第八回:仲間を集めて「少しずつ」マンション運営を始めてみよう!

皆さん、こんにちは!
コラムを担当させて頂いています東邦レオ株式会社Green×Town事業の吉田啓助です。

女性の暮らしから眺めるマンションの魅力とは?というタイトルのコラムですが、今回は、ご自身が住まわれるマンションにも事務局として20年近く携わってこられた千田節子さんにお話を伺いました。

千田さんのプロフィール

東京都にある、戸数は1596戸、築30年以上経過するマンションにお住まい。

現在、地域のコミュニティ活動(緑育作業、高齢者のための歌声サロンなど)をする傍ら、「東京湾岸集合住宅ぼうさいネットワーク」という東京湾岸地域のマンションの防災について考える会の代表幹事として活躍中。

千田さんのお話がとても面白く、お住まいのマンションの歴史から防災、そして植栽管理活動まで幅広い内容になっております。

地域活動を第一線でやられている方ならではのアドバイスやエールもありますので、お楽しみに!!ではインタビュー内容に入らせて頂きます。

始めてしまえば何とかなる!

吉田:千田さん、宜しくお願いします!

千田さん:こちらこそ、宜しくお願いします!

吉田:まず千田さんがお住まいのマンションの運営に携わっていくきっかけを教えて下さい。

千田さん:今のマンションに引っ越してきたのが昭和54年でした。当時は周りに何も無く、徒歩だと30分近くかかる葛西駅が見えたくらいなんです。

バスも途中から出来たし、マンションが出来てから5年くらいの間に、学校やスーパー、病院などが出来てこうやって開発していくんだと実感したのを覚えています。

当時は、若い世代が多く、みんな子供が幼稚園や小学生だったので、住み始めてすぐに数人で子供たちのために何かしようという事で、マンションの集会所に遠い場所にある図書館から本を借りてきて子ども文庫を作りました。

吉田:私が小さい頃に広場にやってきていた移動図書館の定着版というイメージですか?

千田さん:そうそう!その通り。図書館も定期的に本を借りてくれるから喜んでいたし、休みの日には子供達も当番制で役割を作り、みんなで運営したの。そこで読み聞かせとか、人形劇とかやってみんなに喜んでもらっていたのよ。

吉田:それは素晴らしい活動ですね。そういったことをしようと思ったきっかけってあるのですか?

千田さん:ここに引っ越してくる前に住んでいたマンションでやっていた取り組みなのよ。だからこっちでもやろうって思い始めたの。図書館と交渉して、自治会と交渉して、さっきも言ったけど本を借りてくれるわけだから図書館は歓迎していたしね。

始めてしまえば全然簡単なのよ。数名でやれば協力も出来るしね。結局13年間この活動を続けたのよ。

吉田:13年間ですか?そこまで続いたら図書館が欲しいという話になりますよね。

千田さん:そうなのよね。私たちもそう思っていたから、図書館を作りたいという署名運動をしたの。そしたらその議案が議会で採択されて地域に2館出来たのよ。

お酒を飲む事が自主管理五箇条の1つ

吉田:ちょっとしたきっかけがここまで繋がってくるのですね。ではこの活動を通じて運営に関わって行かれたのですね?

千田さん:そうね。実は当時このマンションも管理に問題があって、自主管理に切り替えようという話になったの。新築時から管理委託して10年経ったところだったのだけれど、きっかけは大規模修繕の積立金が足りないという事だったわ。

どうしようか?という話になって、その結果住民の中でゼネコンに勤めている人が俺たちでやろうとなり、長期修繕検討委員会立ち上がったのよ。

ただ、やるにしても事務方が必要だという話になり、当時図書館の活動をしていた私に声がかかったのよ。

吉田:それでお受けした?

千田さん:初めは管理組合?って思っていて、特に「管理」という言葉が大嫌いだったからどうしようって思ったの。

でも、私も暇だったしお金も欲しかったし、何よりもせっかく声かけてもらって食わず嫌いはやめようと思って受けてみたの。そしたら面白いのよ。自主管理にはまっちゃったって感じね。

吉田:千田さんらしいですね(笑)どのあたりが一番面白いと感じたところですか?

千田さん:管理組合とはみんなの意見を聞きながら、上も下も無く喧々諤々やるのよね。大企業の偉い人も地元の自営業の人もそれこそ関係ないのよ。それが本当に面白い。

本当に面白いから、その様子をマンション管理センターに「自主管理は面白い」といったような内容で手紙を出したら、最初は相手にされなかった。30年誌を出して自主管理の実績を見てもらって、初めて貴重な資料だと最大評価してくれたの。

当時面白いって運営する組合が少なかったから珍しかったのでしょう。

吉田:皆さんも楽しんでやっていたのですか?

千田さん:私たちの自主管理には5か条というのがあったの。その第一条が「複数合議の原則」ね。つまり自分一人で決めないという事。

それ以外に「他人の意見を尊重する」とかいくつかあったのは思い出せないんだけど、特徴的なのは「お酒を飲む事」というのが5か条に入っていた事かしら。

当時は課題も大きかったから、とにかく理事会自体が終わるのがとても遅かった。長くなると24時を超えるくらい。事務局で関わっていた私は、このままだと辛いからなり手がいなくなっちゃうなと思って、最後にちょっとしたおつまみとお酒を出す事にしたのよね。もちろん、最初からではなくて終わってからよ。初めから出すとグダグダになっちゃうから。

そうしたら、これまた面白いのよ!すごいけんかしていた人が、お酒を飲みだすとその人個人に興味を持ち始めて、色んな話をしている内に「いい人じゃないか」ってなる。そうなってからは結束力が高まると言うか、運営が楽しくなってきたわね。

吉田:お酒ですか。それまた千田さんならではですが、でも確かにそういった事が今も必要かも知れませんね。お互い突っ込んだ議論をするためには、人間的なつながりと言うか、理解がないと難しいですからね。

千田さん:またそれに加えて、理事手当てを出そうという話にもなったの。そしたら参加率が100%近くになってね。
手当てをもらい始めてからより真剣に議論が進むようになって、今まで決まらなかった事がドンドン決まるようになったのよね。細かい問題はすぐに解決できる形が出来てきた。

その後も立体駐車場問題などで喧々諤々はあったけど、結果的にそれによって財政も安定し、お金がたまってきたときには積立金も値下げできたわ。

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2013/06/17