合の負担で処理するのが通例のようです。

中にはまだ使えるのにごみとして捨てられているものも少なくなく、マンション内または信頼できる業者に引き取ってもらってリユースしたいという、エコ意識の高い意見もありました。

他に「粗大ごみをリユースしているマンションの事例や実施方法について記事にしてほしい」、「粗大ごみをリユースするためにはどのような課題があるのか調べてほしい」という声が多くあったため、今回「マンション一括リユースサービス」を導入したマンションに取材しました。

総戸数1,000戸を超える巨大マンションの悩みも粗大ごみ

ブリリアマーレ有明 公式サイト

ブリリアマーレ有明は、湾岸エリアに位置する総戸数1,085戸の大規模マンションです。最上階スペースには、25mプール、露天風呂付きスパ、バーラウンジなどの共用施設を有しており、住民の共有財産としてのマンションを守り維持していくための高い意識を持ち、日々の管理組合活動を推進されています。

理事長の星川太輔さんにお話を伺いました。

ブリリアマーレ有明は、総戸数が多いこともあり、マンション一階に広大な専用ごみ置き場が用意されています。その一部に粗大ごみ置き場もありますが、ごみの放置や不法投棄といった問題が起こっていました。

星川理事長「自治体が粗大ごみとして引き取ってくれない家電や自転車の放置も多かったですね。粗大ごみの出し方のルールを知らない人もいたのかもしれません。組合からゴミ出しのマナー向上などを再三訴えてきましたが、なかなかごみ問題は解消されませんでした」

実際、放置されたごみの処分費用は管理費から供出され、7〜8万円ほどの費用がかかっていたとのことでした。
そんな折り、都内を中心にリサイクルショップを展開する(株)トレジャー・ファクトリーが、有明地区で不用品買い取りフェアを行ったことがきっかけで、これらごみ問題に一緒に取り組むことになりました。

(株)トレジャー・ファクトリーの小幡英明さん。

小幡さん「ブリリアマーレ有明の管理組合様および管理会社の(株)東京建物アメニティサポート様からご相談いただきました。私たちはゴミを捨てることはできませんが、一度ごみ置き場を拝見させていただきましたところ、その中の約4割がリユース可能なものだとわかりました」

住民としても、リユースできるとわかっていても、リサイクルショップに持ち込むのは面倒なものです。また粗大ごみとして処分するにも、処理費用を調べ、有料シールを購入し、自治体に回収日時を連絡するという煩雑な手続きがあります。

こうした垣根を取り払って、まだ使えるものの不法投棄を未然に防ぐため、開発・試験導入されたのが「マンション一括リユースサービス」でした。

「マンション一括リユースサービス」の導入

スタート時に各戸へ配付したチラシ。トレジャー・ファクトリーとブリリアマーレ有明管理組合との連名で発行されています。

「マンション一括リユースサービス」は、マンションから出た不用品を定期的にトレジャー・ファクトリーが回収し、国内のリサイクルショップで販売可能なものは店頭販売し、国内販売が難しいものは海外でリユースを行うというものです。

マンション住民は、コンシェルジュデスクで配付される「リユースサービス専用シール(無料)」を不用品に貼って、ごみ置き場の一部に設置された「リユース品専用スペース」に置くだけでOK。住民にとっては、煩雑な手続きもなく、専用ごみ置き場に出した不用品が自動的にリサイクル&リユースされます。

ブリリアマーレ有明のごみ置き場の一角に設けられた「リユース品専用スペース」。チラシの黄色と同じカラーとデザインを使い、一目でわかりやすくしています。

小幡さん「国内だけだと扱える不用品の品目も狭まるのですが、協力会社の海外リユース網も駆使することで、回収可能な不用品の幅も広がりました。2014年11月から試験的に導入していただき、この半年間で1,000点を超える回収を行いましたが、そのすべてが国内外でリユースできています」

リユースで回収できる不用品の種類については、配付チラシに事例写真を掲載するなどして、なるべくわかりやすくしていたこともあり、たとえば壊れたものやリユースできないような不用品が出されることもなく、住民側もルールを守って利用しているようです。「まだ使える不用品」というコンセプトが、周知されている結果だといえます。

