第五回:子育てや介護を経験した女性に聞く~世代を超えて住みたいと思うマンションとは~

皆さん、こんにちは!
コラムを担当させて頂いています東邦レオ株式会社Green×Town事業の吉田啓助です。

これまでの全4回はいかがでしたでしょうか?
子育て世代という共通のテーマで、専業主婦、働くお母さんお二人に、日々の生活におけるマンションならではのコミュニティ等について迫ってみました。

そこで今回は、子育て及び親の介護を経験された女性にお話を伺い、改めて女性の暮らしから眺めるマンションの魅力について迫ってみたいと思います。

繰り返しになりますが、マンションの実際の暮らしを見てみると女性が主役です。
そこで、インタビュー形式という生の声を聞けるスタイルにより、読者の皆さまにも様々な事を感じて頂きながら魅力あるマンション作りに繋げて行きたいと考えて書いています。

3人目の女性のプロフィールは以下の通りです。

Cさんのプロフィール

お子さん2人は社会人として自立され、ご両親の介護も経験されている1500戸を超える首都圏のマンションに住まわれている方です。

前回同様、極力私の方で、加工をせず生の声をお届けしたいと思っているので、これから2回に渡りインタビューの内容を、第6回目でまとめや考察、より暮らしやすさを提供できる良い事例についてご紹介する形を取りたいと思います。では宜しくお願いします。

家族を呼びたくなる、世代を超えて住みたいと思うマンションとは

吉田 :本日は宜しくお願いします!

Cさん :こちらこそ宜しくお願いします。

吉田 :Cさんはこのマンションにどれ位住まわれているのですか?

Cさん :第一期、第一次分譲時に購入したのでかれこれ30年以上になりますね。

私自身親が転勤族という事もあり、今のマンションに住む前は数年で住まいが変わっていたので、30年以上も同じ場所に住んでいたのは実は初めてなんです。

その30年の中で、2人の子育てをして、親を呼び寄せて介護をして、見取るところまでやってきました。今は息子夫婦も同じマンションに住んでいるのですよ。

吉田 :ご両親も呼ばれたのですか?それはいつ頃ですか?

Cさん :はい。娘が大学生頃ですから、10年くらい前でしょうか。両親も高齢化して、身体が弱ってきたので近くに住んだ方がお互いに安心という事もあり決めました。

「スープの冷めない距離」という言葉がありますが、それを地でやっていましたね(笑)料理を作っては持っていったりしていました。また近所の方も協力をしてくれて、急なサポートが必要なときは代わりにやって頂き助かりました。

吉田 :それはご両親も安心されたでしょうね。

Cさん :実は今住んでいるこの部屋は、以前この部屋に住んでいた方とのご縁で住むことになったのですよ。この場所が出来上がった当時は違う棟に住んでいたのです。

ただ両親がここに来てから、両親と同じ棟に住まれていて特に仲の良かったこの部屋の方が、引っ越す際に声をかけてくれたのです。「この部屋の方が(これからの活動を考えたら)良いのではないか?」って。両親とも近くなりましたし、嬉しかったですね。

吉田 :人と人の繋がりがそのような事も生み出すのですね。

Cさんのようにこのマンションにご家族を呼ばれる方は多いのですか?

Cさん :家族、親戚合わせると4世帯で住んでいる方もいらっしゃいますね。

吉田 :それは凄いですね!1500世帯以上あるといっても中々無いことだと思います。皆さん暮らしやすいのでしょうね。

実際に子育て時期の助け合いはあったのですか?

Cさん :はい、ありましたね。例えば子どもが風邪を引いた時、私が見てあげるわよという声をかけてくれるという事は日常茶飯事でした。

この場所はマンションができてから小学校が出来たので、このマンションに住んでいる子どもたちのほとんどが同じ小学校に行くという形でした。

そのため、初めは知らない人でも、小学校で顔を合わせたり、それこそPTAなどの役をやれば頻繁にコミュニケーションをとるようになりますから、ドンドン知り合いが増えていくという感じでしたね。絵本の読み聞かせ等の「地域のボランティア活動」も繋がりを作ってくれました。

吉田 :子どもをきっかけにコミュニティの輪がドンドンと広がっていくイメージですね。

それにしてもお話を伺っていると、皆さんが長きに渡り住まわれたり、ご家族を呼ばれたり、お子さんを通じてのコミュニティが出来たりと、暮らしやすいマンョンだという事がヒシヒシと伝わってきますね。

これは建設当時から考えられていた事なのですか?

