第五回:子育てや介護を経験した女性に聞く~世代を超えて住みたいと思うマンションとは~

生活動線である舗装が日常生活の中では大切

吉田 :Cさんの視点でマンションの暮らしを眺めてきたときに、もっとこうだったら良いのにと思う事はありますか?

Cさん :そうですね。。。介護をしている時に感じたのが敷石、舗装のガタツキですかね。

マンション内の歩道が20年以上経つと劣化したり、樹木の根っこが持ち上げたりして、段差が出来たりして、それが車椅子を押す時に妨げになり危ないと思った事はありますね。

吉田 :舗装ですか。そういえば、同じ理由で改修検討している組合さんを知っています。

Cさん :他でもそうなのですね。水溜りとかも妨げになる事があって実は改善してほしい事だったりするのですよ。

吉田 :それも見落としがちな視点ですね。どうしても私などは水溜りは避けて通ればよいくらいにしか思わないですからね。様々な人の立場で見てみるという事が大切ですね。

Cさん :それと外でランチが出来るスペースがあったら良いなとも思います。広場にベンチはあるのですが、テーブルやイスは置いていないので。

若い人も増えていますし、皆がふらっと寄れる場所や集えるところがあれば、もっと交流しやすくなるのではと思いますね。

それと関連して「食堂」があると助かるな~とも思いますね。晩御飯作るのが大変とか、ちょっと楽したいなと言う時にフラッと寄れるような。食堂で食事をしても良いし、お弁当を買って家で食べるでも良いですね。

マンション内の誰かが食事をしていたら「あら、●●さん」みたいな感じで会話をしても良いですしね。集会所は予約しないとダメなのですが、そのときの流れでふらっと気軽に寄れる場所があったら良いなと思いますね。

地域で子育てだけでなく、地域で介護も大切な視点

吉田 :コミュニティは流れで起こるというのはこのインタビューシリーズで子育て世代の専業主婦の方もおっしゃっていました。日常を考えると改めてそうなんですね。そのような意味で広場や緑道など人と人がすれ違う、交流するきっかけがあるマンションはコミュニティが誘発されやすいのだと確信しました。

Cさん :それはその通りだと思います。

また少し視点が変わって、親の介護をしている時に感じたのですが、近くに良いデイサービスセンターがあっても良いのかなって思いました。

今は子育てという事で保育園が話題にあがりますが、介護も今後を考えると重要なテーマだと思いますし、「地域で子育て、地域で介護」が実現できると良いなと思います。

吉田 :「地域で介護」、これも普段の私からは抜けていた視点でした。このような事からも、世代間の交流って、それぞれの立場や目線に立って考えるところから始まる、お互いがそれぞれの視点で物事を言っていては交わる事がないなという事も気付かせて頂きました。

Cさんは日本に住む外国の方に日本語を教える仕事をされていると伺いました。具体的にはどのような活動なのですか?

Cさん :私が今行なっているのは日本に来た難民の方々に対して、日本の生活文化を伝えながら日本語を教えるという取り組みになります。

吉田 :難民の方ですか?これも知りませんでした。多くの方がいらっしゃるのですか?

Cさん :そうですね。国も一定数は難民を受け入れているため、その方達が日本でしっかりと生活していけるように支援するのは大切な事なのですよ。

しかし、実はこの活動をしていると難民の方に教えられる事が多いのも事実です。皆さんは生き残るために国を捨てて日本に来た人達ばかりなので、日々の生活での覚悟が違います。取り組む姿勢が違うといったらよいのでしょうか。素直な方が多いですしね。

そんな人達と触れ合っていると、私たちが様々な事を学び、結果としてそこに住む日本の地域の人達が変わっていきますよ。

マンション内コミュニティにおける外国人との関わりについて

吉田 :それは素晴らしい活動ですね。今お話を伺いながら思い出したのですが、今度私が住む事になる築30年の団地も、賃貸で1000世帯近くあるため、外国の方が多く住まわれています。

実際にその団地を歩くと外国の方と多くすれ違います。しかし、自治活動やイベントになるとほとんどが日本人ばかりなのですよね。

実は日本の中でも国際交流は始まっているのですが、まだまだその接点が少ないのではと思いましたし、マンションも例外でないのではと思いました。

日本の暮らしという生活に直結するテーマで日本語を学びながら、その団地に住む日本人との交流の場が出来れば、双方にとってメリットがあると感じます。

マンション内に住む外国人の方を巻き込んだ形のコミュニティ形成については社会的意義も高いと思います。

Cさん :それは興味深い話ですね。とても面白いと思います。実際に私もある団地に住む難民の方4世帯の方向けに取り組みをしたことがあります。

今後そのような視点でもマンションが暮らしやすい場所になれば良いですし、今の活動を活かして貢献できればと思います。

吉田 :今後に繋がるお話もいただけてありがとうございます。長時間に渡り貴重なお話を聞かせて頂きありがとうございました。

特にコミュニティが運営にもたらす実例や、女性ならでは視点での工夫が必要なところは大変参考になりましたし、最後の外国の方との交流については私自身も興味ありますので、これからも情報交換しながら進めてまいりたいと思います。改めてありがとうございました。

Cさん :こちらこそありがとうございました。


いかがでしたでしょうか?女性ならではの着眼点や介護を経験されてきたCさんならではのお話が多く、暮らしに携わる私たちや同じ生活をされている皆さんにとっても示唆に富むお話であったのではないかと思います。

また、外国人の方との関わりについても偶然ではありますが広がり、改めて考えていくべきテーマが多様化しているのを実感します。

次回は、今まで行なってきた3人へのインタビューを踏まえて、本題である「女性の暮らしから眺めるマンションの魅力とは」について書かせて頂きます。

2013/04/12