星川理事長「サービス導入にあたっては、分科会で充分な議論を行った上で、理事会に上げました。住民にとっては、負担もなくプラスになることですからね。反対意見もなく、スムーズに導入できました」

もちろん、導入前の段階で、トレジャー・ファクトリーが住民の不用品を回収することに関しての法的な問題やオペレーションについて、管理会社の東京建物アメニティサポートを交えて話し合いました。

ブリリアマーレ有明の管理会社(株)東京建物アメニティサポートの内藤 洋さん。

内藤さん「不用品を管理組合からトレジャー・ファクトリーへ譲渡するということで、2者間で包括契約を締結していただくことになりました。オペレーションに関しては、我々管理会社もサポートしますが、基本的にはトレジャー・ファクトリーさんが定期的に回収業務を行っています」

「黄色い専用シール(無料)」の配付、「リユース専用スペース」の設置、目立ちやすい黄色いカラーリングとロゴのデザイン性など、わかりやすく使いやすく配慮された運用計画も、このサービスのすばらしい点です。

そしてなにより、管理組合、管理会社、そしてトレジャー・ファクトリーの3者間で、非常にバランスのよいかたちで連携が取れていることも、今回のサービスがうまくいっている要因のひとつといえます。

サービス導入後の住民の反応と今後の展望

分譲マンションの不用品が、このようなかたちでうまくリユースされていく仕組みが確立すれば、他のマンションでも展開することが可能です。

社会実験として半年間の試用期間として試験的にスタートしたこのプログラムは、2015年6月に提携継続が決定。約1,000点のリユース品から生じた売り上げの一部は、5月15日に日本赤十字社への60,648円の寄付というかたちにもなりました。これまで不法投棄されたごみのために管理組合が処理代金を出費していた状況から一転して、不用品からの売り上げの一部を寄付としても役立てることができるようになったのです。

小幡さん「リユースサービスの他に、定期的な“不用品買取フェア”の実施や、個別の“ブランドアイテム専用出張査定サービス” の提供もさせていただいています。これは、ご希望をいただいた方の住戸にお伺いして、不用品を査定して買い取りするサービスです。管理組合公認の契約業者ということで住民の皆様から信頼もあり、気軽にお声がけいただいています」

星川理事長「半年間の試用期間を経て、住民に告知もしてきましたが、まだまだ無料のリユースプログラムを実施していることを知らない住民も多いようです。今後の管理組合の課題は、リユースプログラムの周知を徹底して、どんどん活用いただくことだと思っています」

ブリリアマーレ有明は、賃貸住戸も含めると外国人居住者の方が多くいらっしゃいます。今後は、多国語に対応した告知活動を行うことで、さらにリユースの徹底を図っていきたいそうです。

また、粗大ごみを持ち出せない高齢者や障がいのある方などに対してもフォローアップしていきたいと考えておられます。

たとえば、マンション内で子供のおもちゃや衣服などをリユースすることでコミュニティづくりの一端を担うなど、不法投棄のごみ問題解決だけに収まらず、リユースをきっかけに、コミュニティづくりへと発展していければ素晴らしいですね。

リユースを日常レベルで利用できる、マンション向け新サービス誕生

トレジャー・ファクトリーでは、ブリリアマーレ有明と開発したこのサービスを、2015年7月からマンション向け新サービス「リユースコンシェルジュfor mansion」として展開することになりました。

プレスリリース「リユースコンシェルジュfor mansion」

これは、『シールdeリユース(無料回収)』『不用品買取フェア』『ブランドアイテム専用 出張査定サービス』という3つの無料サービスを通して、マンション住民に “捨てずにリユース”という選択肢を日常的に提供するパッケージサービスとなっています。

ブリリアマーレ有明のような大規模マンションだと専用不用品置き場を設けることもできますが、そうしたスペースのない小・中規模マンションでは、どのようにしたら良いのでしょうか?

小幡さん「常設の置き場を設けていただかなくても、買取フェアとセットにして、同時に不用品のリユース回収も行うことで対応可能だと考えています。定期的に回収日を決めて、同じエリアのマンションにまとめてお伺いできるといいかもしれませんね」

こうしたリユースプログラムを活用すれば、ブリリアマーレ有明の事例のように、リユースがマンションの日常となる日も近いかもしれません。ぜひ今後の活動に期待したいものです。

2015/09/14