Cさん :そうですね。私が住んでいるマンションは「一生住める」というコンセプトで作られたようです。そのため、違う間取りの部屋を作ったり、広場を複数作ったり、テニスコートを整備したりしています。

また敷地内に緑を多くして、並木道を作ったり、せせらぎのある水場を作って夏は子どもが楽しめるようにしたようですよ。

吉田 :確かにそうですね。Cさん宅へお伺いする途中でも、非常に緑が豊かでしたし、散歩をされている方、テニスをされている方と明るい雰囲気がとても印象的でした。

また同じマンション内で間取りが違うというのは良いですね。子どもが大きくなり手狭になると他のマンションに移るのではなくて、同じマンション内の大きな部屋に移る事が出来るになれば、居住者さん、組合さん双方にとってメリットがあるのではと私自身も思っています。

Cさん :その通りですね。実際にそのようにマンション内で引越しをしている人は多いようですよ。私もそうでしたし。

母親という視点に立つと、一度出来たコミュニティを継続できるってとてもメリットがあって、変わるライフスタイルにあわせて部屋は変わっても、変わらないコミュニティがあるというのはとても重要だと思います。

コミュニティの力で大規模修繕の値上げを乗りました

吉田 :その「コミュニティ」という視点で、マンションの運営面でプラスになった事とか、エピソードはありますか?

Cさん :私たちのマンションは大規模修繕と棟毎に実施する運営になっていて、今私がその役員をしています。

私が役員になる前から、数年かけて検討をしていたのですが、最近出た結論としては大規模修繕積立金を今の1.5倍くらい値上げが必要だというものでした。

このご時勢ですしどうかな~と思っていたら、何と95%以上の賛成で承認されたのですよ。

吉田 :それは凄いですね!最近どこでも同じような事が起こっているのですが、突然の値上げに意見がまとまらずに困っている組合さんも多いようですよ。

Cさん :そうですね。私たちも一朝一夕ではないと思いますよ。そこに至るには「私たちの棟は一蓮托生だよ」といった言葉が出るくらい日々の助け合いがあったり、修繕検討委員の委員長が問題や指摘があった時に時間をかけて、理解して頂けるまでしっかりと説明するという姿勢を持ち続けていた事も影響していると思います。

また委員会もそれぞれの個性を活かした役割で運営されていたのも良かったと思いますね。例えば銀行員の方はお金、建設系の方は技術、主婦の方は暮らし視点での素直な意見、そして私は日本語を教えている事もあり、分かりやすい文章への添削等々。

それぞれが持ち味を出しながら、皆で進めて行けた事がこのような結果に繋がったのだと思っています。

吉田 :ありがとうございます。運営に日常の人間関係が如何に大切かという事を実感するエピソードですし、そのようなコミュニティがある中で生活していると、皆さんがそこを離れず長きに渡り暮らされている理由が良く分かります。

Cさん :それと植栽のボランティア活動もコミュニティから生まれましたね。
私の娘が緑の勉強をしている事もあり、大学生の時に私たちのマンションの植栽委員会に入ってもらいました。

計画を見直す等、色々と変わっていった事があるのですが、その中で生まれたのがこのボランティア組織です。緑が好きな人で出来たボランティア組織なのですが、空きスペースに花壇を作ってきれいな状態にする活動をしています。女性に人気で、かれこれ10年以上経ちますが、今でも継続しておりますよ。

吉田 :非常に示唆に富むお話ですね。ベースとしてコミュニティが出来ていると、色んな運営面でプラスになる事が多いと改めて実感しますし、築年数が浅いマンションで運営やコミュニティが醸成されていないマンションの参考になると思います。

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2013/04/12